小泉進次郎と福田達夫 (文春新書 1148)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (287ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166611485

作品紹介・あらすじ

「小泉家って親子の会話もワンフレーズなんですか?」(福田)「そりゃね、ワンフレーズじゃ済まないよね」(小泉) 自民党若手政治家の中でもっとも期待される2人、小泉進次郎氏と福田達夫氏の対談本が実現しました。総理だった父のこと、世襲政治家の家のこと、そして自分の夢のすべてを、初めて語り合った衝撃的な1冊です。 2人は2017年の農政(全農)改革で、自民党の農林部会長と部会長代理という立場で、初めてタッグを組み、大仕事を成し遂げました。その過程で、お互いを知り、認め合い、まるで昔からの親友のような関係になったのです。「うちの親父(小泉純一郎元首相)は、政治家になると友だちなんかできないと言ってた。それが政治の世界だと」(小泉)「確かに友だちはいなかったかもしれなかったけど、お父様には仲間がいた。うちの親父(福田康夫元首相)とか森喜朗首相は兄弟だった」(福田) 2人は驚くほど素直に意見をぶつけ合います。農政改革の現場では、敵陣に真っ先に攻め込んで暴れまわる騎兵隊長が小泉氏なら、そのあとを粛々と占領していく歩兵隊長が福田氏。個性は違うけれどもぴったりと息のあったコンビは、小泉純一郎総理―福田康夫官房長官時代を彷彿とさせます。 司会はテレビの政治解説でもおなじみの、時事通信特別解説委員の田﨑史郎さん。2人の本音をどんどん引き出していきます。 日本の未来を担う2人の本当の姿が見えてきます。

感想・レビュー・書評

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  • 2人が語る「お父さん」が面白い。
    農水省職員が語る「2人」も面白い。

  • ★対談形式で率直に語り合ってもらうならば、私が見過ごしていた部分にも光があたり、その人物がより鮮明に浮かび上がってくることを知った。(まえがき)

    ★政治を楽しいと言ってはいけないと思っている。政治は必ず陰で泣く人がいるから。(小泉)

    ★あくまで提案であり提言だ。自分はナンバーツーだ。さいごに判断するのはナンバーワンだ。(福田)

    (たまたま田﨑さんのスケジュールの都合で、「対談以外は受けられない」となり進んだ企画だったそうだが、結果的に、公人も人である、ことと、事実は小説より奇なり、がよくわかる書籍だった。
    各章の前にある田﨑さんのリードがあることで、対談がとてもわかりやすかった反面、文字通り終始、田﨑さんの印象にリードされた気がする)
    
    #小泉進次郎と福田達夫 読了
    #田﨑史郎

  • 父親がいずれも総理大臣経験者という、世襲議員の対談。口にはしないが、進次郎氏は首相を目標にしているのだろう。

  • 小泉進次郎と福田達夫両議員の対談と、一緒に働いた農水省中堅幹部との意見交換の内容をまとめたもの。将来を嘱望されている若手議員の小泉進次郎氏と福田達夫氏の性格や考え方、二世議員の苦悩がよく分かった。
    「(福田)首相秘書官時代はまじめにやりましたが、官房長官秘書官は、臨時のお手伝いのつもりでしたから、秘書官席にも座らなかった」p23
    「(福田)この国の行政の、組織的というより属人的能力に頼る部分の多さとか、いろんな課題が見えた」p24
    「(小泉)政治家は逃げられないんですよ。どれだけ怖いと思ったって、街に出たら、またああいうことが待っているのかなあ(名刺を破られる、足を踏まれる、ペットボトルを投げつけられる、唾を吐かれるなど)と思ったって、街に出るしかないんです」p34
    「(小泉)俺首相辞めるけど、どう思う?って言ったら、みんな嘘でも「まだできます」って言うんだよ。「あ、そうですか。辞めた方がいいですよ。ようやく決めましたか」なんて誰も言わない。だから自分で決めなきゃいけない。他人に聞いちゃいけないんだ。(一人じゃなきゃダメなんだよ。一人でいるときを大切にしろ(小泉純一郎))」p61
    「稲田政調会長に呼ばれて行ってみたら、いきなり「あなた、農林部会長ね」って言われて、「あ、ジョークですか」って言ったんですよ。そうしたら「何言ってんや、ジョークじゃないわよ」って言われて、「じゃ、なんで僕が農林部会長ですか」って言ったら、「それは一番大変だからよ。だからあなたよ」と。男は大変なポストについてもらいたいと口説くとき、嘘でも「これは君にピッタリだ。非常にやり甲斐がある。だから君しかいないんだ」と言いますよね。しかし、稲田さんは違ったね。「一番大変だからあなたよ」。これすごいなと思いましたね」p70
    「西川公也先生は「あの人は聞き分けがいいねって、言われることはダメなんだ」って言う。聞いてしまったら負けなんだ」p147
    「(小泉)一番国が支援しているのは何農家ですか。一番お金使っているのは何農家に対してですか。コメですよね。一番儲かっていないのは何ですか。コメですよね。一番高齢化が進んでいるの何だと思いますか。コメですよね。一方で、儲けているのは何ですか。果樹畑作ですよね。果樹って関税がゼロのものばかりですよね。コメの関税は700%超えですよ。それでも予算もこれだけ付けてるんですよ。それでも国に守ってくれって言ってきちゃうんですか」p197
    「(小泉)国会議員はたいてい、身を乗り出し、先を争うようにして長く話す。長く話せば、自分の考えがそれだけ視聴者に伝わると思っているようだ。それは、大きな間違いだ。視聴者はそんなに長く話を聞いてくれない。私は自分の発言が30~40秒以内に収まるように心がけている。できれば、10秒以内がいい。小泉純一郎の首相時代、印象に残った言葉の時間を計ったら10秒以内だった」p266
    「農林部会長になってからは基本午前8時から部会ですから、それに間に合う時間に起きます。夜は遅いですね。寝るのが午前2時、3時。4時になるときもある。部会長って部会が開くまでの仕事がすごいんですよ。政治の世界は会議の場が勝負ではなくて、会議までが勝負という部分があるじゃないですか。根回しをして、そのときまでに仕込んで、徹底した電話かけと同時に、自分もインプットを重ねなきゃいけない。すると、どこで自分が使える時間をひねり出すのか。シンプルに考えると、寝る時間をなくすことなんですね」p269
    「(小泉)(福田の欠点)早口だね。これは本人も自覚されてると思うし、今までいっぱいいろんな人から言われてるはずだけど、もったいない。あと難しい。言葉とかもね」p274

