ブルーインパルス 大空を駆けるサムライたち (文春文庫 た 91-1)
- 文藝春秋 (2014年4月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (473ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167900779
作品紹介・あらすじ
隊長の指示は、なぜ遅れたのか昭和39年の東京オリンピックで五輪マークを上空に描いてデビューしたブルーインパルスの栄光と挫折。そして事故原因の核心に迫る。
感想・レビュー・書評
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58.浮かれて航空祭行くところだった。こんな大変な歴史があったんだなぁと感じ、パイロット達の情熱も感じました。わぁ、かっこいいだけじゃなく、こうやって航空祭が見れるのは、哀しい歴史もあったこと、また、無事を願っている家族がいること、原爆の事など、さまざまな思いを胸に見させて頂かなくてはいけないと思いました。特別な思いを持って、航空祭に行きたいと思います。
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ブルーは花形だろうと何も疑わずにいたけれど、実はそうでもないというのは驚いた。
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登場人物が多くて、事故・殉職の話が多かったので、読みすすめにくかった。
アクロバットて職人技のイメージがあったけど、思っていた以上に緻密なのがわかった。 -
ブルーインパルスと銘打ってあるが、これはブルーインパルスを中心にした航空自衛隊史だとおもう。浜松基地での墜落、金華山での墜落事故が中心になりブルーインパルス、航空自衛隊の軍組織としての歪み。職人気質をもってパイロットになってしまったがゆえの隊内での孤立。毎年入間て見てるので感動してしまう。実に名著
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【隊長の指示は、なぜ遅れたのか】昭和39年の東京オリンピックで五輪マークを上空に描いてデビューしたブルーインパルスの栄光と挫折。そして事故原因の核心に迫る。
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ブルーインパルスが久々に見たくなる
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ブルーインパルスが東京オリンピック開会式で青空に描いた五輪が、日本国民の平和と復興の象徴であったあの日から今まで、子供から大人まで目を輝かせ高揚させる魅力がここにはある。
浜松航空祭でのブルーインパルス墜落事故を目の当たりにした著者が、当時の関係者が全員退役するまで20数年の時を熟成させ、丹念に取材し事故の本質を見極めんとした本書は、何より戦闘機と戦闘機乗りへの愛が感じられる人間ドラマとしても読み応えある一冊。
常に死と隣り合わせの戦闘機パイロット。コクピットの中では自分一人の判断を迫られるのに、組織の中の一コマとして波に抗えない場面もある。
ブルーインパルスは唯一「飛ぶためだけ」の部隊である。国防のためスクランブル発進することもなく、より技術を高める為に自己の内面へ内面へと突き進んでしまうのだろうか。触れなば斬らん、といった孤高のパイロットの魂に触れるような読後感。 -
あとがき、にあるとおり、組織と個人、人間と技術について、いろいろと考える材料が含まれている。
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戦闘機が主役のドキュメンタリー。
ブルーは空自の花、という印象を抱いていたのですが、長い歴史の中でもがき苦しんだ時代を越えて今の姿があるのだなあと知って色々と驚きでした。
アグレッサーの話が読めたのも嬉しかった。
これからブルーを見る時、なんだかおセンチな気持ちになりそうだなあなんてことも思ったり。
次の東京オリンピックでも美しい演技を見せてくれるのでしょうか。楽しみです。 -
展示飛行で有名な航空自衛隊のブルーインパルス。その誕生から、数回の墜落事故をめぐるパイロット、航空自衛隊関係者の葛藤などを丁寧に取材したノンフィクション。
「税金泥棒」、「違憲の軍隊」などと最近とは異なり世論の大半が自衛隊に厳しい目を向けていた1980~1990年ごろ、「絶対に展示飛行で民間の死者を出してはならない」と相当なプレッシャーの下で飛行を続けていたパイロット達の心境が伝わってきます。
その状況下で発生した基地航空祭での墜落事故。観客から死者は出ませんでしたが、その事故の責任をめぐり様々な思惑が交錯します。
同僚パイロット、パイロットを束ねる幹部自衛官、そして殉死したパイロットのご家族など、それぞれの立場の方が懸命にその事故と向き合い、ブルーインパルスの飛行再開に向けてぶつかり合います。
部下を墜落事故で亡くした幹部自衛官がエースパイロットから救難隊へ転属となった後の心模様など、飛行機に興味の無い人でも人間ドラマとして読み応えのある本です。
「命令とはまさに命にかえてでも実行すべき揺るぎない拠り所」とパイロット達が何のためらいもなく言い切るそのメンタリティーがあってこそ、大災害の時などに
迅速に行動できるのだと改めて思います。