光線 (文春文庫 む 6-5)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167902896

作品紹介・あらすじ

ガンを克服した芥川賞作家が、生のあり方を問う短篇集原発事故のニュースを見ながら、自分の癌に放射線治療を受ける――表題作「光線」をはじめ、震災後の生き方を短篇の名手が問う八篇。

感想・レビュー・書評

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  • 『焼野まで』がすごくよかったので、この本も手にした。内容にいまいち入り込めなかった。

    「ばあば神」
    樹里が生まれた日の朝の 太陽を思い出す。

    読点がなくてそのぶんスペースが使われてる。詩っぽくて読みやすかった。

  • 先日『ゆうじょこう』を読んで気に入った村田さん。今度は多分村田さんの本領らしい短編集です。
    恐らく村田さん本人の経験や見聞をもとに、主人公や舞台を少し変えて書かれたものと思われます。私小説ではないけれど、そんな匂いのする文学作品、さすが芥川賞作家というところです。とはいえ、独りよがりな雰囲気や晦渋さはなく、密度は濃いけど読みやすく。
    最後の「楽園」は地中湖の探検の、「山の人生」は山中の無人村での一夜を、「夕暮れの菜の花の真ん中」はタイトルの示す通り、そして「関門」は夜の海を、全体にタイトルこそ『光線』ですが、闇を主題にした短編集のようです。
    最近、お気楽、お手軽な作品ばかりに手を出す私ですが、やはり時にはこの様にしっかりした作品にも手を出さなきゃと反省させられた充実した読書でした。

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著者プロフィール

1945(昭和20)年、福岡県北九州市八幡生まれ。1987年「鍋の中」で芥川賞を受賞。1990年『白い山』で女流文学賞、1992年『真夜中の自転車』で平林たい子文学賞、1997年『蟹女』で紫式部文学賞、1998年「望潮」で川端康成文学賞、1999年『龍秘御天歌』で芸術選奨文部大臣賞、2010年『故郷のわが家』で野間文芸賞、2014年『ゆうじょこう』で読売文学賞、2019年『飛族』で谷崎潤一郎賞、2021年『姉の島』で泉鏡花文学賞をそれぞれ受賞。ほかに『蕨野行』『光線』『八幡炎炎記』『屋根屋』『火環』『エリザベスの友達』『偏愛ムラタ美術館 発掘篇』など著書多数。

「2022年 『耳の叔母』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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