ハチはなぜ大量死したのか (文春文庫 S 7-1)

  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (413ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167651756

感想・レビュー・書評

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  • 蜂群崩壊症候群(CCD)を扱ったノンフィクション作品。本書の原書が出版されてから10年以上が経過しているが、未だに原因は究明されていない。人間の自然への介入、社会システムへの無理な取り込みがミツバチコロニーを崩壊させる…。『沈黙の春』などから連綿と続く忠告の書。ミツバチを飼いたくなる。

  • 原題は「Fruiteless Fall」。「沈黙の春」へのオマージュか?
    かつてアインシュタインだったか、「蜜蜂が居なくならない限り人類は大丈夫だ」と。
    養蜂の蜂が死骸もなく失踪する現象が多発。多くの植物は受粉できなくなる。Colony Collapse Disorder(CCD)の原因を探る物語。
    ダニ説→西ナイルウイルス説→ノゼマ病微胞子虫→イスラエル急性麻痺病ウイルス→蜂のエイズか?→農薬、犯人探しは続く。
    事態は複雑なのだ。合わせ技だったり長いドミノだったりchaos。
    2000年代にこんな大事件があったのを知らなかった。日本でも似た事例はあるが、ニホンミツバチはまだ大丈夫みたい。でも日本でも受粉は西洋ミツバチがメイン。
    蜂を飼いたいとは思わないが蜂蜜を食べたくなってきた。

  • 読み応えのある本。環境、生物、科学、自然。そして食べることが好きな人必読。ミツバチが愛おしくなる。そして養蜂家になりたくなる本。感想はブログで。↓
    http://zazamusi.blog103.fc2.com/blog-entry-832.html

  • 蜂のシステムに起きた小さな変化。自然界に起きる小さな変化、これに気づくことができるか、出来なくても、可能な限り意識を持つことにしようと思った。視点を変えて

  • 買ったのはかなり前だけどやっと読み切った。ハチのことだけでなく、環境問題などスケールの大きなテーマまで語られていた。これを読むと、ハチを飼いたくなってくる。
    復元力の重要性、ロシア蜂とニホンミツバチの強さ、養蜂家カーク・ウエブスターの世界観、人間が生きる上で必要な食物は植物と昆虫による共生関係によって成り立っていること…これらは忘れないようにしよう。

  • 蜂群崩壊症候群(Colony Collapse Disorder ; CCD)に関する啓蒙書。

  • これは読んでよかった。人にもオススメできる。

  • 積読状態であったが、「日本が売られる」でハチのことが書かれていたので、興味を持ちようやく読んでみた。
    文庫の帯には福岡伸一さんの「もっともスリリングな科学の書」と推薦されている通り、著者の周りでミステリー小説的に物事は進行していく。ただ、「どうして、どうして」と読み進める読者には回りくどくもあるのだが。
    新たな読者に対して言えるのは、この本を読むとハチが愛おしくなることだろう。

    積読していた僕が言うのもなんだが、この本は動物と植物の共生や、植物の進化について学ぶのに良書だと思うが、なぜ増刷されてないんだろう。
    子供も興味を持ちそうだと思うが。

  • 蜂群崩壊症候群が発生した背景に迫った科学ノンフィクション。それだけでも十分興味深い蜂の習性や生態系に加えて、養蜂家の苦悩や、蜜蜂とは切っても切れない「花」の姿の背景など、蜜蜂にまつわるありとあらゆることが書かれている。文庫本400ページのボリュームにもかかわらず、中だるみの章などなく、それどころか訳者あとがきにも驚きの事実が出てきて最後の最後まで読みごたえ十分。
    文句なしの5つ星。

  • 10年程前に本書のハードカバー(翻訳版)を一度読了していますが、最近AMAZONで文庫化された本書を見つけて購入。
    再読でしたが、本書は古さを感じず、ミツバチを好きにさせ、そしてハチが消える問題(CCD)が深刻な問題だってことを感じ取らせる書物だとあらためて思いました。

    ネットで少し調べてみたけど、2018年現在もCCDの根本原因はわかっていない。
    本書に記載があるが、個人的に大きな原因と思うのは、
    ・ネオニコチノイド系の農薬
    ・人間の介入
    (病原菌や天敵に晒されることで自然に克服・進化するミツバチの抵抗力に対し、農薬散布などの人工的手法でミツバチのその進化の過程を奪った)
    ではないかと考えてみたりした。
    最近の異常気象も原因の1つかもしれない。

    自然のバランスは崩すことは簡単、でも、戻すことは難しい。
    CCDが克服され、自然なままのミツバチがいつでも見られる世界であってもらいたいものです。

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