メディアの興亡 上 (文春文庫 す 11-1)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 139
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (398ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167504014

作品紹介・あらすじ

新聞社から活字が消えていく-。コンピュータで新聞をつくるという壮大な計画にむけて、日本経済新聞社は動きだした。アポロ宇宙計画に匹敵する難事業に社を挙げて取り組んだ日経を中心に、大新聞の変革期に新聞人が何を考え、どう行動したかを活写する、第17回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した傑作。

感想・レビュー・書評

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  • 1975年11月の三島由紀夫事件から、この物語が始めるところ、とても印象的です。コンピュータで新聞を発行しようと考えた人達の物語であります。当時の技術レベルでは、無謀な試み、と思われた挑戦でありますが、日本の技術者との議論の中で、漢字は絵画ですね、と理解する米国IBMの技術者の存在等により、新聞(メディア)のデジタル化が推進された、らしい。★四つであります。

  • 今では当たり前となった、技術革命の黎明期を描く。
    サラリーマンの顔ぶれが濃い。厚みを感じる。

  • 2016/01/05 読了

  • 紙焼きからコンピュータ編集に組版工程を切り替えたころの大手新聞社のノンフィクションもの。10年後のテレビ局も30年後のインターネットも、同じような新旧交代劇がきっと繰り広げられるんでしょうね。

    新聞社の偉い人って文学好きだったんですね、なるほど今の時代にそぐわないワケです。

  • 2010.10-12(12)

  •  第17回大宅壮一ノンフィクション賞受作。
     未来にあるべき新聞の姿とは何か。テレビが各家庭に普及し、新聞は既に100%の普及率を達成している。各新聞社の購読者数は頭打ち、合わせて広告収入は前年比マイナスだ。この時代、日本経済新聞社が世界に先駆けコンピューターで新聞をつくるという前代未聞の難題に取り組みはじめる。

     大筋は時系列でお話は進むのだが、作者の親切心なのか分かりずい箇所がある。新聞各社、社員と細かく分析しているために、折角盛り上がった話も腰砕けになる。幕の内弁当の様に盛りだくさんでお腹いっぱい。これって、ノンフィクションだからしょうがないのだろうか。

  • 日本語断ちして2年近くして解禁の書としたのがこれ。
    改めて自分がノンフィクション好き=フィクションのあら捜し好き、とわかったのでありました。

  • 新聞の紙面作りを全てコンピュータ化してしまう日経のアネックスプロジェクトと、それを巡る朝毎読を中心とする新聞・政府・メーカーの綱渡りを描いたドキュメント。まさにプロジェクトX。
    半端ない取材量。

  • 新聞社の製版にコンピューターが導入された経緯を丹念に追ったルポ。今風に言えば、プロジェクトXである。新聞社が何を考え、大コンピューターメーカーはそれにどう答えたか?今となっては当たり前のコンピューター製版だが、導入には色々どらまがあったようだ。

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著者プロフィール

1952年、東京生まれ。一橋大学社会学部卒業後、

読売新聞記者を経て執筆活動に入る。1986年に

新聞社の舞台裏を克明に描いた『メディアの興

亡』(文春文庫)で大宅壮一ノンフィクション

賞を受賞。1996年、『兵士に聞け』(小学館文

庫)で新潮学芸賞を受賞。以後、『兵士を見よ』

『兵士を追え』(共に小学館文庫)『兵士は起つ

 自衛隊史上最大の作戦』(扶桑社新書)と続く

「兵士シリーズ」を刊行。7作目『兵士に聞け 

最終章』(新潮文庫)で一旦完結。その後、2019

年より月刊『MAMOR』で、「兵士シリーズ令和

伝 女性自衛官たち」の連載を開始。ほかに小説

『汐留川』『言問橋』(共に文藝春秋)、『デルタ

 陸自「影」の兵士たち』(新潮社)、

『OKI囚われの国』(扶桑社)など著書多数。

「2022年 『私は自衛官 九つの彼女たちの物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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