天邪鬼のすすめ (文春新書 1215)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166612154

作品紹介・あらすじ

「壮大なまわり道の中で研ぎ澄ました私の感性……頼れるものは、それしかない」不安の時代を生き抜くヒントに富む、ベストセラー作家の自伝的エッセイ 厳格な軍人家族に生まれた著者は、敗戦によってすべての価値観が根底から覆ってしまう。凛として「恥を知る」ことを説いた父が、戦後は見る影もなく落魄。そのくせ世の中が落ち着くと、徐々に昔の価値観に戻っていく……。そんな父と、暁子は確執を深める。家の中はぎくしゃくし、母とも心が通じなくなっていく。また、結核を患ったせいで、幼い暁子は長期の入院を強いられた。外で遊ぶこともならず、彼女はおのずと自分自身に向き合うようになる。敗戦と結核、これが原点となった。 家族と離れて自由を謳歌した高校・大学時代。NHK入局後、野際陽子との出会いで悟った「私は私」という境地。そして、ある音楽家の男性との運命的な出会いと大失恋。さらに、パートナーを得た後にも暁子に影を落とす父と母の存在……。 波瀾万丈の来し方を振り返りながら、著者はあるヒントを投げかける。「天邪鬼」であること。そして「おめでたさ」を失わないことの大切さ。挫折と思えたものを逆転してこられたのは、天邪鬼とおめでたさがあったからこそ。自分で考え、反骨を忘れない。自分で食べる。自分で決める……その大原則さえ守っていれば、人は自由に生きることができる。切れ味鋭く、かつ滋味深い著者の言葉は、不透明な時代を生き抜くための力を与えてくれる。

感想・レビュー・書評

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  • 元NHKアナウンサーの作家、下重暁子さんが83歳で世に出した最新刊エッセイ。
    天邪鬼のように反骨精神を忘れず、あえて人と逆のことをすることは、精神的に自立していないとできないという彼女が、自分で考え、自分で決めることを提唱する本。

    そうしてこそ、人に頼らず自分の本当にやりたいことができるといいます。

    軍人だった厳格な父親への反目、娘を溺愛し依存する母親との関係に長年苦しんだ自身の体験や、つれあい(夫)との『個』を重視した自由な関係性が語られますが、驚くのはその徹底した個人主義ぶり。
    著者が結婚した当時は、かなり斬新な夫婦のスタイルだったのではないかと思います。

    一人旅が好きで、同じ趣味を持つ永六輔氏と時々駅で出会うことがあったそう。そこでもなれ合うことなく、挨拶をしてさらっと別れたとのことです。

    会社を辞め、子供が独立したあとの生き方を、人に頼らずあてにせず、期待せずに、自分の力で生きる意識を持つ大切さが語られています。
    ここまで強い独立の覚悟を持ってこそ、純粋に人を愛し、人生を楽しむことができるのだと気づかせてくれます。

  • 父に救われた命の章の時系列がわからない。つまらないところにつまづいた。
    全体的に自慢話。自己肯定の話。

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著者プロフィール

1959年、早稲田大学教育学部国語国文科卒業。同年NHKに入局。アナウンサーとして活躍後フリーとなり、民放キャスターを経て文筆活動に入る。公益財団法人JKA(旧・日本自転車振興会)会長、日本ペンクラブ副会長などを歴任。日本旅行作家協会会長。
主な著書にベストセラー『家族という病』『極上の孤独』『年齢は捨てなさい』『明日死んでもいいための44のレッスン』(以上、幻冬舎新書)、『鋼の女――最後のご女・小林ハル』(集英社文庫)、『持たない暮らし』(KADOKAWA)、『夫婦という他人』(講談社+α新書)、『老いも死も、初めてだから面白い』(祥伝社新書)、『自分に正直に生きる』『この一句 108人の俳人たち』(以上、だいわ文庫)他多数。


「2023年 『年をかさねるほど自由に楽しくなった』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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