- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167784034
感想・レビュー・書評
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「女ふたりが対峙するとき、一瞬でどちらの勝ちかわかるのは、なぜだろう。」
これぞ修羅場というシーンの一節。
なんてこわいことを書くんだろう。
ここでいう「勝ち」とはなんだろう。
言葉にすることは出来ないけど、実際にそういう状況があることは知っている気がする。
この文章を読んだ時にひやりとしたのは、私が同じ経験をしてきたからだろうか。
勝ったとか、負けたとか感じてきたのだろうか。
荒野が女の子から女になっていく。
荒野以外の女の子も。
そして男の子も。
容子さんは「女にもどりたいわ。」という。
ばかみたいだけど、真剣に「性別って何だろう?」と思う。
どうしてこんなに大きいんだろう。
どうして必ずどちらかにならなくちゃいけなくて、そしてこんなにも違うんだろう。
いや、違うと思っているのが思い込みなのか?
通り過ぎてきたことをもう一度荒野の目で見て、今さら引っかかっている。
困ったなぁ…。
とりあえず続きを読もう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
可愛い黒猫ちゃん荒野のシリーズ2冊目。
このシリーズ、登場人物も可愛いが、文中の描写や台詞 も可愛くて微笑みながら読んでしまう。少しだけ大人に近付いて、でもまだまだ子供な荒野。自分が中学生の頃を懐かしく思い出しながら読んだ。 -
父の再婚相手の子で、荒野の初恋の人・悠也は、複雑な思いを抱えたまま、アメリカへと旅立った。ちょっとだけおとなになった荒野は、急激に変わってゆくクラスメートや、父の周りで垣間見た「大人」の世界に驚愕する。だが、荒野にも思わぬ“恋”の気配が突然訪れる…。恋に少しだけ臆病な少女の物語『荒野』全三巻の第二巻。
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どうしようもない大人が多すぎ。確かにそんな大人ばっかりなら、大人になりたくないとも思うのかも。悲しいかな、大人になるって何?とか考えた記憶も無いくらいに日々に流されてきた事を思い出した。
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続きが気になって読んでるけど、超斜め読み。
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「荒野」シリーズ第2弾。思春期全開。
気づけば私も30をとっくに超えてしまったわけですが、30代男がどんなテンションでこの作品を読めばいいんだろうという戸惑いがないわけではない。
けれど、読み進めていくうちに、ふっとこの作品を楽しんでいる自分の存在に思い至る。
あっ、これ、親の目線だ。
前作では守りたくなる黒猫が、本作では知らず知らず一人でいろんなことを行動し、経験していく。ああ、大きくなったなあ。
これを親心と言わずして何と言おうか。独身の30男が期せずして親心への憧れを高めていく、そんな作品。
【目次】
一章 恋は女をこどもに、男を地下組織にする
二章 勝ち猫、負け猫
終章 青年の特権 -
大人へと移り変わる時。
子供と大人の境目の年の頃はこんな感じだったのだろうな。
少しずつ変化の訪れる日常は少し怖く感じる事もあったが、知らぬ世界を見るというのは楽しかったな。
あれはもう今になっては見ることの出来ない世界だよな…。 -
クラスメイトたちに遅れをとりながらも少しずつ大人になっていく荒野。「十二歳。大人、以前。」「十四歳。大人になる、すこし、前。」ってほんとだなーと思いました。荒野はまだ幼いけれど。でもそこがかわいいです。16歳の荒野は大人の女性になっているのかな。悠也も帰ってきたしどうなるんだろう。最終巻も楽しみです。
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少しずつ悠也のいない所で荒野は大人になって、
だけど悠也の隣では子供に戻っている姿が印象的。
少しの孤独を心地よいと感じ、
独りきりで自分と向き合う時間を大切にできるのは
少しずつ大人になっている証拠なのかもしれない。
荒野の恋は少しだけ大人の悠也を追いかけているように感じる。
阿木君の言葉には傷つかず、悠也のことを思って傷つく荒野は刻一刻と父の描く女性に近づいて行っている。
荒野を目指して悩み続ける悠也はまるで女の中を迷っているように思う。そんな「女」である荒野が自分の隣では「子供」になるところが絶妙。