- Amazon.co.jp ・本 (247ページ)
- / ISBN・EAN: 9784166612659
感想・レビュー・書評
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こないだ橘氏の新書大賞受賞作「言ってはいけない 残酷すぎる真実」を読んで面白かったんで、新しめの本も読んでみようと思って図書館で借りてきた。
タイトル的にも明らかに僕の好きな分野っぽい。
男女の違いをテーマとした書籍は比較的多く読んだのでそこらの人よりは知識や教養はあると自負している。
テレビでおなじみ中野信子さんは脳科学の視点で男女差の違いや不倫に関する著作がある。
トリセツシリーズで有名な黒川伊保子さんはその著作で男女差の違いを卑近な例を用いてわかりやすすく説明してくれる。
またアラン・ピーズ&バーバラ・ピーズこそがこの分野におけるパイオニア的存在で、「話しを聞かない男、地図が読めない女」はなんと国内200万部のベストセラー作品だ。
いずれも興味深く読ませてもらった。
余談はさておき、本書はタイトルをつけるならこれしかない!と言えるコラム集というか豆知識集だ。
男女差を理解するにあたって絶対に外せないのテストステロンやエストロゲンなどのホルモンだ。これが男女差の決定的な違いを決めるようだ。
また本書では過去に行われた実験や発表されている論文をひも解きながら以下のような事実が解説されている。
○男性は主観的欲望と身体的反応は一致するが女性は一致しない。
○男は、女性の心の浮気より身体の浮気に嫉妬するが、女は、その逆。
○競争ない条件のゲームと競争ある条件の数学ゲームでは男女差が明らかだった。進化論的に男は狩猟者で仲間と競争に重きをおき、女は採集者で協力しあうことが大事だからという。
○マジックナンバー0.7。男性からモテるウエストとヒップの比率らしい。妊娠してない証だからだそうだ。
本書を読んで改めてわかったことは、男は単純、女は複雑。
男は競争する性、女は選択する性として進化してきたこと。つまり根本的に違うということ。
生活していれば、家庭や職場で異性との関わりは必ずある。そんな時に、いらぬ摩擦を生じさせないためにも、性差のことについて理解しておくことは生きていく上でとてつもなく大事なことだと思う。
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同性の気持ちの理解や共感はできても、異性のそれはしばしば難しかったので、異性に対する理解を深めるために読んだ。
数多くの生物学的根拠や心理学の実験結果をもとに、人間の男女が大きく異なる生物であることが示されている。
人間という同じ括りの中にはいるが、異なる種類の人生を生きているため、我々はお互い(異性)について知らないことがたくさんあること。そしてそれは当然であること。
まずはお互いの違いの存在に気づき、例えば本書のようなものを通して知識を深め、お互いに歩み寄ることが様々な共同体生活においては大事だと思った。 -
相変わらず橘玲の著作はおもしろい。進化論的考察はいつものことでだいぶ慣れてきたが、毎回なるほどなあ、と思う。
大学の研究者が意味のある実験統計データを取るために行なっている工夫というのは大したものだと感心する。
P200
ここからわかるのは、女は男より競争に消極的なのではなく、「勝率を冷静に計算している」らしいことだ。成功の見込みが高いと思えば、女は男より冒険的になる。「女性は戦略的に競争に参加するかどうかを考え、きわめて慎重に行動している」のだ。
P246
男は「単純」で女は「複雑」だ。
これは、性愛において、男は「競争する性」、女は
「選択する性」として進化してきたことから説明できる。 -
とにかくエロい!電車で読んでいて、キョロキョロと。横から覗きこまないで。太字でタイトルに、痴女は存在するのかとか、ペニスは何で長いかとか、男は52秒にいちど性的なことを考える、とか。
極め付けは、プレチスモグラフィ。タンポン型の機器で膣内の充血度、つまり性的興奮度を測定する試験。これを挿入して、エロ動画の反応を見られる数十名の女性被験者。この機器をリングにしてペニスの勃起度を測定するなど。まいった。世の中広い。
著者の橘玲がやっている事は、学術論文のオムニバス化だから、彼個人が研究者という事ではないが、その編集能力、日本では、知られぬ面白論文の発掘能力は凄まじい。真面目な話、こうした性的研究により、世の性犯罪の根源にあるもの、あるいは生きる意味の本質や、我々が管理し、向き合う本能の自己確認が可能となる。フェティシズムが思春期における刷り込みが関係している事や、男女の競争戦略の違いによる社会進出の偏りの解明など、こうした研究による、社会学的意義も大きい。おふざけはさて置き、学術的な書である。ただ、私はこれを公の場で読む事はオススメしない。恥ずかしいので。
