看取り先生の遺言 2000人以上を看取った、がん専門医の「往生伝」 (文春文庫 お 28-5)
- 文藝春秋 (2016年1月4日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167905385
作品紹介・あらすじ
この国の「看取る文化」を甦らせるために病気を治すことと同じく或いはそれ以上に大切な、人が安らかに逝くこと。「臨床宗教師」の必要性を唱えて死んだ医師、渾身の遺言。
感想・レビュー・書評
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『医療につける薬』p68にて引用
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せん妄ではなく、お迎えなんだ!
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これがすべて、ではないけれど、こんな手段もあるんだなと思った。本の帯通り、がんというか病気や死への向きあい方が変わった。もともと、延命処置に批判的だったけど、死への道標が具体的で、漠然とした恐れが緩和された気がする。
在宅死が見えなくなっていて、看取りの文化が無くなってしまった弊害が出ているなんて、思いもよらなかった。「あの世」という存在が、人間の倫理観にも親密に結びついていることに対しても同じ。
宗教を信じることで、生と死が肯定されることに、うらやましさを感じていたけれど、まったくその通りだったな。無宗教は、見えない先はすべて無だから、辛いな。 -
何人ものがん患者に接していても自分が患者になって
初めて気づくことがいくつもあるようで
「私はこれまで何を見てきたんだろう」といった
フレーズが何度か出てきた。
印象に残った患者のことや、(一般的には書かれないだろう)
臨床での反省を隠さないことは率直で潔いと感じた。
あの世について肯定的で、誰にも必ず訪れる死を
正面から受容してるように見えた。 -
【この国の「看取る文化」を甦らせるために】病気を治すことと同じく或いはそれ以上に大切な、人が安らかに逝くこと。「臨床宗教師」の必要性を唱えて死んだ医師、渾身の遺言。