心に残る物語――日本文学秀作選 右か、左か (文春文庫 さ 2-16)
- 文藝春秋 (2010年1月8日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (429ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167209162
作品紹介・あらすじ
根底に戸惑いや不安や怯えや恐れが潜んでいる。もしかしたら、それこそが「右か、左か」における人間の自然の姿なのかもしれない-芥川龍之介、山本周五郎から小川洋子、村上春樹まで、人生における「選択」をテーマに沢木耕太郎が選んだ13篇を収める。文春文庫創刊35周年記念特別企画・アンソロジーシリーズの最終巻。
感想・レビュー・書評
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人が遭遇する分岐点「右か左か」の局面での選択をテーマに、作家・沢木耕太郎さんが編んだ13篇のアンソロジ-。 サブタイトルの〝心に残る物語〟のとおり、もっとも印象に残ったお気に入り作品は、小川洋子著の『風薫るウィ-ンの旅の六日間』、次いで山本周五郎著の『その木戸を通って』、阿部昭著の『天使が見たもの』は、いづれも人生の岐路に立つ人間の不安や怯え、恐れの心の様相が、切ないまでに表現された秀作短編。
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f.2021/7/19
p.2010/2/10 -
沢木耕太郎のあとがきまで読み終えてから、良い短編集だったな、と思った。
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どれもが実に印象深い短編集。全編ともあとを引く。
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2019年7月課題
収録作品より
「ダウト」向田邦子
「レーダーホーゼン」村上春樹 -
タイトルの『右か、左か』というのは、ある時点の判断における分水嶺というようなニュアンスかな。
著名な作家達の珠玉の短編集。芥川龍之介から、開高健、坂口安吾…、村上春樹まで。
恥ずかしながら江戸川乱歩の短編を読んだのは今回がはじめて。『人間椅子』の落ちが意外である。 -
作者が違う短編集ってなんだか読みにくい。ひとつひとつの作品が別々の重さ、暗さを抱えていて深い
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文春文庫創刊35周年記念企画として、人気作家が選んだ「心に残る物語」シリーズの中の1冊。芥川龍之介、江戸川乱歩から、向田邦子、村上春樹まで、沢木耕太郎さんのセレクトということで、どれもさすがという作品揃い。こういう機会があると、普段あまり読まない昔の作家に触れることができるのもありがたい。13作からひとつ選べば、阿佐田哲也さんの「黄金の腕」かな。
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沢木耕太郎氏が選択した短篇集。
人生の中の選択をコンセプトに、年代を問わずチョイスした作品集。
読み方として間違えているかもしれないが、それぞれの作品を読了後、あとがきから沢木耕太郎氏が何を思いその作品を選んだのかチェックしながら読み進めた。
それぞれの作品とも読後にふっと考える作品が多かった。
ベストを上げるとすれば阿部昭氏の作品が、あとがきのコメントとともに考えさせる内容になっていた。