- Amazon.co.jp ・本 (215ページ)
- / ISBN・EAN: 9784166611942
作品紹介・あらすじ
150万部突破!2019年9月10日の樹木希林さん特別番組「~おもしろうて、やがて不思議の、樹木希林~」も話題です。
樹木さんは活字において、数多くのことばを遺しました。語り口は平明で、いつもユーモアを添えることを忘れないのですが、じつはとても深い。彼女の語ることが説得力をもって私たちに迫ってくるのは、浮いたような借り物は一つもないからで、それぞれのことばが樹木さんの生き方そのものであったからではないでしょうか。本人は意識しなくとも、警句や名言の山を築いているのです。それは希林流生き方のエッセンスでもあります。表紙に使用したなんとも心が和むお顔写真とともに、噛むほどに心に沁みる樹木さんのことばを玩味していただければ幸いです。
感想・レビュー・書評
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1.著者;樹木さんは、女優で文学座に入所。悠木千帆の名前でデビュー。ドラマ「七人の孫」で人気を博し、「時間ですよ」で不動の人気者になりました。「寺内貫太郎」で演技派女優の地位を確立。「樹や木が集まり稀な林を作る=みんなが集まり何かを生み育てる」を連想し、芸名を“樹木希林”に改名。内田さんと再婚後の離婚騒動は語り種。「人情深く、親近感の湧く女性」が個人的な思いだそうです。「わが母の記」で日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を始め、数々の女優賞を受賞。
2.本書;樹木さんが生前(2018年9月永眠)に語っていた言葉をまとめた本。本書のタイトルは、樹木さんが色紙に書いていた言葉=「私の役者魂はね“一切なりゆき”」から流用。6章154節の構成。「第1章;生きる事」「第2章;家族の事」「第3章;病の事、カラダの事」「第4章;仕事の事」「第5章;女の事、男の事」「第6章;出演作品の事」。平易な言葉で綴られた、数々の名言は噛み応え十分。書の専門家には語れない説得力があります。百万部超えのミリオンセラー作品。
3.個別感想(印象的な記述を3点絞り込み、感想を付記);
(1)『第1章;生きる事』より、「物事がうまくいかない時は、“自分が未熟だったのよ”でおしまい。・・目標は、自分が本当に望んでいるものなのか。他の人の価値観だったり、誰かの人生と比べてただ羨んでいるだけなのではないか。一度自分を見つめ直してみるといいかもしれませんね。お金や地位や名声もなくて、傍からは地味でつまらない人生に見えたとしても、本人が本当に好きな事が出来ていて、“ああ、幸せだなあ”と思っていれば、その人の人生はキラキラ輝いていますよ」
●感想⇒樹木さんの人柄が滲み出た一節です。何事も人のせいにせず、自分で受止め、ポジティブに生きた人です。私もよく言われました。「人生は問題だらけで悩みは尽きない。躓き失敗する事もある。しかし、原因を他人や環境のせいにしてはいけない。自分自身を反省し、物事に対処しなければいけない」と。私事です。振り返れば、大学受験を始め、思う通りにならない事が沢山ありました。学生時代には親からの経済支援は無理でした。マイカーを持って合コンに明け暮れる同級生を羨んだこともあります。私は、アルバイトと勉強・読書の日々でした。しかし、先の教えを受止めて、人それぞれと考え、前向きに生きれたと思います。アルバイトのお陰で、様々な出会いと学ぶ事に恵まれ、その後の社会人生活に役立ちました。“他人からの有形無形の支援に対する感謝”と“自助努力”あればこその人生と思いたい。
(2)『第2章;家族の事』より、「外国で自動車同士がぶつかったら、互いに絶対に謝らない所からスタートするというけれど、私は昔から日本人がもつ、自分が悪いかどうか分からなくても“ご免なさい”という気持ちが好きです。“とんでもない。向こうが悪いんだ”と言い続けて、何が生まれるでしょう」
●感想⇒「とんでもない。向こうが悪いんだと言い続けて、何が生まれるでしょう」。いい言葉ですね。世の中には、自分の事は棚に上げ、他人ばかりを責める人がいます。自己中心の人は、他人の言う事に耳を貸さず、何事も自身を正当化しがちです。個人的にはそういう人にあまり関わりたくないのですが、そうもいきません。私の対処法です。先ず、相手のいう事をよく聞いてあげます。最後に、意見を言って、議論せず、それでお仕舞。あとは本人次第、自分の振舞いを正す機会になれば良いのですが。さて、自動車事故の件は、世間は善人ばかりじゃないし、責任割合が“0:100”というのもあまりないので、謝り方は熟慮した方が良いと思います。樹木さんは善人であり、そこが魅力です。
(3)『第5章;女の事、男の事』より、「どの夫婦も、夫婦となる縁があったという事は、相手のマイナス部分が必ず自分の中にもあるんですよ。それがわかってくると、結婚というものに納得がいくのではないでしょうか。時々、夫や妻の事を悪く言っている人を見ると、“この人自分の事を言っている”と、心の中で思っています」
●感想⇒知人の息子夫婦の事です。新婚早々に離婚しました。原因は、モノハラだそうです。妻が夫の言い種に我慢の限界を超えたそうです。彼女は、夫の言動を数年間、ノートに綴っていました。「お前は教養の無い女だ」「・・」。夫はそれを突き付けられ、親を交えての話合い。離婚と言われても、言い訳出来ないですね。夫にも言い分があると思いますが、夫婦の事は傍からでは分かりません。親兄弟と言えども、「親しき中にも礼儀あり」が大切ですね。このような場合、樹木さんの「この人、自分の事を言っている」をどう解釈すればよいのか悩みます。「人のふり見て我がふり直せ」ですね。
