無罪 INNOCENT 上 (文春文庫 ト 1-13)

  • 文藝春秋
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (361ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167903336

作品紹介・あらすじ

翻訳ミステリー大賞受賞の傑作!妻を殺した容疑で判事サビッチは法廷に。法廷闘争の果てに明かされる痛ましく悲しい真相とは。名作の20年後の悲劇を描く大作。

感想・レビュー・書評

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  • とっても面白かった。舞台は『推定無罪』の20年後。もちろん、主人公はラスティ・サビッチ。前作では、不倫の末不倫相手を殺害した容疑で起訴されてしまった検察官だ。
    そして、今作では、妻であるバーバラが突然死んでしまったことから、それがラスティによる殺人容疑として再び起訴されることとなってしまう。

    今作は、視点がラスティや、ラスティを起訴することに決めた前作でも登場したモルト検事、ラスティの息子であるナットなど様々に描かれており楽しめた。

    また、物語もスピーディーで、読み進めるにつれてラスティが今回は本当に殺してしまったのだろうか、や、懲りずにまた不倫をしているラスティだから、その不倫相手がバーバラを殺してしまったのか、等々最後まで推理できたのがとってもよかった。

    最後の解説にも書かれているが、ラスティ、オンナにフラフラ近づいては不倫をして、こりねーのかよ!というのが1番最初に抱いた感想だった。

  • 「推定無罪」の方がインパクトはあった。
    法廷場面の展開に引き込まれるのは、間違いなし!

  • 「推定無罪」の続編。20年後の設定。主人公の判事が妻殺害容疑をかけられ裁かれる話。宿敵の検事から訴追され、法廷での戦いが描かれる。前半は、1年半前~現在に至るまでの登場人物たちの描写と、検事が訴追するまでの経過が交互にそれぞれの視点から語られる。後半は裁判の様子。先が読めない展開で、何度も予想を裏切られた。構成もわかりやすくて、途中でとめられないくらい夢中になる。墓まで持っていくべき秘密があることの重さを感じた。

  • 「推定無罪」の20年後が描かれる。
    妻を殺した容疑により、かつてサビッチを殺人罪で訴追し、敗訴した検事モルトの手で、再びサビッチは法廷に。
    「推定無罪」と同様に、今回もサビッチの不倫がからみ、20年前をきっちり意識させる。

    と言っても、「推定無罪」をきっちりと読んだ覚えがない。
    しかし、この本を読むのに問題はない。十分楽しめる。

  • 推定無罪の続きである。かの主人公ラスティ・サビッチは60歳。それにもかかわらず、また過ちを犯したという書評を読んで久々に読んでみるかと。

    私にとって、サビッチの顔は、映画「推定無罪」で演じたハリソン・フォード。サビッチの表情や、不倫中の映像は頭の中でハリソン・フォードが常に思い浮かぶ。また妻は当然ボニー・ベデニアだし、敏腕弁護士のサンディ・スターンはラウル・ジュリアが思い浮かぶ。ラウルが54歳で急死していたとは先ほど知ってちょっと悲しい。

    さて、今回の話は、妻バーバラの死から始まる。サビッチが24時間も妻の傍でどこにも連絡せずに過ごし、息子のナットに促されるまで警察に連絡しなかったことから、前回の無罪を納得していない宿敵検事のトミー・モルトによって訴追されるのである。

    本編は、妻との関わりでは得られない寂しさの埋め合わせがラスティには必要であったこと、繊細な息子ナットとの難しい関係と、些か私は読みながらラスティの心情に寄り添える自分に気付き、これまでにない感情移入を体験した。

    勿論ストーリーは下巻を読まずにはいられない展開となる。

  • 【翻訳ミステリー大賞受賞の傑作!】妻を殺した容疑で判事サビッチは法廷に。法廷闘争の果てに明かされる痛ましく悲しい真相とは。名作の20年後の悲劇を描く大作。

  • あの傑作リーガル・サスペンス『推定無罪』の20年後を描いた続編である。全体が二部構成になっており、現在と十八ヶ月前から描かれる過去が複数の登場人物の視点で描かれ、少しずつ現在と過去がオーバーラップする面白い構成になっている。

    60歳になったラスティ・サビッチが再び不倫をし、今度は変死した妻バーバラ殺害の容疑をかけられる…と、簡単にあらすじを書くと前作の焼き直しのように思えるのだが、今回の物語はさらに複雑である。事件にはサビッチの息子のナットが絡み、おまけにバーバラ殺害だけでなく、前作の女性検事補キャロリン殺害容疑まで蒸し返される事になるのだ。

    前作で不倫の恐ろしさを味わったはずのサビッチは元部下のアンナ・ヴォスティックという若い娘と恋に落ちる。一見、サビッチの行動は浅はかに見えるのだが、若い娘に溺れながらも、苦悩する姿がじっくりと描かれており、さもありなんと少し納得してしまう。

    果たして、サビッチにかけられた殺人容疑は…

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