ありふれた愛じゃない (文春文庫 む 13-6)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167906924

作品紹介・あらすじ

いったいどうすれば、あの男にこれ以上惹かれずにいられるのだろう銀座の老舗真珠店に勤務する32歳の真奈。女性上司に敵視されつつも仕事は充実し、私生活では年下の恋人と半同棲生活を送っていた。ただ、出張先のタヒチで彼女を待っていたのは、元彼との再会だった──。抑えようとしてもなお、2人の男の間で揺れる心。生命力あふれるタヒチという土地の力が真奈をかえてゆくのか。珠玉の恋愛長編を、ブルボンヌさんが解説。心と軀(からだ)のリミッターが外れる……

感想・レビュー・書評

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  • 村山さんの本は
    昔からよく読んでいる。
    なんか、好きで。
    本の世界は、とても心地がよい。

  • 読書備忘録614号。
    ★★★★★。
    図書館の予約本がなかなか回ってこないので、読んでいなかった村山さんの過去作品を。
    主人公たちに感情移入してしまい、理性を失うような恋をしているような錯覚をしてしまう物語。久しぶりの村山恋愛小説。堪能しました。
    主人公藤沢真奈32歳。真珠宝飾店の店員。8歳歳下の大野貴史と同棲に近い関係。
    宝飾店の社長高橋から、タヒチへ真珠の買い付けに同行しろと命令される。買い付けが終わったら1週間ほどタヒチでバカンスをして良いと言われ、貴史から"合流するから一足早いハネムーンにしよう"とプロポーズされる。
    初めての買い付けに緊張しながらも、貴史からのプロポーズに浮かれタヒチに。
    そしてタヒチで思わぬ人物と再会する。10年前、学生時代に付き合っていた朝倉竜介。当時は熱愛だったが、就職活動もせず、日本社会では生きていけない社会不適合者として見切り別れた相手。
    当時、"南の島でヤシの実でも食べながら暮らさないか"と言っていた男がタヒチで"リウ"と呼ばれ、連れ合いと子供と共に立派に生活していた・・・。
    合流予定の貴史が仕事のトラブルで遅れることに。暇を持て余す真奈はキャンセルが出た無人島ランチツアーに参加することに。
    ガイドが竜介だったことで困惑する真奈。無人島に向かう途中のシュノーケリングで、脚が攣りパニックに陥る真奈。助ける竜介。抱きかかえられた真奈の身体に古い記憶が呼び起こされる。それは竜介も同じだった・・・。
    遅れて合流した貴史は真奈の変化を感じる。
    竜介の連れ合いマリヴァは竜介の変化を感じる。
    そして帰国。結婚を焦る貴史。気持ちが離れていく真奈。修復できない溝・・・。
    そして真奈はタヒチへ2度目の真珠の買い付けに。
    竜介との再会。そしてそしてそして村山節!熱い熱い熱い!
    いやはや、結末はハッピーエンドなのか。それとも一時の熱病なのか・・・。
    読者の想像に任されている、という感じですね。
    私はハッピーエンド派。二人は仲良く暮らしたとさ!
    登場人物がみんな魅力的なのも村山小説。セクハラ、職場でのいじめ、タヒチの自然。すべてが最高でした。
    昔の村山さん。大好き。
    あと文庫の表紙は下品。笑
    アコヤ貝に裸体の女子。
    単行本の表紙が良い。タヒチを思わせるキュンとなるコテージみたいなシルエット風景。

  • まさにありふれた愛じゃないって感じだった笑

    それにしても主人公の社交性には羨ましい限り。あんな社交性があったら人生どこ行っても楽しそう。

  • 物凄くタヒチに
    行きたくなりました。
    マナという女性に会ってみたい…

  • タヒチに行きたくなった〜!
    マナは魅力的でモテるんだろうなぁ

  • 未熟だがまっすぐな年下彼氏との婚約に満足していたはずの真奈が偶然再会したのは、社会不適合だが危険なほど官能的な元カレだった-。楽園の島タヒチで真奈が選んだ愛とは

  • 女として読めてよかったと感じる作品。

    今まで女性が描く女性らしい作品って苦手で、村山由佳も避けていた。けれどご縁で読んでみたら、どんどん引き込まれていく。
    うまく言葉に出来ないけれど、「開放的」な女性が美しいと感じた。

  • 村山由佳さんの作品の中でも好きな部類でした。
    (タヒチではないけど)海外リゾートでの一人旅のお供として読んだので、こんな素敵なホテルで素敵な過ごし方ができれば良いんだけど、と思いつつ、非日常を楽しみました。タヒチにもいつか行ってみたいです。
    才能があって皆に好かれて強い女性、好きです。

  • 自分に正直に生きること、自分に合う人生を歩むことの素晴らしさを改めて感じました。仕事が難しければ、自給自足する道もある。どこからでもやり直せると思いました。

  • 読むの何回目?ってぐらい好きな本です。

    人を好きになった時、ただ、好きという気持ちだけでは進めずに頭で色々考えてブレーキをかけてしまうけれど、この本を読むと好きなら好きのままいればいいのかな、と思わされます。
    ジョジョが言う、「逢いたければ逢えばいいし、抱かれたければ抱かれればいいじゃない」というセリフがシンプルで、人を好きになるってこういうことなのかなーと思います。
    これだけシンプルな気持ちで真っ直ぐに好きな人に向かっていけたら、とは思うもののなかなか難しいです。

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著者プロフィール

村山由佳
1964年、東京都生まれ。立教大学卒。93年『天使の卵――エンジェルス・エッグ』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。2003年『星々の舟』で直木賞を受賞。09年『ダブル・ファンタジー』で中央公論文芸賞、島清恋愛文学賞、柴田錬三郎賞をトリプル受賞。『風よ あらしよ』で吉川英治文学賞受賞。著書多数。近著に『雪のなまえ』『星屑』がある。Twitter公式アカウント @yukamurayama710

「2022年 『ロマンチック・ポルノグラフィー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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