男の一生 上 (文春文庫 え 1-13)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167120139

感想・レビュー・書評

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  • 蜂須賀小六の弟分で、織田信長・豊臣秀吉に仕えた前野将右衛門の生涯をえがいた歴史小説です。

    将右衛門は、生駒家の吉乃という女性に想いを寄せますが、彼女は信長の側室となり、やがて命を落とします。将右衛門は酷薄な信長のもとを去り、木下藤吉郎の家来となります。その後彼は、吉乃によく似た刀剣屋のお栄という女性に惹かれますが、彼の恋のために朝倉義景攻略を進める信長は危地に陥れられます。

    本作は、『武功夜話』という史料をもとにした歴史小説ということですが、エンターテインメント性が前面に出ており、おもしろく読むことのできる作品でした。

  • 前野長康、蜂須賀小六が、楽しいく、ほろ苦い。

  • こばかん推奨
    秀吉の視点から

  • <本の紹介>
    秀吉に仕えて一介の野武士から十一万石の大名に、やがて悲運の最期をとげる前野将右衛門の生涯を、新史料を駆使して描く戦国ロマン

    三国志を読んで以来、「歴史小説は勉強になる。うん、読もう!」と感じてた。
    そんな中どっかの本でオススメされてたこの作品。

    恥ずかしながら、遠藤周作の作品と言っても何一つ知らなかったです。
    この人が知られていることは知ってた。でも、何故知られているかを考えたことはなかったし、今もわかってないです。これから色んな本を読み比べていく中で、そんなテーマも考えて行けるといいなと思います。

    で、この本。
    正直こういう主人公は好きでした。自分の好きな女の子にうまいこと思いを伝えることはできず、その女の子を信長に取られ、その信長への奉公を「あの子取られたから絶対やだ」とか言っても結局は女の子に流され奉公する。でも飽きっぽいし本気で従ってないから続かない。
    で、バカにしてた秀吉に力を貸したらあれよあれよと、、、

    良禽は木を選ぶ。
    いい家来は主人を選ぶ。

    誰と一緒にいたいのか、誰と一緒なら自分と家族を守って行けるのか。
    それは、今の社会でもそんなに変わらない。仕事の選択肢は確かに増えてる。

    「どんな仕事でもやれよ!やんねぇと斬る。」このご時世、そこまでは言われない。
    でも、どんな業界、どの会社って選んだとしても、結局はそこのトップだったり、直属の上司だったりを下はよく見てる。理不尽な要求だったり、受け入れられない価値観だったり、選びたくない選択肢でも仲間や家族の為を思えば逃げられなかったり。
    似てるよ、というか、変わらないよ。

    自分についてきてくれる後輩や、自分に声をかけてくれる仲間ももちろん大事にしなきゃだけど、たまにはそれだけじゃなくやりたいことやっちゃったりするとこも変わらない。

    自分の活かし方って意味じゃ、考えさせられるとこはあったかな。
    もしも自分にその仕事を遂行できるような能力がない場合、それでも結果を出さなきゃいけない場合、あなたならどうしますか?

    「できません、誰か他の人をアサインして下さい。」これもある意味正しい判断だろう。
    医者とか命を預かる仕事なら、「やればできるかも?」なんて成功率の仕事をしちゃいけない。でも、これでその人の評価が上がるかと言えば、人によっては下がるかもしれない。
    結局、できてないわけだから。そいつを食わしてる意味がないわけだから。価値を提供できてないわけだから。

    そうでなく、誰ができるのかを見極めてできる人と一緒にやっていく、このスタンスを取れると基本的には何でもやれるんだろうな、と思いました。
    この主人公の最大のファインプレイは、秀吉との出会いを逃さずにしっかり捕まえたことだった。それには、秀吉が他の人とどう違うのか、他の人との付き合いから学んでおく必要があったはずだ。それをしてたからこそ、見えたものがあったんじゃないかなと。
    そういう意味で、今いろんな人に会っておくことって大事だろなと思いました。

    遠藤周作の代表作は他にもあると思うけど、さくさく読めるんで読んでみてもいいと思います。

  • 戦国三部作の一つ。

  • 前野将右衛門の物語

  • 秀吉に仕えて一介の野武士から十一万石の大名に、やがて悲運の最期をとげる前野将右衛門の生涯を、新史料を駆使して描く戦国ロマン

    2008.5 読了

  • いやあね、なんていうのでしょうねぇ?
    遠藤周作の戦国時代のお話しは、不幸なものが多いのねぇ。
    人の一生なんて諸行無常だわーと、クリスチャンに教えられるのです。

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著者プロフィール

1923年東京に生まれる。母・郁は音楽家。12歳でカトリックの洗礼を受ける。慶應義塾大学仏文科卒。50~53年戦後最初のフランスへの留学生となる。55年「白い人」で芥川賞を、58年『海と毒薬』で毎日出版文化賞を、66年『沈黙』で谷崎潤一郎賞受賞。『沈黙』は、海外翻訳も多数。79年『キリストの誕生』で読売文学賞を、80年『侍』で野間文芸賞を受賞。著書多数。


「2016年 『『沈黙』をめぐる短篇集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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