オレがマリオ (文春文庫 た 31-9)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167909154

作品紹介・あらすじ

新しい光に満ちた第五歌集。「電信柱抜けそうなほど揺れていた」震度7とはそういうことか空腹を訴える子と手をつなぐ百円あれどおにぎりあらず子を連れて西へ西へと逃げてゆく愚かな母と言うならば言え東日本大震災発生当時、東京にいた著者が仙台の家に帰れたのは、4日後だった。余震と原発事故が落ち着くまでと思い、翌朝息子の手をひいて、西へ向かう。醬油さし買おうと思うこの部屋にもう少し長く住む予感して第三者的には「軟禁」とも言える車を持たぬ離島の暮らし「オレが今マリオなんだよ」島に来て子はゲーム機に触れなくなりぬ紆余曲折ののち、沖縄の石垣島に住むことになった親子。豊かな自然、地域の人々との密な触れ合いは、様々な変化をもたらした。愛、発見、出会い――。かけがえのない石垣島の日々から生まれた第五歌集。解説・松村由利子(歌人)

感想・レビュー・書評

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  • あらゆる日々の営みが見方次第で歌になり得る、ということを改めて思い知った。いや、「見方次第」なんていうのは私みたいな凡人が言うことであって、世界の見え方がそもそも違って、日常の中にでも、自ずと詩を見出しているのが、本当の歌人詩人なのか。「小躍り」の歌が一番好きな歌だ。「さざやかな」って言葉があっても良いと思った。

  • 俵万智の作品の中でもかなり好きなものだった。自分の年齢が上がったからか。3.11について、子供について。さらに刹那的に感じられ、母として女性の愛を感じる。

  • それぞれの詩が繋がりあったエッセイのような小説のような詩集。詩ならではの躍動感と自然の描写が想像力を掻き立てる作品に。
    母でありながら1人の女性であることを忘れず恋の描写もあったのが人間らしかった。
    他の作品も読みたい。
    77/100

  • サラダ記念日の後に読むと、作品の作り方が違っていることに気付く。ありのままを素描したもの、自己の中で練り込まれたもの、私はどちらも好き。

  • 万智さんの人生が垣間見れたように感じた。
    お子さんも万智さんもどこまでも自由で美しい人だなと思った。

  • 詩人の感性の高さに心震わせる。
    歌にすることで想像力をかき立てられることを、俵万智さんから毎度強く思い起こされる。
    この時はこんな状況かな?と思いを巡らしながら読む素敵な詩集。

  • 「オレがマリオ」のタイトルに惹かれました。言葉選びのセンスがすごい。

  • この人は昔から哀しいと楽しいが7:3の感じがする、絶妙だ

  • 「オレが今マリオなんだよ」島に来て子はゲーム機に触れなくなりぬ

    はじまりはみなこのかたち魚卵にも似たるパパイヤの種を掻きだす

    「ただいま」を言え言え言えと言われれば「ただいません」と返すおさなご

    無垢、無邪気、無心、無防備 笑顔とは無から生まれるものと思えり

    振り向かぬ子を見送れり振り向いたときに振る手を用意しながら

    観覧車の歌口ずさむ秋の空 思い出じゃない一日が欲しい

  • 感受性に喜怒哀楽を乗せると,こうまで吸引力が生成されるものか.

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著者プロフィール

1987年の第1歌集《サラダ記念日》はベストセラー。歌集に《かぜのてのひら》《チョコレート革命》《プーさんの鼻》《オレがマリオ》《未来のサイズ》《アボカドの種》、評伝《牧水の恋》、エッセイ《青の国、うたの国》など。2022年、短歌の裾野を広げた功績から朝日賞を受賞。読売歌壇選者のほか、宮崎で毎年開催される高校生の「牧水・短歌甲子園」審査員もつとめる。

「2023年 『旅の人、島の人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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