完全なる証明 100万ドルを拒否した天才数学者 (文春文庫 S 9-1)
- 文藝春秋 (2012年4月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (375ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167651817
作品紹介・あらすじ
百万ドルの賞金がかけられた数学上の問題「ポアンカレ予想」。今世紀中の解決は無理といわれた難問の証明を成し遂げたロシア人ペレルマンは、しかし賞金を断り勤めていた研究所も辞めて、森へ消えた。なぜか?彼と同時代に旧ソ連の数学エリート教育をうけた著者だからこそ書けた傑作評伝ノンフィクション。
感想・レビュー・書評
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こちら↓の方が面白かった。
100年の難問はなぜ解けたのか―天才数学者の光と影詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
100万ドルの受領を拒否した謎の天才数学者ペレルマンに興味がありざっと読んだ。ペレルマンが少年時代を過ごしたソ連における数学教育など詳しいが、ざっと読んだだけでは周辺のことに詳しい分ペレルマン本人についての情報がつかみにくい印象(あまり情報が無いからだろうが)。ただ爪や髪を伸ばし放題の風貌も含めかなりの変人であるイメージは伝わってきた。
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ポアンカレ予想を証明したペレルマンの苦悩、ソ連におけるユダヤ人数学者(ユダヤ人一般)への迫害が苛烈を極めていたことが描かれるが、ポアンカレよそそのものへの言及はほとんどなし。
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ペレルマンが育った当時のソ連の数学会の状況がよく分かる。
ただ、証明したポアンカレ予想に関する数学的に詳細な解説は無い。それは他書に譲る。 -
450円購入2013-10-04
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ポアンカレ予想を解決したペルマンの生い立ち、当時のソ連や、特異な数学教育について語る。この本を読んでも、ポアンカレ予想につて、その解決過程の詳細は書かれていない。
たとえ、詳細に書かれていたとしても、分からないとは思うが・・・分からなくてもそれを期待して読んだのに、期待した内容とはずいぶん違いがある。 -
青木薫さんが翻訳した本は外れがなかったけど、今作もそうだった~。
ポアンカレ予想を証明したロシアの天才数学者ペレルマンに関する本。
この本のすごいところは、ペレルマンに対するインタビューは一切行わず(存命だが、行えない)、ペレルマンの生立ちから表舞台から姿を消すまでの様子を関係者への取材をもとに丁寧に記述している点。
ペレルマンがどれだけ数学に対して没頭してストイックであったかはもちろん、社会主義体制のもと均質であることが求められるなかどのようにユダヤ人であるペレルマンが並はずれた才能を開花させることができたか、等々。興味深く読み進めることができました。