  • 20180105 エリート政治家の宣伝本なのかもと思ったがさすがにちがった。安倍批判も無く素直に対談で二人の人格を浮き出させている。あとがきにもあるように。何十年先にはあの頃はこうだったという資料になるのだと思う。菅さんが元気なうちに展開して欲しいが二人は改憲にはどうなのだろうか?できたら触れて欲しかった。

  • すごく面白かったです。

    セミナー講師を業とする私としては、小泉進次郎氏のトークは、学ぶところがたくさんあります。そのため、常に関心を持っています。

    今回はそれとは別に、政治の舞台裏が本音トークで展開される期待で読みました。農林中金改革について、新聞報道だけでは分からない経緯が取り上げられていて、興味深かったです。

    農林部会長には担ぎ上げられたかと思っていましたが、見事に改革を推進して、政治家としての血となり肉となった様子がよく分かります。物事をポジティブにとらえる大切さを読み取りました。

    TPP担当から、農林部会長へ。「国民の皆さんへ」のメッセージ。国民は言うまでもなく消費者ですが、消費者と立場が対立するはずの生産者の方々も、また別の場面では消費者です。

    私たちが生産者の生活を慮って、TPP11後の消費行動を自分の考えで見る目を持つことで、消費者も生産者もハッピーになるのではないでしょうか。

    「国民の皆さんへ」のメッセージの意図が、良く伝わってきます。そう思うと、福田氏のサポートは大変素晴らしかったのだろうと想像します。

    これからの日本を背負うお二人に、大いに期待したいです。

  • 図書館で借りた。世襲に関する3冊目。

    タイトル通りザ・世襲の2議員に対するインタビュー本。インタビュアーがあの田崎史郎氏というのも、いかにも「自民党のイメージアップを図る」意図が透ける。
    当時は農林改革を2人で実行していたらしい。

    既に5年前の本なのでタイムラグを感じるが、私の目的が「世襲を調べる」だったため問題なし。世襲議員であるメリットを垣間見ることができた。

    「この本どうなのかな?」に対するコメントを残しておくならば、「両名の人間像を知りたい」であれば非常にお勧め。
    だが、「両名が政治家として成し遂げたい事を知りたい」であればお勧めしません。なぜなら当時指名された(ある種、やらされていた)農林関係の仕事ぶりを語っていることはあっても、それこそ小泉純一郎氏の郵政民営化や、安倍晋三氏の憲法改正のような野望は書かれていないからです。

  • テレビの印象が強い田崎史郎さんの本をはじめて読んだ。

  • 政治家の苦労がよく分かる。政治に対する暗いニュースが続く中、捨てたもんじゃないと期待感を抱かせてくれる一冊。ハートの熱さに触れ、ファンにならずにはいられない。

  • 元首相を父に持つ政治家、小泉進次郎と福田達夫。2人は自民党農林部会に属し、タッグを組んでJAや全農などの巨大組織を相手に農政改革に携わる。そんな接点を持った2人が日本の将来、政治、農業、世襲、父のことなどを語り合う。

    本書の展開は予想通り、知名度では圧倒的な小泉進次郎の発言と彼へのヨイショ中心。しかし、限られた福田達夫の発言の中に農林部会のトップ小泉氏を支え、時には年上として諫言もする忠実な補佐役に殉じる意識が感じられる。同じ世襲政治家だが、あまり似ていない点で2人はいいコンビだ。将来の小泉首相、福田官房長というのも夢じゃない。

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