レイジ (文春文庫 ほ 15-6)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 836
感想 : 64
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  • Amazon.co.jp ・本 (393ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167900489

作品紹介・あらすじ

剣道女子2人から、今度は音楽男子2人の青春小説だ!孤高の礼二と世渡り上手なワタル。2人が初めて組んだバンドは成功を収めるが、それ以降互いに意識しつつも歩み寄れず、やがて……。

感想・レビュー・書評

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  • 作者名とタイトルからアウトレイジなバイオレンスものかと思ったら、良い意味で裏切られた。武道シリーズと同様に青春物語だった。
    中学時代に一度だけ加入したバンドでボーカルをやった礼二(レイジ)は、自分に合わないとして脱退する。バンドメンバーのワタルは、レイジの才能に嫉妬してレイジとの接触を断つ。高校時代の学園祭では女性のボーカル松下を加入させる。この松下が最後までレイジとの橋渡しとなる。
    レイジとワタルはメンバーを変えてデビューを目指す。
    幾つもの出会いと別れがあり、夢が破れて現実世界で生きていく中学時代のメンバー達と松下。

    あの時代の空気感を懐かしく思い出し、自分も夢中になって聞いていた洋楽が脳内で再生される。
    自分も含めて、皆バンドに憧れていたような気がする。

    ワタルが35才になって思い出すレイジの曲。自分がADとして関わっている映像に使って見る。
    その後の奇跡のような展開と、ハッピーを予感させる結末に心が暖かくなる。

  • 浩太さんの本棚から図書館予約

    やはり無理があったようです
    音楽を体の中に取り入れることができない婆さんには
    ゼネレーションギャップも味わいました

    でも面白かった
    曲を生み出す苦悩と情熱
    それを発する喜び

    ワタルとレイジ
    二人の少年の成長と挫折
    バンドの仲間と微妙な距離感

    全く知らない世界を追体験する面白さは
    うん、読書ならではだと

    ≪ rageって 静かな激怒 世をワタル ≫

    • 浩太さん
      はまださん

      なんか申し訳ないような・・
      ギターも弾けないのにギターを弾くことに憧れ、英語も出来ないのに洋楽を聴き、老いた今も憧れが続きます...
      はまださん

      なんか申し訳ないような・・
      ギターも弾けないのにギターを弾くことに憧れ、英語も出来ないのに洋楽を聴き、老いた今も憧れが続きます。男性と女性では憧れるものが違うかも知れないですね。戻って来ない青春を思い出させる作品でした。
      2023/09/07
    • はまだかよこさん
      浩太さんへ
      私の若い頃も若者はたいていギターを抱えていました
      でも、何故か、男子
      女の子はそばで聴くものだと

      こういう音楽体験、...
      浩太さんへ
      私の若い頃も若者はたいていギターを抱えていました
      でも、何故か、男子
      女の子はそばで聴くものだと

      こういう音楽体験、味わったことがありません
      だからこそ、本を通して……
      ご紹介ありがとうございました

      絵本大好きバアサンですがこれからもよろしくお願い申し上げます
      コメントありがとうございました
      2023/09/08
  • バンドを軸に互いを意識しながら変化しながら成長するふたりの男の物語
    青春物…ではないかな
    うーん解説が面白かったかな

  • 初めて読んだ、「白い」誉田哲也。
    半分までは退屈で、ページも進まず…
    後半は面白くなってきて一気読み。

    主人公の一人が失踪するあたりからワクワク面白く感じる私には、やはり事件ものの方があっているのかもしれない、とあらためて。
    登場人物が目に浮かぶように描かれているのと、時々クスッと笑ってしまうような文章は、さすがに誉田哲也ならではだとは思うけれど。
    バンドに憧れた時代も懐かしく思えたけれど。

    というわけで、次は姫川玲子に戻る予定。

  • 主人公二人の視点が入れ替わりながら物語が進むので時系列は分かり易い。情報量は多いが展開も早いのでサクサク進む。それ故に深みに欠け、ご都合主義に進む展開はやや拍子抜け。大手レコード会社なら覆面バンドのボーカル以外は自社で売り出したい若手に入れ替えそうだけど。

