福井モデル 未来は地方から始まる (文春文庫 ふ 44-1)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (281ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167911072

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  • 福井モデル、というタイトルながら第1章はまるまる富山県(特に富山市)の為に割かれている。プロローグにもあるように、北陸の凄さに日本中、さらに海外からも注目されているらしい。
    石川は1%くらいしか触れられていないが、福井(特に鯖江市)6割、富山4割くらいの割合でいかに北陸が注目に値する地方かということを紹介している。

    福井県出身者としてこんなに誇らしいことはない。福井県の長所、恥ずかしながら知らないことがたくさんあった。
    人口当たりの社長の数、共働き率、小中学校の学力、体力テストで首位独占などは知ってたけど、平均世帯年収が東京を抜いて1位だったとか、生活保護受給率ワースト1位とか、他にも持家率、人口当たり書点数、障害者雇用比率などでも全国トップスリーの高い成績。

    あまり知られていないけど日本一や世界一の企業が多い。古くからの繊維産業を応用したものやシリコン電子部品などのハイテク産業まで。
    共働き率が高く特殊合計出生率も高いので「女性が子育てしながら仕事しやすい」県と言える。
    遡れば戦国時代、一向一揆に失敗した頃から福井県は教育に力を入れていた。そして“勤勉”を尊ぶ県民性、地域の繋がりを大切にする気風、インキュベーション(企業誘致ではなく地場産業を孵化させ育てる姿勢)などなどが他の地方には無い独自の成功を生み出した。

    今までずっと、どこか心の中で福井のことを恥じていた気がする。東京には行きにくいし天気はいつも悪いし、大して観光で見るところもないし…。将来も福井に帰ることはないだろうなとどこか考えていた。
    この本に書かれていることはそんな僕に大きな衝撃を与えた。まさに目から鱗。これからはもっと福井のことを誇って生きよう。そしていつかは郷土に帰り、発展に貢献していきたい。

  • 「地方再生」という帯に惹かれて読んでみる。現状、多くの地方が衰退する中で、北陸の成功を「過去」、「現在」、「未来」と語って良い読後感。やはり「教育」は、大事。

  • <目次>
    プロローグ  二十年前のベストシティはその後どうなったのか?
    第1章   「過去」未来は過去の中にある
    第2章   「現在」世界を唸らせた富山市の挑戦
    第3章   「未来」新しい仕事を創り続ける福井モデル
    最終章   すべての答えは、学校の授業にあった!
    まとめ

    <内容>
    北陸三県(富山・石川・福井)は、幸福度ランキングや持ち家ランキング、社長数ランキングなどでトップ10に必ず入る県である。その理由は?初版は2015年。文庫版のあとがきに書いてあるが、それから3年たって文庫版にした際に、データを見直したが、あまり変化はないそうだ。
    最終章にあるように、北陸3県の活躍は、すべて学校にあるらしい。しかし、一朝一夕で他の県は真似できない。それは、「自発」であり、子供は小学校からずっと自分で日記や反省などを「書きまくる」。自分で気づき、自分で改善していく。もう「アクティブラーニング」を昔からやっていたのだ。さらには「地域性」。これは本当にマネできないだろう。しかしヒントはあるのではないか?日本の将来に…。本当の「ホスピタリティ」。どっかの政治家のうわごとでなく、真摯な力が…。

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著者プロフィール

Forbes JAPAN 編集長。著書『福井モデル-未来は地方から始まる』(文藝春秋)は2015年、新潮ドキュメント賞最終候補作になった。2016年には韓国語版が発売され、韓国オーマイニュースの書評委員が選ぶ「2016年の本」で1 位に。2017年、韓国出版文化振興院が大学生に推薦する20 冊に選ばれた。他に『ビジネス大変身! ポスト資本主義11社の決断』(文藝春秋)など。

「2022年 『未来を「編集」する』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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