後妻業 (文春文庫 く 9-13)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167906290

作品紹介・あらすじ

小説が現実を凌駕した、あの話題作が文庫化&映画化!結婚相談所の男と、結婚した老齢の相手と死別を繰り返す女につきまとう黒い疑惑。世間を驚愕させた恐るべき後妻業を描く超問題作!

感想・レビュー・書評

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  • 強欲で非情なお婆さんに、同情の余地が無く、これ程のわるが本当にいるのだろうかと思ってしまった。けれど、以前まるでこの小説そのままの事件が有ったことを記憶していて、つい当時の事を検索してしまった。顔写真を見て(そうそうこの優しげな顔の初老の女だった)としっかり覚えていたところをみると当時大きく報道されたのだろう。その時初めて(後妻業)なる言葉を知った。犯罪の究明に奔走する探偵(元刑事)も悪を憎むと言うよりも結局はお金。ただ娘達の父親に対する愛情はちゃんと描かれていたのでそこだけが救いだった。

  • 映画を見たのでストーリーも結末も分かっているはずなのにサクサク進んでおもしろかった!

    関西弁でザクザクと切り捨てるような会話が好きなのか黒川さんの小説ハマります!

    結婚相談所の会員のおじいさんを騙して遺産を奪うというはなし

    まぁお年寄りで奥さんもいなくて寂しい毎日に、演技とは言え自分を好きと言ってもらえたら騙されちゃうのかなー
    人の弱いところを突くのがうまいのかなー

    やっていることは悪いが、小夜子のように思ったことを思ったままに言ったり行動できればストレスないだろうなーある意味うらやましい

  • 悪い人たちがいっぱい集まりました!

    騙し騙され、外道が集まるとこうなってしまうのか…。どこにも救いがない気がした。
    寂しい老後を少しでも明るくなれば…結婚相談所に登録したご老人をターゲットにする後妻業が想像上の犯罪ではない所がまた怖いし気持ち悪い。

    被害者家族は悔しくても金輪際関わりたくない気持ち分かる。どうにもならない人はいるものだ。

  • みんな悪いなー。
    映画を先に見ていたので、大竹しのぶと豊川悦司の顔を思い浮かべながら読んだ。
    守屋弁護士が誠実で唯一まともな印象。

  • めちゃくちゃ面白かったな。中盤で探偵が登場して三つ巴の構図になってからのスピード感が凄い。全く中だるみなしで一気に読まされた。しかも出てくる悪党が誰も勝ち逃げしないで終わるラストもなかなか良い。実際には被害者置いてけぼりなんだけども。黒川博行ならでは。

  • とんでもなく恐ろしいオンナを主人公にした犯罪小説。

    冒頭から描かれる小夜子の犯罪が物語の全てかと思ったらば、とんでもなく恐ろしい犯罪が次々と描かれ、ゾッとした。参考文献からすると、黒い看護婦事件、木嶋佳苗事件をモデルにしているようだ。

    前半から中盤までは小夜子と結託する結婚相談所の柏木の数々の悪行が少しずつ暴れていくが、後半からは二人が向かう破滅への道がテンポ良く描かれる。

    が、終盤になぜか急に失速し、やけにあっさりとした結末を迎えたことが残念でならない。

    帯によれば、この夏、大竹しのぶと豊川悦司の主演で、『後妻業の女』というタイトルで映画公開されるようだ。

  • ロードショーされてる時に映画を見に行ったことがありすごく面白かった記憶があるが、原作もかなり面白かった。


    欲に塗れた悪人たちを徐々に追い詰めていく展開はスカッとしたが、追い詰めていく側の人間も実は...。

    金銭に突き動かされる人間って、ここまで罪悪感なく罪を犯してしまうのか。逆に清々しいというか。(身近には絶対いてほしくないけど)
    そういう人間は、傍から見ると本当に滑稽だし、哀れだ。
    結局最後は全部自分に返ってくるんですよね。世の中そんなうまいこと行きません。


    地元周辺が舞台になっていて、今自分が住んでいる周辺に小夜子が住んでいたり、その辺も面白かった。
    解説でもあるように、リアリティがあり土地の匂いを感じることができた。違和感のない大阪弁も相まってテンポが良く、スピード感もあり読みやすかった。


    面白い本をちびちび読み終えると、一気読みすればよかった...と後悔することがよくあるが、後妻業もそう感じた一冊。

  • 毎日の楽しみは就寝前の1時間、発泡酒を飲みながら読むエンタメ本。亀田の6:4ではなく、私の理想とする3:7の柿ピーをアテに飲む淡麗ほど美味しいものはないと思います。

    で、黒川博行さんの後妻業。面白かったーー!読み始めたらやめられず、寝る時間を削ってしまいました。
    とにかく、登場人物殆どがクセがありキャラが立っています。本作は69歳の小夜子が結婚相談所を根城に、相談所の所長と組んで再婚を希望する資産家を物色することが物語の中心。小夜子の全財産掠奪を阻止しようとする資産家の娘、興信所の探偵が絡み、先の展開が気になる一級の娯楽小説になっています。会話は99%大阪弁。この大阪弁がエグい物語展開をさらにエグくしています。
    とにかく、面白いです。特に還暦過ぎは後妻業の恐ろしさを知る為に読んだ方がいいかもです。女性に優しくされて、公証遺言状をねだられたら後妻業の心配をしましょう。

  • いいねえ、映画より面白い

  • 初の黒川作品。
    テンポも良く読みやすかったけど、ラストがちょっと呆気なかったかな。
    小夜子がとにかく胸糞悪かった。笑

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著者プロフィール

黒川博行
1949年、愛媛県生まれ。京都市立芸術大学彫刻科卒業後、会社員、府立高校の美術教師として勤務するが、83年「二度のお別れ」でサントリミステリー大賞佳作を受賞し、翌年、同作でデビュー。86年「キャッツアイころがった」でサントリーミステリー大賞を受賞、96年『カウント・プラン』で推理作家協会賞を、2014年『破門』で直木賞、20年ミステリー文学大賞を受賞した。

「2022年 『連鎖』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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