新装版 疑惑 (文春文庫) (文春文庫 ま 1-133)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167697341

作品紹介・あらすじ

その女は本当に殺ったのか――海に落ちた車から男の遺体が。妻は夫を殺したのか? 稀代の悪女と書き立てる記者、闘志を燃やす弁護人の対決。「不運な名前」収録。

感想・レビュー・書評

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  • 初めて読む松本清張。短編が2つ入っており、松本清張初心者にはうってつけの読みやすい物語。
    表題作『疑惑』の最後の終わり方にゾワッとしました。

  • 「疑惑」「不運な名前」の2作品が所収。「疑惑」は、雨の港から転落した車、乗っていた老齢男性の夫は水死、妻は助かる。前科のある女性ホステスのつま、夫にかけれた多額の保険金から憶測呼び書き立てるマスコミ。国選弁護人が、徐々に妻の嫌疑を晴らしていく。「不運な名前」の舞台は、北海道の月形にあった樺戸監獄。この資料館を訪れ、偶然出会った観覧者3名によって偽札作りで収監され亡くなった熊坂長庵の冤罪を解く推論が展開される。かつて印刷工として働いていた経験をもち松本清張ならでの詳しい印刷技術がとうとうと綴られる。

  • 不運な名前は途中で断念…

  • 再放送も含めて立て続けで「疑惑」のドラマが放送されたのに合わせて原作を読みました。

    ドラマは2時間という枠があるので、何となく分かりにくい印象がありましたが、原作を読んで、なるほど!と思えました。

    やはり、原作を超える映像って、なかなかないものです。

  • 暴対法前、世間がお礼参りを心底恐れてた時代背景を感じながら読みました。

  • 桃井かおり主演の映画で鑑賞。
    桃井かおりの演技に惹かれてしまった。見るもの全てを敵にしてたかと思うと、同情を買うような演技。

    昔の映画だから食わず嫌いのところもあったが、観てよかった。次は原作!

  • 田村正和さん追悼でドラマを見たのでその流れで原作を。
    偶然自分の中で清張ブームが来ててたまたま手元にあったのがありがたかった…
    (よくやった自分)
    で、原作見てびっくり!
    結末がまさかあんなことになってるとは…
    ドラマでは大団円と言うか、球磨子の人間らしいところが強調されていて秋谷は先走りがちな記者ってだけだったのに。
    でも考えてみたらこの原作の結末の方が確かに!って感じだし、余韻と言う意味でも原作の方がずんと響く…!!!

  • 何回も映像化されている「疑惑」。個人的には桃井かおりと岩下志麻のものが一番好き。再読で読んでみた。松本さんの作品は原作の方がいつも圧倒的に面白いが、この作品に限っては映画の方が面白かった。原作と映画では登場人物も結末もずいぶん違う。確か実際に起こった事件をモチーフに書かれているみたいだがくまこさんも実在する人?桃井さん演じる、くまこさんは凄かった。

  • 「鬼熊」ってあだ名だったら嫌だ。本名、鬼塚球磨子(おにづかくまこ)34歳。ホステス。身長171センチ、体重61キロの迫力ナイスバディ。顔はまあまあだが妖艶な雰囲気を持ち、性格は超ヒステリック。ヤクザの子分がいる前科4犯。めっちゃ怖いやん。そんな鬼クマには保険金目当ての夫殺しの容疑がかかっている。状況は真っ黒。しかし物的証拠はゼロ。裁判の行方は如何にー。何度も映像化されて結末は知っていたが、なかなか楽しめた。原作だと鬼クマがこんなに存在感あるのに一切登場しないのも面白い。いろんな意味で『先入観』を問う物語。

  • 『疑惑』と『不運な名前』の二つの短編。両方とも名前が原因で冤罪をかけられたことで共通している。
    『疑惑』に関しては短編だから仕方ないかもしれないが物足りなく感じた。秋谷が佐原を殺したあと球磨子はどうなるかなど先の展開が気になった。
    『不運な名前』はゴールデンカムイを読んだおかげで樺戸監獄や熊坂長庵などは親しみがあったがそれでも内容が若干難しかった。その内容も面白いというよりは歴史の勉強になったという感じで期待していたものとは違った。

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著者プロフィール

1909年、福岡県生まれ。92年没。印刷工を経て朝日新聞九州支社広告部に入社。52年、「或る『小倉日記』伝」で芥川賞を受賞。以降、社会派推理、昭和史、古代史など様々な分野で旺盛な作家活動を続ける。代表作に「砂の器」「昭和史発掘」など多数。

「2023年 『内海の輪 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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