- Amazon.co.jp ・本 (398ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167717995
作品紹介・あらすじ
万延元年(1860)、江戸の天然理心流の道場・試衛館で日々近藤勇や土方歳三らとともに剣術修行に明け暮れる十七歳の沖田総司は、幕府の浪士組に参加し上洛する。新撰組隊士となった総司は、芹沢鴨暗殺、池田屋事件と幕末の京の街を疾走する。信じるもののために燃焼し尽くした総司の生涯を描く新撰組三部作完結篇。
感想・レビュー・書評
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「新撰組藤堂平助」が、とても面白かったので、こちらの
作品にも期待をしていたのだが、説明が多く総司の視点で
話が進むと思っていただけに、若干読みづらくて
残念に思った。
だが、ラストシーンでの総司は読ませた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
この時代はほんまに激動やなぁと、誰が書かれた本を読んでもまず思う。
いろんな波に呑まれて抗って、自分の人生と思いきや振り回されてて。
仲間も切って、自分もいつ殺されるかわからない。
大変な時代に、それでも世界を変えようと奔走し続けた人達。
今を生きる現代人見てどう思うんやろうといつも考えてしまう。 -
総司、好きだなあ。穏やかで、優しくて、だけど人を斬りたくてしょうがなくて、皆から愛されるこの人が、病気にならなかったら歴史は変わってたかな。
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総司のキャラクターが好き。
藤堂平助の『わたしは礎でいい』という言葉に心揺さぶられた。 -
安定の新撰組モノ。
短命の天才剣士・沖田総司。という鉄板の材料は、個人的には奇をてらって欲しくはないので、この本の沖田像は割と素直でよかったです。
好きな場面は、山南さんの土方さんへの手紙ですね。その最後の1行は泣けました。 -
主人公であるはずの総司の、心情の掘り下げ方がちょっと足りない気がする。
他の新撰組ものをずいぶん読んだせいで、目新しさが減ってしまっているせい(ハードルが上がっているせい)かもしれないけど、でもちょっと物足りないです。
同じ作者さんでも他の作品の方が、主人公たちを深く描いている(フィクションが多いかもしれないけど)のに対して、この沖田総司は、もう少し深く描けたのじゃないかな、とか、他の登場人物たちが中途半端に掘り下げられてるので、総司が薄まっちゃってるんじゃないかな、とか思ってしまいました。
剣の道については、かなりページを割いているので、それこそがこの人の全てといえば、そうなのかもしれないですけど。 -
知さんが読んでいたので貸してもらった作品
沖田自身が時代を動かそうとしていないから仕方ないかもしれないけも
沖田が主役な感じがしないし時代背景の説明がえらくアッサリ
殺陣の男臭さも感じないしどっちも中途半端な印象
もっと沖田の剣に対する姿勢メインで良かったんじゃないかと思います
司馬遼太郎さんを読んだ後なので余計にそう感じるのかも -
久しぶりに読んだ秋山香乃さんでしたが、さすがの安定感でした。
17歳の試衛館から始まり、病没まで。新選組組長としての沖田のほか、長州の友との友情もからめて。他に特徴としては、「剣の三つの位」として、天賦の才のなお中で、その剣が変化していきます。近藤の養子となった谷周平の存在もよかったです。
次に読んでいる本とも合わせて思ったのですが、斎藤一が沖田と対照的な存在として書かれています。 -
かなり前に買った割に最後まで読めてなかったのを何年ぶりかに最初から再読。
沖田さん主役だとどうしても病のせいで最後の方は失速した感じになってしまうのはやはり仕方がないところだなぁと思います。
この小説は沖田さんだけじゃなくてみんなの話し方とか性格が私の中のイメージに合ってたので読みやすかったです。
沖田さんと土方さんのこういう関係性というか空気感も好きです。
終盤の座敷での近藤・土方との会話が温かいけど悲しい。
最後はわかっている結末でもやっぱり辛かった。 -
沖田総司から見た新撰組顛末記。新撰組から見た幕府顛末記。改めて、幕末の模様を平易かつ丁寧にたどらせていただいた。既刊の新撰組小説を収斂したともいえる一冊だ。