ひとりの午後に (文春文庫 う 28-3)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (273ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167838775

作品紹介・あらすじ

「けんかの達人」とよばれるフェミニストの意外な一面世間知らずだった子供時代、孤独を抱えて生きていた十代のころ……。著者の知られざる生い立ちや内面を鮮やかに綴ったエッセイ集。

感想・レビュー・書評

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  • 上野さんのいろいろが詰まっていると感じました。
    一生懸命精一杯生きてきた人の言葉に
    同感したり,成る程と霧が晴れる思いをしたり,
    読み甲斐がありました。

  • 『W坂』『佇まい』『ひとり』がよかった。武装してない上野さんの本。

  • 世の中の多くの女性のために、その中には弱い人もズルい人も傲慢で怠惰な人もいたはずだけれどもとにかくたくさんの女性のために闘い、理解し、助けようとしてきてくれた社会学者、上野先生のエッセイ。
    彼女の書いたものからはいつも途方もない強さを感じてきたけれど、この本では珍しく、ひとりの女性の儚さを感じて少し戸惑ってしまった。
    長い歴史の中で大なり小なり差別をされてきた女性のために、世の中を責め続けてきてくれた上野さん。『女たちのサバイバル作戦』で、「あなたたちの生きづらい、こんな世の中にしてしまってごめんなさい」と言っているのを読んで衝撃を受けた。この本を読んで、闘うエネルギーはこの人の1面でしかないことを改めて知った。
    こういう人がいることを、心強く思う。強いだけの人もいないし、泣き寝入りするばかりでもいけない。どんな形でも、なんとか生き抜いていこうと思う。

  • 上野千鶴子さんの書き下ろしエッセイ。研究書ではわからない上野先生の人間性や価値観が垣間見えた。

  • 上野さんに興味がない状態で読んでも、好きになりそうな内容でした。とても魅力あふれた内容でした。

  • やっぱりいいよね。自分がある人は。
    なにか出来事が起きると、またたくうちにアタマのなかでシミュレーションが起きて、最悪の事態を想定する。そうなるとよくしたもので、たいがいの事態は、自分が想定した最悪の状態よりはマシに思えるので、クリアするのが容易になる。
    アタマがプラクティカルにはたらくので、できることとできないことの腑分けを一瞬のうちにおこなう。そして願ってもでいないことについては、あきらめが早い。だからあんまり失望しないし、執着も強くない。
    危機に陥ったことは何度もあるが、つぎつぎと次善の策、三善の策が思い浮かぶ。どれをとっても最悪の事態よりはましどから、なんとか切り抜ける。百点満点を求めなければ、そこそこ満足できる。自分が完璧主義者でなくてほんとよかったと、胸をなでおろす。自分に対してもそうだが、他人に対しても比較的寛容だ。

  • 今のその人を見ることの大切さを言いながら、上野さんの子ども時代や学生の頃、両親を亡くした話が出てくる。過去の経験の積み重ねである「今」に注目すること。過去に思いを馳せながら今目の前にいる人に出会う。
    社会学者として見せる顔とは違う、時折悩んだりしながらも人生を味わって楽しむような姿がカッコいい。この先おひとりさまが続いても、別にそんなに苦じゃないかもな、と思った。風向きが変わらないことを祈る。

  • ほとんどの国家の繁栄とシュウラクは、人間がもたらしたものだ。言い換えれば、衰退を滅亡も、人災と言って良い
    ペットはコンパニオン・アニマルとも呼ばれる。暮らしのパートナー、人生の同業者。
    20歳なんてろくでもない年齢だ。未熟で無知で傲慢で、経験も自信もなく、自分が何者かも知らず、世間も他人をも知らない
    人間は変化する生き物だ。その折々に違う出会いがあり、異なるニーズがある。切磋琢磨しあえる刺激的な友人が良かった時期もあるし、まったりくつろげる友人が欲しいこともある

  • 上野千鶴子さんのジェンダーに関するもの以外の本は初めて読みました。小さい頃から大人になる過程が描かれたエッセイ集。共感できる部分も数多く、かつ言葉のチョイスが面白かったです。
    くすっと笑える部分もあり、短いエッセイを集めたものなので、毎日少しずつ読むのにピッタリでした。

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著者プロフィール

上野千鶴子(うえの・ちづこ)東京大学名誉教授、WAN理事長。社会学。

「2021年 『学問の自由が危ない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

上野千鶴子の作品

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