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●週刊誌の連載だからとても読みやすい。
●聞いたことがない話もあったので、有益ではあった。サクッと読めるし。
●最後の男は単純、女は複雑というのは、たしかになあと思う。悔しいから複雑にはなりたいんですけどね… -
幸福の資本論もめちゃくちゃ面白かったし、これもすごい良かった。読みやすくて、すぐに次のページって感じ。
男って、この本によるとめちゃくちゃ単純で、女を得るためなら、別に手立てとかは考えないみたいな、とにかく若くて健康で可愛い女を手に入れたい、それ一心みたいなのは、ウケた
まあ、度合いは、人それぞれだとは思うんだけど、それをベースに生きてる人は、世界共通のようだ。
まあ今では、遺伝子検査もできるし、男女平等になりつつある社会になってきてるし、進化や繁殖って意味では、なかなか昔よりも、難しいことも多いな。
女性は真逆で、選択の性。どの男がいいかめちゃくちゃ考える。この男なら子供を育てられるか、金があるかとか。ちん子が大きいから、立派な子供が生まれるだろうとか、かっこいい、などの見た目だけでの判断は、生きる上で無理なことだね。
なんとなくわかってるってことがしっかりと噛み下れて、文章にされてるものを理解すると、なるほどなるほどと、少し俯瞰できる気がする。
橘さん好きー -
男と女についての人間的な考え方や行動の違いについて、論文や研究等のデータを元に論理的にまとめられていた。世間的にはタブーというか、コンプラにかかりそうな性にまつわる内容が多く、なかなか知り得ない情報を知ることが出来たと感じた。個人的には、ペニスがなぜ特異な形をしているかが為になった。
世間的には、性差別は問題ではあるが、性による差はあるので、男はこういうもの、女はこういうものという違いを正しく理解していきたい。 -
金融関連本の著者というイメージが合ったので、橘玲さんはこんな本も書くのか、と思わず読み終わった後に著者経歴を見直してしまった。
男女の差異がデータに裏付けされた研究結果をもとにまとめられていて非常に参考になったし、面白かった。
かなり生生しいものもあったが、面白かったものを列挙すると
①魅力的だと思う異性の年齢は、女性がどの年齢層でも自分と同じくらいの年の人である一方、男性はどの年齢層でも20~25前後である
②父子の血縁関係を調べた結果、”実子であることを確信している”グループでは1~3%、”実子であることを疑っている”グループでは15~40%の割合で托卵
③結局、外見とカネ
④女性が活躍できる環境作りにはプレッシャー(本書ではセクハラ、パワハラが言及されている)を抑えることが重要
⑤男性は子どもの存在が野心を高めるが、女性にとって子どもの存在は野心を弱める(被験者はアメリカ地方議員)
⑥主観的な”勝ち”が見えた場合、男性より女性の方が野心が高まる(女性は戦略的に競争するか否かを考え、慎重に行動する傾向がある)
⑦男性は外見が魅力的な女性からの意見に協調する傾向にある
など・・
私自身は30代前半で独身女性で配偶者を持ったり、子どもを産んだりする選択肢がある。その立場からでも、⑤に関しては多くのキャリア女性が子どもを持つことを躊躇する、少子化の原因の一つであると思う。一方、子どもがいること・女性であることは、現状は出世優位になりやすく、⑥を促す環境でもある。例えば私のいる外資系企業であれば男女比率のターゲット数値が決まっているため、多少の能力・経験の差があったとしても、男性より女性を積極的に昇進させている。今は過渡期であり、これまで男性優位であったことを考えると多様性が定着するまでこの方針は問題ないと私個人的には考えている。
あくまでもデータに裏付けられた傾向として上記の結果を受け入れ、”ステレオタイプの内面化”と同様、消極的インプットとならないよう意識したい。 -
考え方の本かなと思ったら、
めちゃめちゃセックスと性の本だった。
面白かった。 -
以前読んだ時、わりと序盤で離脱してしまったのだが
読み進めてみるとサクサク読めておもしろかった。
進化心理学という学問を初めて知ったけど
めちゃくちゃ面白い研究ばかりされている…?笑
進化に合理的な女の托卵戦略、
ロマンス小説の読者が欲情する男性像、
萌えるロマンスの条件
などとてもおもしろかった。