- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784166612741
感想・レビュー・書評
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日弁連は死刑反対だが個々の弁護士には賛成論者もいる。VS フォーラムのメンバーによる犯罪被害者支援からの視点による死刑賛成論。
犯罪の加害者の人権ばかりが守られ尊い命を奪われた被害者とその家族の意見が考慮されることはほぼない。三人殺せば死刑、といったような基準。覚せい剤使用自体は悪いが覚せい剤の影響で殺人を犯しても酌量される。裁判員裁判による死刑判決があっさりと覆される例など、法曹界は世間一般の考え方とはズレている。
そもそも強制加入の必要な日弁連が、加入者により多くの意見のある事案に高圧的に意見を決めてしまうところも闇を感じる。
終章の犯罪被害者の家族の手紙が心を打つ。 -
疑問に思う点は多々あったが(例えば、p53の「主権を有する日本国民の8割以上が、死刑制度に賛成している」は明らかに嘘。おそらく3000人対象のR1年度世論調査のことを言っているのだと思うが)、死刑について考えるきっかけにはなった。遺族が死刑を望むのは理解できる。しかし、死刑は仇討ちの代行システムという考え方には賛成できないし、ましてや「かちかち山」や「忠臣蔵」を引き合いに出し、日本人の国民性を云々するのは逆効果ではないか。
現状の死刑判決は、遺族感情というより国民感情を収めるためになされているような気がする。世間を騒がせたセンセーショナル犯罪者ならば死刑やむなしというような。それが良いか悪いかは別として。 -
死刑賛成弁護士。犯罪被害者支援弁護士フォーラムの著書。声高らかに死刑反対死刑廃止を主張する弁護士は多い。弁護士は死刑反対死刑廃止を主張していると勘違いしてしまいがちだけれど実際はそうではないし、数ある弁護士のすべてがそういった死刑反対死刑廃止を主張する人権派弁護士ではない。加害者の人権や心情よりも被害者や被害者遺族の人権や心情を大事にすべきと考えいている弁護士だって少なくない。死刑賛成を主張する弁護士からするとすべての弁護士が死刑反対死刑廃止を主張していると思われるのは迷惑千万な話なのかもしれない。
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一人の著者が書いた作品ではなく「犯罪被害者支援弁護士フォーラム」のメンバーによる作品。一人ひとり、死刑賛成についてのテーマ等があり理由が述べられている。
一つ言えるのは、被害者の親族になったら「迷わず死刑」。それ以外に何もない。「国家による殺人」なんぞ言えるのは筋違いもいいところだ。
仮に親族が殺されたら「更生を希望する」など口が裂けても言わないし、同じように殺して欲しいと思う。
被害者、第三者では死刑賛否が交わることはないだろう。
私は以前から死刑賛成に変わりはない。
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死刑制度反対であろうと賛成であろうと、互いの意見を聞くことが大切であり、反対派の人にはとりあえず読んでもらいたいと思った。
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うーん。
考え込んでしまう。
これでも法学部生の端くれだったので、日本の被害者が出てこないことは理解していた。刑法が守るものは、社会秩序であり、正義だと。
だから、被害者感情はわかるが、社会が守るべき法益を考えれば、必ずしもそれは最優先されるものではないと思っていた。
程度問題だが。
被害者参加制度も、故に、違和感はあった。
しっかりと考えてもこなかったんだけど。
若い頃は、明確に、死刑反対派だった。
が。
被害者は、裁判において、当事者ではなく、ただの証拠だった、という記述にハッとする。
そういうことだったのか。
勿論、身内が殺されて、社会正義だから、諦めようね、なんて納得する人はいないし、この一文書いてて矛盾することもわかる。
被害者の「回復」のためには、死刑しかないという主張も。
しかし、それでも、国が守るべき正義が果たしてそれで実現できるのかは、分からない。
むしろ、もっとガンガン議論すべき話なのだ。
ただ、いわゆる人権派という胡散臭い奴らと、日弁連という活動家組織の主張は明らかに歪んでいる。
永山基準も、今の日本にはそのまま当てはまらない。少年法も歪みが大きい。
なんだか、憲法9条改正議論とダブって来ちゃったよ。
議論させないことが正義ということだけは間違っている。 -
この本を読んで尚死刑廃止論者の反論を
知りたい。
日本において死刑制度は必要であるとの
確信をますます強めた。 -
被害者遺族の心情を思うと、本当につらい。
自分が被害者遺族の立場だったらやはり死刑を望むのかもしれない。
日本の刑事司法が加害者中心で、被害者に寄り添っていないもの確か。
でも、そのうえでたとえ偽善だといわれても、私は死刑制度には反対です。
ただし、きちんと議論し考え改善してゆく問題だと思っているけれど。
死刑賛成の方々の意見を知れたのはよかった。より深く考えてみるきっかけになった。 -
弁護士って凄く大変なお仕事だと改めて感じた本。というのも内心、「こんな奴は死刑になって当然。」って感じる極悪人の弁護をする可能性が有り、その被告に対し最善を尽くす義務がある事。最近、とんでもない極悪犯罪者が死刑ではなく無期懲役になってしまうという事が続いていたのですが、なんでそんな判決になってしまったのかの理由の概要が判る本でもあります。
ヨーロッパを中心に死刑廃止国が多いですが、凶悪犯罪が発生した際、犯人の身柄を拘束する事を最優先とせず、その場で射殺してしまう偽善や被害者の命より加害者の命が優先されている様な腐った司法について痛烈に批判されている事は正に痛快!っと同時に被害者の親族の手紙については、読んでいる間、泣きそうになってしまいました。。。はっきり申し上げます。私は死刑賛成です!