変節と愛国 外交官・牛場信彦の生涯 (文春新書 1141)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (287ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166611416

作品紹介・あらすじ

日本人は、牛場信彦という外交官を覚えているだろうか。 戦前は「枢軸派三羽ガラス」の一人として、日独伊三国同盟を強力に推進。日本を戦争に追いやった一人とされた。 戦後は一転して「親米派」となる、経済外交で実績をあげ、外務官僚のトップである事務次官、さらには外交官のトップである駐米大使にもなった。 それだけではない。国際経済に強いところを買われて、福田赳夫内閣の対外経済相にも就任している。 彼のことを「変節漢」と呼ぶ人もいる。 本当にそうなのだろうか。 戦後日本に君臨した吉田茂は、「枢軸派」を激しく憎み、古巣の外務省から徹底的に排除した。「Yパージ」である。 しかし吉田は、いったん辞職した牛場が外務省に復帰するのを妨げなかったばかりか、バックアップした節さえあるのだ。 吉田は牛場の中に何をみていたのだろうか。 昭和という激動の時代を、「気概」をもって駆け抜けた男の生涯から、「国を愛すること」の本当の意味が見えてくる。

感想・レビュー・書評

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  • 東2法経図・6F開架:289.1A/U93a//K

  • [三叉路の真中を行く]第二次世界大戦の戦前・戦中はドイツとの連携を説き,戦後は経済外交や対米外交に尽力した牛場信彦。毀誉褒貶に晒されながらも,一筋に国益を追求し続けた大物外交官の歩みをまとめた作品です。著者は,読売新聞東京本社編集局長などを歴任した浅海保。

    牛場氏の足跡をたどりながら,責任の取り方とは,国益とは等,シンプルながらも重要な問いについて思いを馳せてしまいました。昭和という時代を股にかけているため,近現代の日本外交の一側面を学習する上でも非常に有益です。

    〜「気概」の二文字。ここに牛場の思いのたけの全てが注ぎ込まれている。そう思えてならない。〜

    知らないことがたくさんあるなと痛感☆5つ

  • 【変節か、それとも愛国心のひとつの形か】戦前、三国同盟を推進した「枢軸派」外交官の急先鋒であった男が、戦後、「親米派」として事務次官に。彼は「変節漢」なのか……。

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