- Amazon.co.jp ・本 (399ページ)
- / ISBN・EAN: 9784198628130
作品紹介・あらすじ
2006年リーマン・ブラザーズはサブプライム債権を証券化して総額500億ドルのCDO(債務担保証券)を組成し、業界のトップに躍り出た。ファルド会長とグレゴリー社長は莫大な利益をもとに、不動産や企業買収に血道をあげる。だが、やがて住宅バブルにかげりが生じ、負の連鎖が進行し始める。著者の所属するディストレス債務部門は、大規模な空売りによって、来るべき破滅を回避しようとするが-。ウォール街で畏怖された老舗投資銀行の中で、何が進行していたのか?元社員がその驚くべき内情を暴露する。
感想・レビュー・書評
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サブプライムローンで、世界を巻き込んで倒産したリーマン。その原因は金融工学の破綻であるとの報道も多かったと思う。しかし、この本によるとそうではない。組織は頭から腐る。この不変の法則は、どうやらリーマンにも当てはまりそうだ。無信用調査で融資された不動産投資はリバレッジ40倍。これを正当化する金融工学ロジックはなく、経営陣の無為無策が招いた大事故であったようだ。 本書は、この狂乱的出来事の渦中にいた著者が描いたドキュメンタリーである。彼の描く臨場感は、その当事者にしか語れない説得力を持ち、興味深い。
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☆チャーリーオススメ!!
リーマン・ショックの時に何が起こったのか? これは常に自分にとっては大きな学びの課題です。 この本からも得られる知識は多かったです。 -
資金繰りに問題のある企業が、転換社債を発行するという事実は参考になる。
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現実に起こった事実の述懐に過ぎないのに小説を読んでいるような面白みと興奮があった。ウォール街、合衆国政府、FRBの動揺が手に取るように伝わってくる。男たちの葛藤、苦悩、困惑。リーマン社員である著者の目を通してのリーマン破綻に至る内部の衝突、攻防が克明に描かれている。胸躍る著者自身の立志伝もなかなか良かった。
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リーマンブラザーズに勤務していた中堅トレーダーの目から見た内幕本です。
ベストセラー作家の共著者がおり、トレーディングで大儲けする場面などたいへんスリリングで面白く読めます(おそらく、トレーダー氏から聞き取りして書いたのかと)。
副題になっております「リーマンブラザーズはなぜ暴走したのか」については、会長ファルドと社長グレゴリーの個人的な強欲と愚かさに帰結させており、ITバブル後から始まる低金利政策による住宅バブルや、中国などの過剰貯蓄の影響、グラス・スティーガル法撤廃などにはさらっとしか触れられておりません。
また、リスク管理軽視なども個人的確執に矮小化させている部分も。
最後の救済拒否はポールソン長官との感情的問題になってたりw
それでも、リーマンの現場のトレーディングの雰囲気や、どっとコムバブルやエンロン事件などのエピソードも読め、たいへん面白く読めます。
これに先に触れました世界経済や米国の住宅政策の話など絡めまして、
次を読んでいこうかと思います。 -
債務担保証券のバブルから債務不履行の激増へと垂直降下した、その直接の原因と内部の事情を知りたくて手に取りましたが、
本書の予想以上のドラマチックな展開にグワグワ引き込まれ、金融知識以上に様々な考えを得ることが出来ました。
破綻に至るまでのリーマンが踏んでいたのは「大企業病」という茨道。
1つのビル内で、モーゲージ部門が不動産市場から途方無い利益を吸い上げている、
その別の階で、不動産市場の危機を 'モーゲージ部門抜きで' 懸念するという状態。
遠く離れたボディビルダー風営業員が、決して後先を考えずひたすら契約を取りまくる、
その現場状況を知る人間は、ウォール街に1人として居ないという状態。
誰がどう考えてもオカシイですね。
けれどそう感じるのはあくまで私達が「外から」見てる立場だからこそであって、井戸の中から疑うにはあまりに得る金の桁が大き過ぎましたね。
金融知識が無くても十分楽しめました、このまま映像化できるくらい。
世界最強の頭脳集団が苦悩する描写は結構シビれます。 -
舞台の裏側、興味深い!!そしてウォール街かっこよすぎ!!ニューヨーカーになりたい!!
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え~と、なんでこんな本を読んだんでしょうね。。。
超短縮でまとめると、暴走の原因は、
アメリカ政府が、暴走可能な法律を設定(暴走不可能な法律を廃棄)したこと。
と、なりますね。
やはりすごい国です。
昔はもっとあらゆる意味で、「世界の警察」だったような気がするんですが、
気のせいなのか、ぼくがおこちゃまだったからだけなのか?、、、
1980年くらいがアメリカのピークだったのかな?
冷戦が沈静化の方向になってから、おかしくなってきた、って感じかな。。。
どちらにせよ、世界独裁社会化、は着実に進んでいます。
自分に有利なルールを作って、儲けて、他者のお金で処理。
まぁ、もう、いいですけど。
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