不実な美女か貞淑な醜女か

著者 :
  • 徳間書店
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本棚登録 : 84
感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (310ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198601621

作品紹介・あらすじ

沈黙は許されない同時通訳のスリルとサスペンスの日々。

感想・レビュー・書評

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  • 通訳を生業としている著者の体験談・言語論が述べられていて、タイトルから推測される内容とは違う。
    通訳と言う仕事に、今まであまり興味がなかったが、その難しさや面白さを感じることができ、少しだけ視野が広がった気がした。

    面白かったが、読み進むのには時間がかかってしまった。
    同じような内容の繰り返しがあったためかもしれない。
    学ぶべき点・初めて気づいたことなどが多かったので、差し引き★3としよう。

  • 通訳業の妙味がいっぱい。コンテクストが大事。ただの訳だったら伝わらないし、コンテクストへの埋め込みと発掘、異文化の橋渡しが通訳。外国語だけできてもダメなんですね。外国語を学び、日本語を客観視しすることが大事だと。25年も前の出版だけど、今叫ばれている小学生からの英語教育に一石を投じている点も見逃せません。

  • 通訳になりたくなる

  • 自分の仕事についてこんなに語れるようになりたいものだ。
    言われてみれば当たり前だが、通訳するジャンルによって都度勉強しなければならない。通訳している時間以外の準備時間の膨大さにクラクラした。

  • 専門学校時代に影響された本

  • おすすめ資料 第62回日本語と外国語のあいだ(2008.4.4)
     
    「不実な美女」というフランス語は、「美しいが、原文に忠実でない翻訳」のことを指して用いられるそうです。
    本書は、ロシア語同時通訳者として活躍した米原万里氏のエッセイです。
    同時通訳の修羅場と失敗談、2つの言語の間を行き来することの面白さと苦しさについて軽妙に語っています。

    異なる言語間のコミュニケーションを成功させるには、外国語の能力だけでなく、美しい母語を駆使できる能力も欠かせないことが本書から理解できます。
    母語が貧弱では、いくら外国語ができたとしても、異なる言語間の橋渡しという通訳の至上課題をこなせないのです。

    外国語を学ぶということは母語を豊かにすることであり、母語を学ぶということは外国語を豊かにすることだと、著者は言っています。
    新学期、ご自身と母語と外国語との関係を見直してみるのもよいのではないでしょうか。

  • 私も通訳・翻訳を仕事でしているので、筆者の言うことに共感しすぎてしまった。これを読んで、なんだかロシアにすごく興味をもちました。ロシア、なんだか面白そう。

  • まずは母語を磨こう。

    図書館の言語学コーナーに紛れていた(と思った)場違いな本のタイトル。気になって手にとると、とても何かを感じた。借りた、読んだ、笑った、為になった。

    3ヶ国語しゃべれば神様扱いされる日本で見落とされがちな国語こと、日本語。
    米原さんと私の親友、二人の共通点は言葉を転がすように扱うこと。同じことを伝えるのに、どうしてここまで面白いのよ!
    親友のブログがいっこうに更新されない隙に、米原本を2日で読破した。思いっきり言葉に笑わせてもらった。

    通訳になる、という夢の100分の1つは少し熟考。

  • 再読。このブクログの本棚に入ってなかったので、もしや読んでないのかも、と思ったけど、そんなわけはなかった。この聡明な米原万里さんが既に亡くなっているなんて信じられない。これはエッセイとなっているけど、通訳論なので、ちょっと難しいところもあるけど、言葉は好きなので面白い。通訳を目指す人には必読書なのではなかろうか。小さい頃から母国語ではなく、いろんな言語を話させるのはよくないというのを、今の小学校から英語というのを決めた奴らはどう思うのか。日本語、日本の歴史や文化を理解していないうちに英語を話せたところでなんだというのだ。そもそも学校教育だけで、どれだけ言語が身に付くというのか。

  • 市図書館。

    通訳者の頭の中を垣間見れた!
    英語を教える身としては、なかなかタメになった一冊。

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著者プロフィール

1950年東京生まれ。作家。在プラハ・ソビエト学校で学ぶ。東京外国語大学卒、東京大学大学院露語露文学専攻修士課程修了。ロシア語会議通訳、ロシア語通訳協会会長として活躍。『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』(角川文庫)ほか著書多数。2006年5月、逝去。

「2016年 『米原万里ベストエッセイII』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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