名画の謎 ギリシャ神話篇 (文春文庫)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167904111

作品紹介・あらすじ

人気の『名画の謎』シリーズ文庫化第一弾!ゼウスの好色ぶり、ヴィーナスの誘惑。神々の刺激的な物語を絵画と名文で味わう最高のエンターテインメントが文庫化!

感想・レビュー・書評

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  • 「星と怖い神話 怖い絵×プラネタリウム」有楽町で、名画と星座から“本当は怖い”ギリシア神話に迫る - ファッションプレス
    https://www.fashion-press.net/news/87844

    文春文庫『名画の謎 ギリシャ神話篇』中野京子 | 文庫 - 文藝春秋BOOKS
    https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784167904111


  • 1.おすすめする人
    →絵画が好き、神話が好き、
     絵に入り込みたいけど
     どうしたらいいか分からない

    2.内容
    →この作者の中野京子さんは、
     「怖い絵」でとても有名な方。
     絵画展には行くけど、
     いまいち意味がわからなかった私。
     面白おかしく解説してくれるから、
     肩肘張らずに絵画とギリシャ神話を
     理解することができた!!

  • ギリシャ神話を題材に扱った名画について著者の視点や歴史的背景を交えて解説。
    読んでいて視野を広げることの大切さについて考えたり「なるほど」と思いながら神話の世界に想いを馳せたりといろんな楽しみ方ができる一冊。
    ただ、オリュンポス12神の名前をローマ神話や聞き覚えのある名前に変えて解説していたけども、そのままギリシャ神話由来のもので良かったかと。
    特にアテナは聖闘士星矢にも出てくるし、聞き覚えのある人も多かったはず…

  • ものすごく知的好奇心が掻き立てられる。
    「人生の踊り」や「イカロス墜落のある風景」など、絵が読み解かれていくのは、推理小説にも似た愉しみがある。しかも文章を追うだけで想像力が刺激される名文。
    隠喩に満ちた絵画や神話を勉強したくなった。

  • ギリシャ神話を題材にした絵画を中野京子さんが読み解いてくれる。

    ギリシャ神話の神様たちは実に人間くさくて、自己にあてはめて考えられもしたり。
    『ピグマリオンとガラテア』『ヒュアキントスの死』『バッカスとアリアドネ』はドラマティックでただただ美しい。
    その他で印象的なのはゴヤの『運命の女神たち』。
    この絵を見て、何も感じない人はいないのではないかと言うぐらい、なんとも不気味な絵。

    帯に書かれていた『知的快楽、爆発』は、中野京子さんの本全般につけたいキャッチコピーだなぁ。

  • 陰謀と同じく

  • 「名画の謎」シリーズ。今回は「ギリシャ神話篇」。これでシリーズ読破となりました❗️

    ギリシャ神話は、宮廷でも好まれ、時代を超えて多くの画家が描いたテーマ。

    今回取り上げられた画家は、レンブラント、ルーベンス、ボッティチェリ、モロー、ベラスケス、カラヴァッジョ、ティツィアーノなど。

    相変わらず中野さんの解説は分かりやすく面白い。
    小難しい表現もほぼ使わず、巻末の解説で森村泰昌さんも言われているように、「下世話的なゴシップ」かのように、「野次馬的なノリ」で多々ツッコミを入れながら解説してくれるので、現代人の私たちも共感しやすいのだ。

    ギリシャ神話に出てくる神々の人物相関図がまた巻頭にカラーで掲載されており、その系譜がすぐに理解出来る。
    ゼウス、アポロン、マルス、ヴィーナス、ヘルメス、バッカス、など、聞き覚えのある神たちの数々の逸話が、「物語絵話」として解説されていく。

    読めば読むほど、本当に身勝手で自分本位な人たちが多い。突っ込みたくなるほどに。エピソードに事欠かない人たちばかりだ。
    ゼウスは動物にも虫にも化けて様々な女性、男性にひに言い寄る好色爺だし、絶世の美女のヴィーナスは奔放でワイルドすぎるし、軍神マルスは人妻(ヴィーナス)に手を出して復讐まで企む嫌われ者だったようだし(美大受験時代、イケメンだなーと思ってよく石膏像をデッサンしてたのに・・・)、ヘルメス(これもまた石膏デッサンをよくしたなぁ)も泥棒と嘘つきの神でもあったようだ。

    神同士が色んなところで浮気して、騙しあって、復讐もしっかりする。
    神聖なイメージがあったのに、実情はなんだかスキャンダラスな人たちでした。
    そして、神の数が少なかったため、兄妹と結婚することも多く、近親相姦も多かったようだ。

    ナルシスの言葉の由来になった人物や、オペラなどでよく取り上げられるオルフェウス(ギリシャ神話は、絵画化とオペラ化、どちらも多いのですね)、ピグマリオン効果なる言葉の語源となった物語、など、少しかじったことある程度だったエピソードもたくさん載っており、勉強になった。

    また中野さんの突っ込み風のコメントが毎度面白い。
    「でも仕方ない。男が勝手なのと同じくらい、女も十分勝手なのです」
    「(クピドについて)まさにキューピーちゃん体型で愛らしいが、この子の矢の怖さは誰もが承知だ。おまけに目隠しして、炎の燃えた矢をつがえているのだから、いつも以上に危険極まりない」などなど。

    ギリシャ神話の神々は、世界中に名前が知られていたり、今でも普遍的に使われる言い回しや言葉などの語源となったものが多く、それぞれのエピソードを知ると、そうなんだ!と新たな発見につながることが多く、面白い。

  • 一番印象に残っているのはモローの『オルフェウス』。世界史で象徴派の作品として見た時は背景がわからずに不思議さしかなかったので、解説を読み、さらに音楽の『天国と地獄』とも繋がってると知って驚きだった。ギリシア神話は登場人物が多くて理解が浅くなってしまい大変だけど、作品同士の繋がりを知るとすごく深い。

  • 聖書に比べてストーリーが支離滅裂すぎて好きになれない…長くじっくり向き合って脳に染み渡らせよう

  • 神話を通じて、昔の人がどんなことに関心があったのか、どんな価値観だったのか分かるような気がして面白い。

    男女どちらもの体を経験したテイレシアスがゼウスとヘラから「快楽は男女どちらが大きいか」と問われ「女の歓びのほうが男の十倍です」と答えた
    →大昔から人間は性に関心があったんだなあ。。しかも女性のほうが快楽が大きいことを知っていたとは、、!

    テセウスがアリアドネを島に遺棄
    →異国の女には何をしても構わないという差別意識?

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著者プロフィール

早稲田大学、明治大学、洗足学園大学で非常勤講師。専攻は19世紀ドイツ文学、オペラ、バロック美術。日本ペンクラブ会員。著書に『情熱の女流「昆虫画家」——メーリアン』(講談社)、『恋に死す』(清流出版社)、『かくも罪深きオペラ』『紙幣は語る』(洋泉社)、『オペラで楽しむ名作文学』(さえら書房)など。訳書に『巨匠のデッサンシリーズ——ゴヤ』(岩崎美術社)、『訴えてやる!——ドイツ隣人間訴訟戦争』(未来社)など。

「2003年 『オペラの18世紀』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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