特攻 最後の証言 (文春文庫 と 27-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (415ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167838898

作品紹介・あらすじ

人間爆弾「桜花」、人間魚雷「回天」、陸軍水上艇「マルレ」、海軍特攻艇「震洋」、水中特攻「伏龍」、零戦、艦攻、襲撃機……。いずれも異なる兵器で彼らが目指したのは「自死」だった。昭和戦中史の一大悲劇として語られる「特攻」に志願し、生き延びた人たちに戦後生まれの若者がインタビューを試みる。果たして特攻に強制はあったのか、命を賭してまで守りたかったものは何か。いずれの証言も深く胸をうつ。戦争を知らない読者のために詳細な注と、写真・図版を収録。特攻を知る上で不可欠の一冊。

感想・レビュー・書評

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  • わたしたちはかわいそうな人でもなんでもない。当時の時代背景が分からなければ、当時のわたしたちの気持ちもわからないって皆一様に言っていて、確かにそうだなと。
    決して強制ではない。むしろ志願した。自分の命の上に、何千、何万人の日本人が生きると思うと、それは当然のことだと思ったなんて、日本が生きるか滅ぶかのときにならないと分からない感情だし。

    別の本で、特攻隊員の人たちのことを神様のように見えたと言っているのがあったのだけれど、本書でその一端を垣間見た気がする。

    やり方は決してスマートでも、うつくしくもないけれど、国を愛して、日本のために何かを成し遂げようとする気持ちは、とても純粋だったのだなと感じさせてくれる本でした。

  • 【彼らはなぜ、特攻を志願したのか】人間爆弾「桜花」、人間魚雷「回天」、特攻艇「震洋」……。8人の体験者が語る特攻の真相。彼らが命を賭して守りたかったものとは。

  • 特攻ってこんなに色々あったのかって感じで。
    とても素直な特攻についての思いを語られていて、とても良い本だった。
    この中でインタビューに応じている方も既に何人か鬼籍に入られている。これは生の声を聞ける本当にギリギリのところでの取材だったんだろうと思うから、とても貴重な内容だと思う。

    特攻の映画を作ると「死になくなかった」を全面に出して作られることがとても多いように感じる。或いは「国の為に死にます!」という彼らを洗脳されていると捉えさせるものとか。それも嘘ではないかもしれないけど、そればかりが全てではないと思う。
    インタビューに応じた方たちが「あの時代に生きた人にしかわからない」と言っていたように、私たちが特攻に対してもつべき認識は「国に洗脳された特攻隊員」ではなく純粋に「国を守るために戦った人たち」でいいのではないかと思う。

    愛国心をもって戦った彼らの行為に感謝し、擁護したからといって、私たちが決して戦争を擁護することにはならない。なんかどうしてもその辺をごっちゃにされているような気がして、右派左派問わず押し付け気味の思想が気持ち悪い。

  • 旧陸海軍それぞれに、様々な形で立案された「特攻」に参加した(させられた)人々の証言集。

    これだけの証言をあつめたことが、まずは凄いことだと思います。

    登場した証言者のうち、本書刊行時にすでに亡くなられている多いようで、結果的に本当に貴重な本になっていると思います。

    各章の最後に「現代の若者へ」みたいなインタビューがありますが、各氏それぞれメッセージが個性的で多様で、余計な編集が介在していない本当に正直な証言が集められているのだなあと思ったりしました。

  • これは読み継がれるべき内容で、文庫化されて善かった…興味深く読了した…

    とにかく「一寸読んでみよう」と本書を紐解くべきだ。普通に「何処かで出くわした“話好きなおじさん”のお話しに耳を傾ける」感覚に近い雰囲気で読むことが叶う体裁に纏まっているので、取っ付き易い…

  •  第二次対戦時の特攻隊の生還者へ、若い(といっても五〇代)の著者がインタビューした記録。戦後史が最近特に書き換えられている感があるが、戦時中~戦後の状況を実際どうだったかという視点で捉えることは相変わらず難しい、と知るのみ。と思っていたが、本書は別の視点を与えてくれた。自分の知識が少ないこと、著者ほどでもないが、特に戦中史に興味がなかったこと、強烈な体験を持つ祖父がいたのになんも聞いていなかったことなどを続々を反芻し、妙な焦燥心から読みふけった。祖父のはなしをちゃんと聞くべきであった・・・。
     もう、多くの方が鬼籍にはいられている。記録でしか後世へ伝えることはできなくなる。もっともっと類書は発刊されるべしと強く思う(それができなくなっているという現実があるが)。

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