  • 作中の、曲のアイデアから観客の耳に届く演奏になる
    までの作業経緯について詳細に描写されており、
    取材で書いたにしてはずいぶんと
    血肉になっている文章だなと感じていたら、
    作者は作家デビューまえに
    バンド活動をしていた、という事実があるらしい。
    なるほど、である。
    でも、知らないだろう、教えてやろう、なんていう
    知識披露の臭い感じはほとんどない。
    それよりも、音楽で自分の存在を肯定させようと
    奮闘する、やり方は違う二人の少年の成長を
    描いていて、そこがやはり誉田さんはうまい。
    センチメンタルな過去の記憶に浸りきらずに、
    うまく橋を架けて空に昇華させるような結末。
    下手打ってダメになるかもしれない、でも
    先に進めるんじゃないかって希望をともすのは、
    もちろん周囲の名も知らぬ人たちの存在もあるけれど、
    遠い過去、とんがった自分が意外にやさしく
    自分を引っ張ってくれることだってあるように
    感じる。

  • 201403/音楽好きでしょっちゅうハコ通いしてる身なので、あるある感じるとこもあれば、そんな都合良くないよと思ったりしながらも、楽しんで読んだ。ちょっと上の世代には、いろんな「ジャックさん」達がいるから、切なかったな。

  • 願いは思い続けなければ叶わないー

    中学時代から、30半ばへいろんな夢や葛藤を抱きながら、それぞれが人生を歩んでいく。ひとつのバンドを巡る疾走系な一冊だった。

  • 久しぶりの誉田哲也作品
    相変わらずの青春小説で安心して読める。

    今回は、「疾風ガール」、「ガール・ミーツ・ガール」と同じようにバンドのお話。

    誉田哲也さん自身、バンドを組んでプロを目指していたというので、音楽や楽器やスタジオ、ライブ、等々、その辺の話は実にリアル。
    私のようにバンドやってる人には、すごく読みやすいけど、音楽やバンドやってない人がこれ読んだらどうなんだろう?
    たぶん、めっちゃ安っぽい青春小説・・・で終わるんじゃないかな。

    まあ、気楽に読めるライトノベルみたいなものです。
    万人にはお勧めできませんが、誉田哲也さんの作品はどれも青春してますよ。

    Youtubeの動画と音楽は、この本の中ですごく重要な位置を占める曲です。
    オフィシャルな動画なんだけど、先に本を読んでいると、なんかイメージ違うんだよなぁ。
    https://www.youtube.com/watch?v=W90tGkcAMMU

  • 2人のロック少年の話。

    タイプの違う2人だから、お互い意識しあって過ごす。
    やり方が全然違う2人だからこそ反発してたのかな。

    礼二がトラブルに巻き込まれて東京から逃げなくちゃいけなくなったり、思いがけない展開があって意外でした。
    目次で「病室にて」というのがあったので、まさかそのまま病気で復帰出来ないとか…?とハラハラしてしまったが、そこまで悲惨な展開じゃなくて良かった。

    礼二が東京を離れたところで一気に時間が経過し、ワタルが梨央と結婚して子どももいるところを読んで、え夢?と思ったら半分夢だったw

    RAGEがデビューすることになり、友哉はどうなるんだろう、再会出来るのかなぁと気にしていたのにそのまま終わってしまった…
    と思ったらすぐ次のページの終章であっさり連絡が来てた。
    みんなでワイワイやってる感じが、デビューとかなんかよりずっと大事で大切なことだと伝わってきて、いい終わり方でした。

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著者プロフィール

誉田哲也
1969年東京都生まれ。2002年『妖の華』で第2回ムー伝奇ノベル大賞優秀賞受賞、03年『アクセス』で第4回ホラーサスペンス大賞特別賞受賞。主なシリーズとして、『ジウⅠ・Ⅱ・Ⅲ』に始まり『国境事変』『ハング』『歌舞伎町セブン』『歌舞伎町ダムド』『ノワール 硝子の太陽』と続く〈ジウ〉サーガ、『ストロベリーナイト』から『ルージュ 硝子の太陽』まで続く〈姫川玲子〉シリーズ、『武士道シックスティーン』などの〈武士道〉シリーズ、『ドルチェ』など〈魚住久江〉シリーズ等があり、映像化作品も多い。

「2023年 『ジウX』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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