増補版 チェ・ゲバラ伝 (文春文庫) (文春文庫 み 8-13)

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  • Amazon.co.jp ・本 (462ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167900830

作品紹介・あらすじ

世界の記憶遺産にもなった英雄。決定版伝記!南米だけでなく、世界中で愛される英雄・ゲバラ。裕福な一族に生まれた男は、なぜ医者の道を捨て、革命に身を投じたのか?

感想・レビュー・書評

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  • 革命家と言われると真っ先にチェの名前が浮かんでくる!
    チェの生い立ちから最期の時まで綿密な調査と取材によってまとめられている!
    内容がゲリラ戦中だとページがどんどん進む!
    カストロに対してチェが抱いた「冒険に対するロマンティックな共感」というものをこちらも感じずにはいられない!
    激情的な雄弁家のカストロと情熱的な文章家のチェという相性がまた運命的なものを感じさせる!
    人の命を救う医師という立場でありながらゲリラ戦士となったチェが理想を持ちつつも、それを行動に移せる人間こそが革命家なのだと体現している!
    人が人によって収奪されることは決してあってはならない!
    それはどんな場面においても!

  • チェは、エリートとして生きる道を二度も捨て、最も虐げられている人々に連帯し、命と魂を燃やした。
    日本で安穏とし、世界中で今なお虐げられている人々がたくさんいるのに、それを知りながら、自分の皮相な社会的成功を志している自分がひどく情けないものであることを思い知った。彼と連帯し、今なすべきことを考えねばならぬ。
    今こそ、チェについて振り返るべきだ

  • チェ・ゲバラの生き方に感銘。今でも愛されている理由がよく分かる。キューバに旅行に行く前に読みたかった。

  • 純粋革命闘士。読んでおくべき本。

  • 何かを為すためには、並外れた狂人的な努力とロマンティシズムが必要なのだとも思った。正直、ゲバラの理想の世界は自己満足によるものか、貧しい人を救うために行なっているのか、わからない。その両方かもしれない。

    ただ、ゲバラの自分の理想を求めるために、困難で難しい道を選ぶ思想は20代のうちは必要である。

    しかし、全てを闇雲に突き進んで行っては、ゲバラのような最期を迎えかねない。

    経済的な成功と理想の実現は、過程においては似た努力かもしれないが、理想の実現(自分のやりたいこと)が資本を得ることにつながるわけではないことを学んだ。

  • ゲバラという人のことを少しは知れたのかなと思う。 思想、信念をもとにきちっと行動に移す革命家というのはわかるが、実際は戦闘おたくだったのかもしれん。。。

  • モーターサイクルダイアリーズを読んでゲバラの生涯を知りたいと思い購入しました。
    経済的に恵まれた家庭に生まれ、大学で医学を学んだ彼は望めばいくらでも安定した生活を送れたはずなのに、革命という非常に困難な道を選んだ。
    帝国主義に収奪されている貧しい人々を放っておけないという強い意志が、彼を動かしていたのがよくわかった。
    平和な現代日本に暮らしている自分には想像できない事が多いですが、彼の信念に少しでも寄り添いたいと思いました。

  • キューバ危機。リアルタイムには知らないが、キューバを巡って米ソが緊張状態となり、あわや第三次世界大戦に発展かと思われたことと、カストロ、チェ・ゲバラの名前だけは知っていた。本書を読むと、超大国に抑圧された民衆のために身を挺したチェの生き様に感動する。それは日本人のメンタリティに近いからかも知れない。キューバの共産主義は、抑圧され続けた民衆を開放する政治信条として納得できるし、革命直後のカストロ体制に悪いイメージは持てなかった。コンゴ、ボリビアでの革命闘争の失敗と、チェの死が本当に痛ましかった。

  • 本日、三好徹さんが亡くなったと報道があった。享年90歳。
    これを読んだらのは大学4年を間もなく終えようという時だった。卒業旅行で訪れたフランスのハイパーブランド本店内は日本の女子大生で溢れかえり、日本の未来はこれでいいのかと苦悶したものだった。
    エルネストの行動力、知識は私に勇気を与えてくれた。三好さんを通じて、エルネストが目指した「誰かのために」精神を教えてくれた。

    あれから10年が経ち、自分はあの時理想としていた姿にはなれていないけど、今からでも遅くはないと改めて発奮させる意味でも読んでみようと思う。

    是非若い方に読んでもらいたい一冊。

  • ジャーナリズムの力の大きさ.
    虚像自身は虚像だけど,その影響は計り知れない.
    自分も表現に過ぎない物をバカにする節があるが,現実はそれで大きく動くことを認識しなければいけない.

    革命の地道な成果は1を2にして,2を3にすることではない.
    1が10に,10が100に.100が1000になるもの(その代償として0になるリスクを負いながら)
    地道に積み重ねるとが何をもたらすか起こるかを教えている.

    チェにとって革命とは人としての不正を絶対に見過ごさないこと、それを命を賭してまで行動に示すことと読み取った。その敵がたまたま南米の人々に極貧を強いるアメリカの帝国主義であっただけのことだろう。
    もはやロマンチックともいえる思想や発言と行動の一貫性,なのに現実世界を大きく買えたインパクトこのバランスが素晴らしい.

    "entero "
    チェが戦死間際、39歳の誕生日のとき、己の日記にゲリラ戦士としての自分に"文句なし"と評した時の言葉。かっこいいな。

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著者プロフィール

一九三一年東京生まれ。横浜国立大学経済学部を卒業後、読売新聞社を経て作家生活に。六七年『風塵地帯』で日本推理作家協会賞を、六八年「聖少女」で直木賞を受賞する。推理・サスペンス小説、スパイ小説、歴史小説、伝記小説など広範囲なジャンルで硬筆な筆をふるう。

「2019年 『ガラスの階段 特捜検事 新編集版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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