4.まとめ;樹木さんの出演作品を見ると、とても自然体な演技で、その言動に癒されました。本書を読んで、編集ものとは言え、樹木さんの人となりに感動です。「印象的な記述を3点絞り込み」に悩みました。3点以外にも、「人の人生に、人の命にどれだけ自分が多く添えるか」・・等、沢山あります。自分の人生に照らし合わせて読むのも良いでしょう。きっと、得るものがあり、これからの生き方に役立つはずです。ドラマやコマーシャルで活躍していた樹木さんを見ると、嫌な事があってもほっこりさせてくれました。樹木さんは好感度が高く、私も好きな女優さんでした。あの世でも微笑みを。(以上)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
最近読んだ読書術の本に「ベストセラーは必ず買って積んでおくだけでもよい」というようなことが書いてあったのでまず、この本を買ってみました。
色々なところで女優の樹木希林さんが発言したことばをまとめたもので、こころに染みることばはたくさんありました。
私は、自身が病弱なので、特に希林さんの「がん」という病気に対する姿勢には身につまされました。
私は、死に至るような重篤な病気はひとつもありませんが、1週間全部、通院でスケジュールが埋まるだけで、気が滅入り、病院で待っているだけでイライラしてきます(病院では気が散るので私は本は読めません)。希林さんとは年齢差や性格も全く違う方なので、そんな境地には至れない私ですが、あまり不幸に思わないようにしたいと思いました。
希林さんの映画は『そして父になる』でお見かけしたのが最後でしたが、惜しい方が亡くなられて、もっと出演作を拝見したかったと思いました。
娘さんの也哉子さんがエッセイストでいらっしゃることを初めて知り、お人柄を本書で知り、その作品も是非、拝読してみたいと思いました。
本分P122より
「私は最近、放射線治療の後遺症じゃないかと思うんだけど、肩がゴキン、ウアッてなることがあるの。そういうとき「痛い」じゃなくて「ああ気持ちいい」っていいかえちゃう(笑)。それが、当たり前なんだと受け取って生活していく面白さっていうのがあるなって思うんだ。私にはいい塩梅にがんっていうのがあるから、いろんな意味で有効に使ってるのよ。何かを断わるときには、「もうがんが大変なの」とさえ言えば、「あっ、そうですね」となるし。まあでも病気をしてから少し謙虚になりました、私」(「体はちょっとアレだけど、怖いのもがなくなって年をとるのも、悪くない」2016年6月) -
生き様、死に様が格好いい!内田裕也さんに負けず劣らずロックな方だと思った。
なかなかまねするのは難しいけど、シンプルに自立して生きる姿は、真似したいと思うところがたくさん。
也哉子さんの葬儀のご挨拶は、涙が出てしまう。苦悩もたくさんあったと思うけど、やっぱり素敵なご家族。 -
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おはようございます。いいね!ありがとうございます。
不登校新聞という小さなメディアに寄稿していたのを思い出しました。
亡くなってからもう...おはようございます。いいね!ありがとうございます。
不登校新聞という小さなメディアに寄稿していたのを思い出しました。
亡くなってからもうそんなに経つんですね。
https://futoko.publishers.fm/article/9204/
https://toyokeizai.net/articles/-/2384382020/08/11 -
夜型さん、いつもありがとうございます。コメントと、情報提供もありがとうございました。全部読ませて頂きました。
特に癌を患われてからの希林さ...夜型さん、いつもありがとうございます。コメントと、情報提供もありがとうございました。全部読ませて頂きました。
特に癌を患われてからの希林さんは、生老病死の四苦を超越した感がありますね。そういう方の自然なコメントには力がありますね。
ご両親も素晴らしいなと感じました。2020/08/11
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内田裕也が何故この人を愛し
なのに何故いっしょに暮らせなかったか
よくわかる気がした
この人めちゃくちゃロックンロールだもん 笑 -
独特の感性を自身の言葉で。
地上にすぽーんといて、肩の力がすっと抜けて、存在そのものがはっと息を飲むような人間になりたい。
相当な境地だけど、なんかわかるなー
おごらず、他人と比べず、面白がって平気に生きればいい。楽しむんじゃなくて、面白がって、ってとこがポイント。
2020.9.18 -
個性的で好きな女優さんでした。
ガンが見つかってからの言葉の一つ一つが沁みますね。
・人生なんて自分の思い描いたとおりにならなくて当たり前
いつも「人生、上出来だわ」と思っていて、
物事がうまくいかないときは「自分が未熟だったのよ」
でおしまい。
・モノを持たない、買わないという生活は、いいですよ
暮らしがシンプルだと、気持ちもいつもせいせいとしていられます。
・幸せとは「常にあるもの」ではなくて「自分で見つけるもの」
何でもない日常や、とるに足らないように思える人生も、
おもしろがってみると、そこに幸せが見つけられるような
気がするんです。 -
どうやったら希林さんのように朗らかに生きれるのかな
どうやったら悲しいことを乗り越えられるのかな
「それは依存症というものよあなた 自分で考えてよ」
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自分を客観的に見る事が出来る人かつ自分の感覚を信じられる人だったから、芸能界で長く活躍出来たのかな。それは見習いたい部分もあったけど、振り回された家族・特に娘さんは辛い部分も多かったでしょうね。最後の也哉子さんの喪主の挨拶が感動的でした。