新幹線を作った男たち 「夢の超特急」、走る! (文春文庫 い 68-1)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (391ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167717483

作品紹介・あらすじ

昭和39年(1964年)10月1日午前6時、新幹線「ひかり」1号と2号が同時に東京と新大阪の駅をスタートした。しかし記念すべきその場に、最大の功労者ともいうべき、前国鉄総裁・十河信二、技師長・島秀雄、建設担当常務・大石重成の姿はなかった。世紀の一大プロジェクトに果敢に挑んだ男たちの姿を描く感動のノンフィクション。

感想・レビュー・書評

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  • 相変わらずこの人の技術者たちのノンフィクションは素晴らしい。つくづく技術屋になりたかったと思う。嗚呼、数学…。さて、新幹線である。NHKでプロジェクトXをはじめ新幹線計画の中心となった島3代がテレビの番組として制作されているがそれら以上の情報量となっている。プロジェクトXでは45分に収めるためか戦前の弾丸列車計画や東海道線の新線を標準軌とするか狭軌で敷くかの議論が取り上げてられなかったかと思うが、戦前の弾丸列車計画や島秀雄の父が国鉄の広軌化に熱心だったという点から話は始まるのである。技術的な問題も多くあったが世界銀行からの借款を目指す部分や土地収用の問題、さらには国鉄の周囲の政策論等のエピソードも網羅している。新幹線が建設自体は10年かからず完了したとはいえ戦前から大まかには同一の計画がありそれにも携わっていた人間も多くいたのである。彼らは開通した時の感動はいかほどのものだったのだろうか。

  • 新幹線を作った男たちのドキュメント。技師長の島秀雄を中心に、プロジェクトXな内容である。このところ、企業の不祥事に事欠かない毎日であるが、技術者の志しというか、誇りが伝わってくる。

  •  プロジェクトXのようなドラマティックな展開を期待していたので、技術的なことを延々と語られるもどかしさに耐えられませんでした。

     通な人には面白いのかもしれません。

  • 2007年97冊目

  • 9784167717483 2007・10・10 1刷 389p

  • 東海道新幹線開業に際し、関係者が直面した数々の難事が描かれている。これを読むと、インフラのグランドデザインにはある種の天才的な慧眼が必要であることが身にしみる。ローマにおけるアッピア街道もそうだが、インフラ事業はその寿命の長さゆえに、初手が後世を厳しく縛り付けるという性質がある。その点において、当時の国鉄に島という技術者がいたことは、非常に重要である。もし十河総裁だけがグランドデザインを描いていれば、おそらく東海道新幹線は今とは幾分異なった形に落ち着いていただろう。そして、それは技術的洞察の欠如ゆえに、今より多少不便なものになっていたに違いない。

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