河のほとりで (文春文庫 は 36-9)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167910204

感想・レビュー・書評

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  • 『柚は九年で』に続く、急逝直前まで新聞や雑誌に記された随筆集第2弾。
    「書物の樹海へ」は、他の作家の時代小説の文庫に、著者が書いた解説を集めたもの。
    早乙女貢著「奇兵隊の叛乱」、山本兼一著「おれは清麿」、青山文平著「伊賀の残光」安部龍太郎著「レオン氏郷」などなど。
    どれも未読であり、是非にと読んでみたい気持ちを起こさせてくれる。
    「日々雑感」の「健康への出発」で、健康に自分で責任を持ち自分の年齢をもっと自覚しようと、記していた著者が、その半年後に急逝したとは・・・。

  • 葉室麟さんの随筆第二弾。

    葉室ファンの私からするといい本だが、あまり葉室作品に馴染みのない人からすると、書評や雑感が一緒になっていて、内容に統一感がないと思うかもしれない。

    ただ、葉室作品に馴染みがない人も、読んでいると葉室さんに優しく諭されているようで癒されるので、騙されたと思って読んでいただきたい。

    「河のほとりで」という書名には、歴史を省みることが少なく、内向きになり国際社会から積極的に学ぶ進取の精神を忘れつつある現代日本への、編集者の警告が込められている気がする。気になった方には、本書に収録されている「禅僧」と「『美しくない』歴史に寄り添う」という随筆を一読していただきたい。

  • エッセイ。雑記。書評。
    飛ばし読み。

  • 作年12月に亡くなった葉室麟さんの二冊目の随筆集(一冊目は「柚子は九年で」)。
    西日本新聞に連載された随筆の数々からは、彼の作品執筆に対する裏側が読み取れていいし、「書物の樹海へ」と題した項目で取り上げられた数々の本に寄せた解説文も素晴らしい。
    ただ、「日々雑感」としてまとめられた中にある「健康への出発」は、亡くなる5か月ほど前に書かれたものだけに切ない…。
    それだけ自覚していたのなら、もっと早く実行に移していればいいのに、との思いを禁じえない。
    ※「書物の樹海へ」で取り上げられた作品…
    早乙女貢「奇兵隊の叛乱」山本兼一「おれは清麿」「修羅走る関ヶ原」青山文平「伊賀の残光」安部龍太郎「レオン氏郷」海音寺潮五郎「史伝西郷隆盛」諸田玲子「梅もどき」朝井まかて「眩」澤田瞳子「若冲」

  • 昨年の12月突然亡くなってしまった、遅咲きの時代小説家でした。「蜩ノ記」で直木賞を受賞したのが、ついこの間のようです。まだまだ、書いて欲しかった作家でした。

  • 【過去の息吹を掬い上げ、いまの流れを読む】小説のみならず、エッセイにも定評のある著者の文庫オリジナルエッセイ集。西日本新聞の「河のほとりで」を中心に編まれた掌編です。

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著者プロフィール

1951年、北九州市小倉生まれ。西南学院大学卒業後、地方紙記者などを経て、2005年、「乾山晩愁」で歴史文学賞を受賞しデビュー。07年『銀漢の賦』で松本清張賞を受賞し絶賛を浴びる。09年『いのちなりけり』と『秋月記』で、10年『花や散るらん』で、11年『恋しぐれ』で、それぞれ直木賞候補となり、12年『蜩ノ記』で直木賞を受賞。著書は他に『実朝の首』『橘花抄』『川あかり』『散り椿』『さわらびの譜』『風花帖』『峠しぐれ』『春雷』『蒼天見ゆ』『天翔ける』『青嵐の坂』など。2017年12月、惜しまれつつ逝去。

「2023年 『神剣 人斬り彦斎』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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