- Amazon.co.jp ・本 (382ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167905989
作品紹介・あらすじ
佐藤優が選ぶ、よりぬき米原万里ロシア語会議通訳、作家、エッセイストとして活躍した米原万里の作品を、激動のロシアで親交を結んだ盟友・佐藤優がよりぬいた傑作選。メインディッシュは、初公開の東京外語大学卒業論文、詩人ネクラーソフの生涯。ロシア、食、言葉をめぐる傑作エッセイ、単行本未収録作品などをロシア料理のフルコースに見立て、佐藤シェフの解説付きで紹介する。没後10年米原万里を偲ぶオリジナル文庫。
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
米原万里の作品群から佐藤優が編んだ選集。
米原万里は少女時代をチェコのソ連学校で過ごし、ロシア語通訳者として活躍、のちに物書きとなった人。
親は共産党員で地下活動が長かったという。通訳として国際舞台での実体験も豊富であり、読書量は一晩に7,8冊は軽いという知見の持ち主。
ゆえにエッセイもそんへんの文人が雑感を書くものとは一線を画す面白さだった。
(選集だからそう思うのかもしれないが)
政治や文化に対し批判精神を持ち、自身の考えが基盤にしっかりあることが感じられ、心地よい。
他の著作にも興味を惹かれた。 -
米原万里没後十年を迎えた、今年2016年、米原さんをしのぶ本や、エッセイの傑作選などが何冊か出版された。
これは、佐藤優氏の編による一冊。
私は、佐藤優氏に関する知識が無かったので、単に「米原万里のエッセイの傑作選」だと思って読み始めた。
読んだ事のある文を見つけて懐かしむのもいいな、読んだ事のないものが収録されていたら嬉しいな、そんな気持ちで。
目次は、コース料理に見立てられ、それにふさわしい、米原さんの文章が紹介される。
この、フルコースメニューに沿ってというのは、最近の流行だ。
しかし、そういうオシャレな流行スタイルをとっているにしては、何か政治思想のにおいがする。
作家の傑作選の編者は、普通、最初のご挨拶と、締めのご挨拶くらいしか書かないものだと思っていたが、コース料理の合間合間に、「シェフのご挨拶」が顔を見せる。
つまり、「米原万里」は料理の素材であって、出来上がった料理は、“シェフ”佐藤の作品。
この本は、そういう本だと私は思った。
それをどう捉えるかは、読む人次第だ。
正直に書きます。
私としては、「別に、あなた(佐藤氏)の事を読みたいわけではない」
純粋に米原万里を読みたいのであれば、今だっていくらでも手に入る。
ただ、大学の卒論などはなかなか読めないかもしれないが。
買ったまま、積ん読状態の米原作品が何冊かある。
まず、それらをきちんと読まなくては、と反省させられた。 -
初めて触れるソビエトとロシア
-
米原万里さんのエッセイが好きで、何冊か読んでいる。本書は、佐藤優さんが編纂した一冊。東京外国語大学の卒業論文が掲載されているのも、本書の特徴。
今度、本屋さんに行ったとき、久しぶりに米原さんの書籍を手にしてみたいと思った。 -
佐藤優さんが編者となって色んな抜粋したもの。
卒論が載ってるのが一番の目玉かな。 -
佐藤優氏が選んだ米原さんのエッセイ集。初公開の東京外語大学卒業論文が圧巻。最初は卒論だなんてつまらないなと思って読み始めたものの、後半はグイグイ引き込まれてしまいました。詩人ネクラーソフ…気になります。
-
付き合いのあった佐藤優が米原万理の作品を紹介している。米原作品を読む前に読むと参考になるだろう。東京外大ロシア語学科の卒業論文も含まれていて、ネクラーソフの生涯について書かれてある。ネクラーネフって初めて聞いたが、米原万理が選んだのはよくわかる。
-
図書館で。
佐藤優選米原アンソロとでも言うべきなのか。時々読んだ事がある気がする小作あり、こんなのも書いてたんだ~と思うモノもありで楽しく読みましたが… 卒論はちょっと読み切れなかった(笑)
宗教よりもアルコールを崇める方が良いってのはすごいなぁ。外国のユーモアセンスってさらりとしていてすごいと思う。確かにビール派とワイン派が殺し合ったりしないもんな~