知的ヒントの見つけ方 (文春新書 1159)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (306ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166611591

作品紹介・あらすじ

毎日の生活の中には知的好奇心を刺激する素材があふれている。テロのニュースを聞き、その背後によこたわる歴史を考える。自然災害の報をうけて、火山国、地震国という日本の宿命を改めて問い直す。オリンピックをみながら、あの戦争を思い起こす。横綱誕生のニュースから、トランプ大統領の今後を想像する。バーの店主だった時代を回想し、いまのジャーナリズムに檄を飛ばす。そして、みずからの病から、人間の生と死へ思いをはせる。日々、接するニュースや、足を運んだ展覧会、取材であった科学者の言葉などから、思考の材料を取り出す。そんな「知の巨人」のあざやかな手腕が味わえるエッセイ集。〈目次〉第1章 生と死に学ぶ第2章 歴史と語らう第3章 科学を究める第4章 戦争から考える第5章 政治と対峙する●特別講義●・最先端技術と10年後の「日本」・ノーベル賞興国論

感想・レビュー・書評

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  • 2013-2017のエッセイを順不同でまとめたもの。
    近年の立花隆さんが思っている事が分かる。
    日本の最大のセキュリティー問題は、安保法制やサイバー攻撃による情報漏洩でなく自然災害にある。
    日本の政治状況は(与党も野党も)あまりにひどい。安倍首相の美辞麗句をならべた演説の裏側を見たらぞっとする。
    経済成長の時期(機会の窓)は、日米欧露は終わった。中国も2025まで。これからはブラジル、イラン、インド。特にイランに注目。
    日本は電子部品と各種素材が高品質で世界的に優位であり堅実な成長が見込める。かつて民主党が行った事業仕分けのような愚策で、日本の産業を支えている科学技術の予算を削ってはいけない。
    最終章の「特別講義 未来を描く‐最先端技術と10年後の日本‐ノーベル賞興国論」は、悲観社会になっている日本に希望の光を見せてくれる。

  •  時事問題を独自な視点で詳細な取材をもとにした深い論考だ。彼は知的好奇心が旺盛なのか、「もっともっと知りたいことが山のようにあった」し「読みたい本が山のようにあった」から不思議に思ったこととか、怪しいと思ったことなんかを徹底して調べ、考察をめぐらせている。この表題の「知的ヒントの見つけ方」なんかは上手く考えたものだ。読者に別の観点から思考をめぐらせ、新鮮な共感を与えている。

  • 「知の巨人」と言われる立花隆のエッセイ。

    世の中の動きを、立花さんがどんな風に眺めているのかをちょっぴり覗かせてもらっている楽しさを味わいながら読了しました。

    この人の興味関心の広さと深さは、やっぱりすごい。とにかく、幼少の頃から、活動している時間を一瞬たりとも無駄にしていない感じ。気になったことをきっちり論理的に掘り下げずにはいられない、考察しては検証することを繰り返してきた人なんだなぁと改めて感じました。

    上野周辺で育ったことで感じてきた戦争・戦後観、長年通い続ける恐竜展、日本にとって科学技術が果たす役割、世界史への造詣と結びつけて考察される現代の国際情勢、そしてなによりも、田中角栄研究(まだ読めてない!)で発揮された政治の闇への鋭い視線。

    日本は、こんなことでいいのか?そろそろ危ないんじゃないのか?と警鐘を鳴らしつつ、若い世代の中には希望の光が見える…とのエールも。司馬遼太郎もそうだったなぁ。

    何気なく書かれていた文だけれど…
    「文章力は基本的に自己を見つめる力に比例する。内省力といってもよい。」
    背筋が伸びました。

  • 再読中

  • ふむ

  • 読了 20211227

  • 晩年の立花さんらしい、味のある短編文章の数々。若い人たちへのメッセージもうれしい。

  • 日々のニュースや取材などを通して、立花隆さんが思ったこと、感じたことが綴られた本。

    本書は、月刊「文藝春秋」の巻頭随筆と特集記事をまとめたもの。

    医療や歴史、科学などのニュースや取材を入口に、現代日本が抱える問題の本質や社会のあり方などについて立花隆さんはどう考えているかが書かれています。

  • 立花隆氏の本はとっつきにくいものが多いのだが、これは比較的すんなりと読み流せる。

    文藝春秋の巻頭随筆等において記したものを、生と死、歴史、科学、戦争、政治の5つの括りにまとめたもの。氏の思考回路、筋道をどの様に展開していくかを肩肘張らずに理解する事ができる。

    毎度のことだが、氏に触発され本格的題材を扱う書籍がまた増えてしまった。

  • こちらも良書。素晴らしいです。
    何より情報が早いので、刊行されて数年経って読んでも全く古くない。
    立花隆は一つの窓です。
    私の評価⭐︎三つは、相当良い時につけます。

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著者プロフィール

評論家、ジャーナリスト、立教大学21世紀社会デザイン研究科特任教授

「2012年 『「こころ」とのつきあい方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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