- Amazon.co.jp ・本 (293ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167717650
感想・レビュー・書評
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やっぱりサトミナは面白いね( ´ ▽ ` )ノ
この人の評論を読むと、本の読み方がぜんぜん違ってくる( ´ ▽ ` )ノ
大御所も若手も一発屋も差別なし( ´ ▽ ` )ノ
ノーベル賞作品も古典もラノベも同列( ´ ▽ ` )ノ
言ってることは、ときに牽強付会で言いがかりっぽいところもあるけど、緻密な考証・論考の積み重ねが強固な芯になってるから、読んでて不快感がない( ´ ▽ ` )ノ
サトミナの前にタブーなし( ´ ▽ ` )ノ
「文学は暗喩から腐っていく」なんて、本来なら「それを言っちゃあおしまいだよ」ね( ´ ▽ ` )ノ
本書は、「描かれているモノ・コトから作品を鑑賞する」という、まあありがちな切り口だったけど、作品によってただ名前が並べられるだけだったり、擬人化されるほど入れ込んでいたり、言われるまで気づかなかったことが多々あり、なるほど( ´ ▽ ` )ノ
食から衣服からホテルから、バブリー要素が強い題材を並べていって、最後に「貧乏」を据えた構成がにくい( ´ ▽ ` )ノ
どんなに貧しくても文章を捨てられない、そういうサガに囚われた人間こそ「作家」なんだよね(プロ・アマ問わず)( ´ ▽ ` )ノ
……ところで、なんか最近、サトミナ先生の政治的コメントをあちこちで見かけるようになったのが心配(´ェ`)ン-…
マスコミも先生にそういう役割をふらないで欲しいんだけどなあ……分野は違うけど、天野祐吉御大も政治コメするようになった後、書くものがどんどんつまらなくなっていったからなあ……(´ェ`)ン-…
2017/10/25
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こうした文学作品をあるテーマに沿ってカタログ化する試みは、予想以上の結果が現れた時にこそ価値が出る。
この本は、残念ながら切り口も凡庸だし、結果も期待外れ・・
「文壇アイドル論」「趣味は読書」のような読後の満足感が無い。
とはいえ、労多くして実り少ない(と思われる)アプローチは、彼女にしかできない仕事だとも思う。
的確なテーマ選びができなかったのは編集者の責任でもあると思うので、出版社ともども反省してほしい、なんちゃって。 -
ファッションや食事、バンド、オートバイ、野球などの、一見トリヴィアルなテーマを中心に、現代の日本文学のなかの描写にスポット・ライトをあてた文芸評論です。『麗しき男性誌』(文春文庫)で生かされた辛辣な視線が、今度は文学を対象に注がれています。
著者が『失楽園』以降の渡辺淳一の作品をすべて読破していることは知っていましたが、本書では渡辺のほか、大藪春彦の『汚れた英雄』や大沢在昌の「新宿鮫」シリーズまでもが、俎上にあげられています。著者のスタンスはフェミニズム批評を基調としているので、結論は最初からわかりきっていると思っていたのですが、バンドやオートバイといった一見どうということもない小道具に鋭いツッコミを入れながら、意外な射程の広さを示しています。
それにしても、こういう細かいテーマについてここまでおもしろく批評を展開することのできる評論家がいるというのも、小説作者にとっては難儀なことだと同情したくなります。 -
エッセイ的書評集。でも単純にオススメ作品を列挙している訳でなく、商品としてラベル分けし、その中から代表作を選び出し、特に決め手となる一文ないし数文につき、コメントをしていくという趣旨。ひとつの読み物として成り立っていて、エッセイとして読んで、出来は上々。そもそもガイドとしては書かれていないから、その点につきとやかく言うのは筋違いだけど、この中から特に読みたい本、ってのはあまり見つけられませんでした。
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文学作品を、その中に出てくる商品を通して多面的に味わうことを教えてもらいました。
文体も軽くてサラリと読めます。
ツッコミが的確すぎて、クスクス笑います。
ひとあじ違う書評をお望みの方に。 -
書評自体に面白味はなかったが、これを読んでから、小説を読むときは服や食べ物など細かい描写に目が行くようになったので、今回の読書を益としたい。
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斎藤美奈子の書評が好きだ。
そこらのろくでもない新聞の書評と違って、言いたい事は言う。気に入らない事には激高する。そして相手がベストセラーや大御所の作品だろうが容赦なくケトばす。
なにやら、チューハイ片手にうだうだ語る姉ちゃんの男性評を聞いているような気分。
この『文学的商品学』は、大衆消費社会といわれる現代において、小説の中でモノがどのように描かれているのかを観察しています。
内容は、
「ファッション音痴の風俗小説」
「飽食の時代のフード小説」
「ホラーの館ホテル小説」
など9つのテーマに分かれています。
三島由紀夫やら石原慎太郎やら村上春樹やら……
のべ70人82作品が登場します。
中には時雨沢恵一『キノの旅』も。
ライトノベルまで読んでるなんて、ちょっと意外。 -
文学の面白さはストーリーや登場人物の魅力だけではない。作品に登場するモノやその描かれ方に注目する、という切り口のエッセイ。
青春小説、風俗小説、カタログ小説、フード小説、ホテル小説、バンド文学、オートバイ文学、野球小説、貧乏小説という9つのテーマでそれぞれ新旧の作品を取り上げている。
一番面白かったのは雑誌文化から生まれたカタログ小説というジャンル。企画(モノ)が先にあってそれに物語をつけていく。モノと女がワンセットというのはなるほどと思った。
しかしそれ以外の章は切り口は面白いと思うもののそれほどインパクトが感じられず、これは自分自身がここに取り上げられているモノに興味がないせいだと気づいた。ごめんなさい。
それにしても、渡辺淳一を評するときのこの著者の筆の冴えはいつも素晴らしく、楽しい。 -
「バンド小説」「風俗小説」など、ジャンル別に作品と、どこに使われているかを文を抜き出しつつ解説。いつものごとく、毒の中にユーモアあふれる斎藤さんらしい書評。新しい目線で同じ本をまた読めそう。
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再読。