沈む日本を愛せますか? (文春文庫 う 19-16)

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  • Amazon.co.jp ・本 (367ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167901103

作品紹介・あらすじ

「たちあがれ日本」から「昼寝しよう日本」へ自民→民主の政権交代は“熟年離婚”!? 理念と言葉が欠落した日本の政治の深層に、稀代の論客二人が挑んだ“街場の政治論”。

感想・レビュー・書評

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  • 歴史的大敗となった自民党→民主党の政権交代について。渋谷陽一さんの雑誌SIGHTでの内田樹と高橋源一郎の対談。自民党について語ってくださいから始まり小沢一郎はナロードニキだとか「金で買えないものはない」とかいう絶頂期に出てきた言葉は田吾作だとか。政治について自分はどちらよりだからどちらが正しいと思うとかいうありきたりな対談ではなく(そんなもの苦痛で300ページも読めない)日本の政治、システムについてを「言葉」の側面から口語的に語られた対談。
    いや、かなり笑いました。笑い事じゃないんだろうけど。最初は笑い事でいいのかな。
    これ、ちょうど2011年の3月11日の直前までの対談。あの大地震で、それまで政治で何が起こっていたかすっかり忘れちゃってたけどようやく思い出せました。

  • 祝文庫化!

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  • 渋谷陽一が編集長を務める雑誌『SIGHT』に連載された、2009年4月から2010年8月までの内田樹と高橋源一郎の対談を収録しています。

    自民党から民主党への政権交代がおこった時期の政治状況について、とくに日本人の心性にまで立ち返って考察がなされています。「文庫版まえがき」で内田が述べているように、本書で「命脈が尽きた」と言われている自民党がたちまち政権に返り咲いたことなど、対談のなかで示されている見通しには外れているところも多くありますが、それにもかかわらずおもしろく読めてしまうところが、本書の長所でもあり、また問題点でもあります。

    政治を語る既存のことばに頼るのではなく、思いもかけない方向へと議論を掘り下げていく内田と高橋の話芸には感嘆するほかありませんが、それは現実の政治の動きから議論が逸れていって、日本文化論的な領域へと話が落とし込まれてしまっているところには、どうしても警戒感をいだいてしまいます。

  • この人たちの話を読んでいると、政治が面白いような気になるから不思議だ。

    民主党が政権を取った辺りでは、本当に期待値が高かったんだなあ。結果は…惨憺たるものだけども。

  • 少し前の本だけど、内容は今の日本に通じるところが多いと思った。
    ・日本語はロジカルになれない
    ・日本の政党には理念がない
    ・自民党は頑迷な夫、国民は妻
    ・国民は本来内閣を作っているはずなのに、傍観者と化している
    ・日本の真の主権はアメリカ

  • 【「たちあがれ日本」から「昼寝しよう日本」へ】自民→民主の政権交代は“熟年離婚”!? 理念と言葉が欠落した日本の政治の深層に、稀代の論客二人が挑んだ“街場の政治論”。

  • とにかく言いたい放題じゃねーか、と切り捨てるのは早計にすぎる。

    少しばかり前の政治談義だが、ほとんどの事象は「言葉」の問題に収斂される。
    言葉の(日本語の)構造の問題でもあるし、言葉をどう扱うかの問題でもある。
    こういうことを押さえていないと、政治でも仕事でも失敗の要因を表層的なものにしか求めなくなり、ますます学習性無力感に陥るはめになる。
    最近「空気」をどう作って人を動かすかってビジネス書を読んだが、感覚的に近いものがある。


    沈む日本を、シュリンクする市場を、ダウンサイジングしていく社会を直視した上で、ビジョンが描けるリアリスト。少なくとも政治の場に求められるのはそんなリーダーっちゅうことらしい。

    至極まっとうな左翼的言論。

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著者プロフィール

1950年東京生まれ。東京大学文学部仏文科卒業。神戸女学院大学を2011年3月に退官、同大学名誉教授。専門はフランス現代思想、武道論、教育論、映画論など。著書に、『街場の教育論』『増補版 街場の中国論』『街場の文体論』『街場の戦争論』『日本習合論』(以上、ミシマ社)、『私家版・ユダヤ文化論』『日本辺境論』など多数。現在、神戸市で武道と哲学のための学塾「凱風館」を主宰している。

「2023年 『日本宗教のクセ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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