私本・源氏物語 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167153243

感想・レビュー・書評

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  • トイレや食事はどうしていたのか。光源氏が愛を語らっている間、お付きの人はどうしていたのか。そんな表では語られない、裏事情を小説化した面白い本です。

  • 関西弁丸出しの源氏の君…。雅な源氏はどこにいったー!!
    難解ないつもの『源氏物語』と違って、すいすい読めます。源氏に疲れたときに読むことをオススメします。受験前はやめたほうがよろしいかと。
    それにしても、この続きを読みたかったなぁ。

  • 再読?
    三部作の内の一作目。

    光源氏のお伴である¨ヒゲの伴男¨(オリジナルキャラクター)から見た「源氏物語」

    ISBN-10: 4167153246
    ISBN-13: 978-4167153243

  • お付きの視点から描かれた源氏物語。

  • 紫の上は「なぜなぜなーぜ」という絵本を読んでオトナの世界を学び
    六条御息所は「六条のオバハン」
    明石の君は光源氏を強姦(?)するという
    源氏物語のパロディ。
    田辺聖子は「芋たこなんきん」の原作者でもあり
    ものすごい関西ノリ。面白いです。

    実は
    私が生まれて初めて読んだ「源氏物語」は
    「あさきゆめみし」ではなく
    この「私本・源氏物語」でした。笑


    私も読みたいぞ、「なぜなぜなーぜ」!

  • 高2高3、I先生

  • 源氏物語のパロディ小説。
    田辺聖子さん、うますぎます。

    語り手のヒゲの供男がいい味だしてるし、
    光源氏がすごく人間くさく描かれているのが親しみ持てる。

    登場する女性のデフォルメのしかたも面白い。
    末摘花が二人の姫だったり、明石が漁師の娘だったり。


    全訳源氏物語を読んだあとなのでよく分かるけど、実はすっごく細かな場面までパロってる。
    小さい頃の紫の上が、光源氏の人形を自分で作って遊ぶんだけど、お伴の惟光やその他の随身の分まで作ってる。
    原作にはもちろん「供男」は出てこないんだけど。

    すっごく笑える小説だけど、最後にはしんみりさせる「明石」の段が。
    「神サン」に関する描写は、少し前に田辺さんのエッセイにも書かれていたことなので、より一層面白く読めました。

  • (2007.07.02読了)(2007.05.04購入)
    「源氏物語」を元に、自由訳の「新源氏物語」を書いた田辺さん。
    光源氏があちこちお忍びで出かけるとき、一人で出かけるわけではなく牛車に乗って、何人かお伴がついてゆく。原作では、腹心の惟光という乳兄弟が出てくるが、それ以上したの雑仕たちのことは出てこない。
    この本は、惟光のしたの小舎人、伴男という中年男を登場させ、その男から見た光源氏を描いている。「新源氏物語」を書いているうちにどうしても書いてみたくなったということです。
    伴男のほかに、一緒にお伴をする「イナゴ丸や、大虎、小鷹といった舎人たち、牛飼童の雉子丸」を登場させ、光源氏が女性の下に忍んでかき口説いている間、彼らはどうやって過ごしているのかを見事に描いてみせる。
    食べ物のこと、大小便の処理のこと(尿筒、樋箱)、庶民の生活の事なども書いてあるので「源氏物語」の復習になるとともに、平安貴族社会の召使たちの生活が見えてくる。
    軽妙な語り口で、すいすい読めて楽しめる。
    分厚い「源氏物語」を読むのはどうも・・・、という方は、この本から読んでみるのもいいかもしれない。面白く気軽に読んで、近づきにくい「源氏物語」の一端に触れてみることができます。
    気が向いたら、「新源氏物語」に進むのもいいのではないでしょうか。
    光源氏や女性たちは、ほぼ原作に沿って物語られているのですが、書き進むうちに、勢い余って、花散里や明石の君が、少々脱線気味になっている。
    ●後朝(きぬぎぬ)(136頁)
    なんで、きぬぎぬというか、といえば、男と女が共に夜をすごした朝、おたがいの着物をとり交わして別れるからである。

    著者 田辺 聖子
    1928年3月27日 大阪生まれ
    1947年 樟蔭女子専門学校国文科卒業
    1964年 「感傷旅行」で第50回芥川賞受賞
    (2007年7月16日・記)
    ☆田辺聖子さんの本(既読)
    「甘い関係」田辺聖子著、文芸春秋、1975..
    「絵草紙源氏物語」田辺聖子著・岡田嘉夫絵、角川文庫、1984.01.10
    「新源氏物語(上)」田辺聖子著、新潮文庫、1984.05.25
    「新源氏物語(中)」田辺聖子著、新潮文庫、1984.05.25
    「新源氏物語(下)」田辺聖子著、新潮文庫、1984.05.25
    「新源氏物語 霧ふかき宇治の恋(上)」田辺聖子著、新潮文庫、1993.11.25
    「新源氏物語 霧ふかき宇治の恋(下)」田辺聖子著、新潮文庫、1993.11.25
    「『源氏物語』の男たち」田辺聖子著、講談社文庫、1993.08.15
    「むかし・あけぼの」(上)、田辺聖子著、角川文庫、1986.06.25
    「むかし・あけぼの」(下)、田辺聖子著、角川文庫、1986.06.25
    「竹取物語・伊勢物語」田辺聖子著、集英社文庫、1987.07.25
    「おちくぼ姫」田辺聖子著、角川文庫、1990.05.25
    (「BOOK」データベースより)amazon
    「どの女も新鮮味が無うなった」「大将、またでっか!?」―ウチの大将・光源氏の君は花の如き美貌の貴公子であらせられるが、女にモテすぎて、冷や汗のでるような危ない恋でないと食指が動かないのは、ほんとに気の毒である…中年の従者の眼を通して、大阪弁で軽快に語られる、庶民感覚満載の爆笑源氏物語。

  • 一時古典にハマり、読み漁った。今はちょっと興味が薄れている状態なので、地元の図書館へ寄贈。2006.9.18

  • 言わずとしれた「源氏物語」を、光源氏の使用人・伴男の目から描いたお話。と言っても硬くなく、関西弁の光源氏は若く青く、原作とは違って生活観溢れまくり。伴男のおっさんくささとあいまって、面白かったです。こういう見方もあるのねー。という感じかな。源氏物語をここまで楽しむ田辺聖子に脱帽。

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著者プロフィール

1928年3月27日生まれ、大阪府大阪市出身。樟蔭女子専門学校(現・大阪樟蔭女子大)卒業。1957年、雑誌の懸賞に佳作入選した『花狩』で、デビュー。64年『感傷旅行』で「芥川賞」を受賞。以後、『花衣ぬぐやまつわる……わが愛の杉田久女』『ひねくれ一茶』『道頓堀の雨に別れて以来なり 川柳作家・岸本水府とその時代』『新源氏物語』等が受賞作となる。95年「紫綬褒章」、2000年「文化功労者」、08年「文化勲章」を受章する。19年、総胆管結石による胆管炎のため死去。91歳没。

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