にょにょにょっ記 (文春文庫 ほ 13-3)

  • 文藝春秋
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感想 : 39
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  • Amazon.co.jp ・本 (266ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167911065

作品紹介・あらすじ

妄想と詩想の間をたゆたう穂村さんの文章とフジモトさんのシュールなイラストの見事なコラボ。未収録分も増補して、これが見納め。

感想・レビュー・書評

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  • フジモトマサルさんの挿絵がシュールでほむほむワールドとの相性抜群。
    日記という題だが日記らしくない。
    安室奈美恵の名前の発見に、驚いてうあっと声が出てしまった。
    充電器のコードに結び目ができてしまうところや、万能カードSuicaを自分の肩に当てて反応を見るとか、蔦屋敷に沼っているところとか、ポムポムって勇気を出して注文するところとか、妻とのエピソード妬けるけど、好き。
    穂村さんとフジモトさんとの打ち合わせ、もうできないのかと思うと切ない。

  • クスッと感じる短編日記風の作品でした。以下抜粋。

    ①自動車の無人化が進んでいるが、今の自動車は人力車に比べれば確かに自動。ただ全自動ではないから半自動車。
    ②ウルトラマンタロウは、1人だけ日本人の名前。
    ③リカちゃんの彼氏レンくん。過去にはワタルくん、マサトくん、イサムくん、カケルくんといるらしい。元彼カテゴリーが必要とな。
    ④吉祥寺駅の出口。昔はロンロン口(ぐち)、今はアトレ口。昔は読みにくい。

  • 単行本も持っているのです。
    …でも、文庫の帯にある「シリーズ最終巻」「"にょ"はもう増えない…」の文字を見て、レジへ。
    単行本を読んでいた時には、このお二人のコラボがこれからもずっと続くことを当然のように思っていたのですが、もうそれも叶わないのですね。
    あいかわらずの面白さににまにましつつ、どうしようもない寂しさを感じながら読了。
    一番最後、3月31日のにょっ記に、鼻の奥がツンとしました。

    羽生名人についての文章に納得してしまいました。
    普通のあたまの良い人は、成長するとあたまの良い子供からあたまの良い大人の顔になる。
    「羽生さんは大人になってもあたまの良い子供の顔のまま。そういうひとだけが名人になれるのだ」
    う~ん…なんともいえない説得力があるなぁ。

  • にょにょっ記より穂村さんの日常生活感が出てたかも。フジモトマサルさんのイラストがとても味わい深い。

  • 古本屋のおじさんにおすすめされた1冊
    『にょにょにょっ記』

    2月末に職場を退職
    最近は精神科通いの日々

    その旨を軽く古本屋のおじさんに伝えると
    「とりあえずこれ、読んでみて
    バカバカしくておもしろいよ」とのこと

    いざ読んでみると本当に面白かった
    テレビとかYouTubeを観ても笑っていないのに
    笑っていないというか笑えなかった
    でもこの本1冊でゲラゲラ笑った
    久しぶりに声出して笑った
    大袈裟に聞こえるかもしれないが世界が少し明るくなりました

    他の本も読んでみます

    古本屋のおじさん、ありがとう

  • 妄想力に脱帽。凡人とはレベルが違う。
    達人レベルを垣間見る快感が味わえた

    なんとなく過ごす日常の中にも
    疑問や気づきを持てるものなんだなぁと思った。

    ----
    同感するものが多かったけど、その中でもあえて選ぶとしたら、
    ・(肖像画が飾ってあるのは)どうして音楽室だけなのか(28)
    ・キュッパ(89)
    いやぁ、わかるなぁー

    ・低学年ならお母さんに泣きついたかもしれない。135
    →お母さんに泣きつく、という状況を久しぶりに思い出した。自動的にも他動的にも。
    子育ての経験がある人はこういうのも普通に知れるのだろうけれど、子育て経験がないと忘れているんだなー

    ・「あたし、以前は盲導犬だったんです」179
    →これ、ふと思い出してにやにやしてしまう。自分も聞き違いしそう。

    ・彼女は恵方巻を激しく嫌っている。「あれを食べるものはチンパンジーだ」218
    →激しく嫌っている、というのがいい。自分もそういう対象(一般的に認知されているから公言しづらい)があるので、すごくよく分かる。

    ・「でも、これなんかハート型だよ」「関係ないよ」222
    →そう。ハートでも関係ない。「雑魚用」という言葉に痺れる。義理ですらなく雑魚。

  • おもしろい。
    本棚に3冊並べて置いておかないと。

  • 精神安定剤。かわいい。

  • 「モグラって本当はサングラスもシャベルももってないんだよね」

    11月23日追記。
    ……。実は「にょにょっ記」のレビューを間違えて本書のレビューとして書いてしまったのだった。
    本書でシリーズ終了だとか。恋人だか妻だかを天使と呼ぶおのろけ満載のシリーズだった。

    「安室奈美恵」の横棒を大発見!

  • フジモトさんが存命でしたら続きがあったのでしょうか。ちょっとシュールなくまさんの絵が穂村さんの文体と合って不思議な読後感です。

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著者プロフィール

穂村 弘(ほむら・ひろし):1962年北海道生まれ。歌人。1990年に歌集『シンジケート』でデビュー。短歌にとどまることなく、エッセイや評論、絵本、翻訳など広く活躍中。著書に『手紙魔まみ、夏の引越し(ウサギ連れ)』、『ラインマーカーズ』、『世界音痴』『もうおうちへかえりましょう』『絶叫委員会』『にょっ記』『野良猫を尊敬した日』『短歌のガチャポン』など多数。2008年、短歌評論集『短歌の友人』で伊藤整文学賞、2017年、エッセイ集『鳥肌が』で講談社エッセイ賞、2018年、歌集『水中翼船炎上中』で若山牧水賞を受賞。

「2023年 『彗星交叉点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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