健康診断は受けてはいけない (文春新書 1117)

著者 :
  • 文藝春秋
3.62
  • (13)
  • (16)
  • (17)
  • (2)
  • (4)
本棚登録 : 181
感想 : 27
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166611171

作品紹介・あらすじ

健診はこんなに危険! 欧米に職場健診も人間ドックも存在しないのはなぜか? 日本の男性は職場健診で寿命を縮めている!? 日本人の多くは「健康」のため職場健診や人間ドックを受診していますが、欧米には存在しません。「より健康になる」とか「寿命をのばす」という効果を証明するデータがないからです。著者の近藤誠さん本人も、慶大病院で在職した40年間、執行部から強い圧力がありながらも、一度も受けませんでした。検診は有効というデータがないからです。にもかかわらず、日本では、医学的な根拠がないままに、1972年の「労働安全衛生法」で健診が義務化され、今日に至っているのです。日本の平均寿命は世界のトップクラスですが、奇妙なのは、男女間で平均寿命に6歳もの差があることです。女性よりも職場で健診機会の多い日本の男性は、まさに「健診で寿命を縮めている」可能性があるのです。 検診は危険がいっぱいです。そもそもCTや胃エックス線撮影には放射性被ばくによる発がんリスク、子宮がん検診には流産や不妊症のリスクがあります。異常値が見つかった後に行なわれる肺や前立腺の「生検」も極めて危険です。手術後に「がんではなかった、おめでとう」と平然と述べる医者もいます。 さらに危険なのは、「過剰な検診」が、過剰な薬の処方や手術など「過剰な治療」につながるからです。人間ドックには「早く見つけるほど、早く死にやすい」という逆説があります。実際、中村勘三郎さんや川島なお美さんは、人間ドックで「がんを早期発見され、早期に亡くなってしまった」のです。 「検査値より自分のからだを信じる」こそ、健康の秘訣です。健康な時に、健診など受けるものではありません。 本書は、さまざまなデータや論文に基づき、「健康診断が有害無益である」ことを徹底的に明らかにします。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • データが思惑によって私たちに考えさせないように示されてしまっている日本…何も考えずに健康診断受けてたけどこれを読んで無駄に医者にかからないは必要だと思った。

  • 健康診断すれば医療業界が潤う。コレステロール値、高血圧基準を下げれば、これまた医療、薬剤メーカーが潤う。
    上級国民のために政治は動くのだよ。
    簡潔に言えば、治療する程でもないがんを健康診断で見つけてしまったがために、体調を崩し、寿命を縮めてしまってる人がかなりいると。
    ちなみに、どのようなガンは治療すべきかは書いていない。


  • 自分は体調が悪くないので健康診断は受けないが、内容的に納得する説明には少し厳しいかな

    医療メーカーと薬メーカーが儲かる仕組みになってるのは まあそうだろうと思う

  • 都合の良いエビデンスしか出してないのでは?と疑ってしまうが、健康診断を受けて余計な治療や投薬により逆に寿命が縮むということもなくはないという視点を得られることは有益。

    健康診断や人間ドックの裏には色んな利権が絡んでいるのは多分そうなのだろうと思う。

  • よかった。

  • 医学界の異端児、近藤誠先生の2017年作品です。
    「患者よ、がんと闘うな」という衝撃の書を上梓して早や四半世紀。その後も日本の医療費はますます膨張し続け、国家財政をひっ迫させていますが、その裏では医療関係者や厚労省の役人などは自分の懐が潤うのでほくそ笑んでいる構図は変わっていないようです。
    2014年に慶応医学部講師(教授じゃない)を退任してから、もうしがらみのなくなった先生の鋭い舌鋒は冴えわたります。
    内容は、表題通りですが、健康なら医者に近づくなという、医者の発言とは思えないインパクトのあるものです。健康診断は百害あって一利なし、多くのがんは治すより、治さない方が長寿でいられるというデータやその他の病気も検査異状の数値が患者数を増やすために厚労省と専門家がテキトーに設定している点を暴露しています。さらに、こうした官製政策の広告塔となっている同僚を批判していますが、公の場での討論会の申し込みを彼らは逃げていることまでバラサレる始末。真正面から議論を戦わすことができない医学界の権威や重鎮たちをあざ笑います。
    さて、本書を読んで私の対処法は、検診は受ける、しかし異常値があってもほっておくということです。検査数値で一喜一憂するのではなく、今の体調がいいか悪いかは自分自身が一番わかっている(はず)という前提を貫けるかどうか。
    最後に、近藤先生は「トンデモ学説を流布させている」という批判も多い点を理解したうえで、自分の頭でその真贋を確かめてください。

    本書P:
    健診はこんなに危険! 欧米に職場健診も人間ドックも存在しないのはなぜか? 日本の男性は職場健診で寿命を縮めている!? 日本人の多くは「健康」のため職場健診や人間ドックを受診していますが、欧米には存在しません。「より健康になる」とか「寿命をのばす」という効果を証明するデータがないからです。著者の近藤誠さん本人も、慶大病院で在職した40年間、執行部から強い圧力がありながらも、一度も受けませんでした。検診は有効というデータがないからです。にもかかわらず、日本では、医学的な根拠がないままに、1972年の「労働安全衛生法」で健診が義務化され、今日に至っているのです。日本の平均寿命は世界のトップクラスですが、奇妙なのは、男女間で平均寿命に6歳もの差があることです。女性よりも職場で健診機会の多い日本の男性は、まさに「健診で寿命を縮めている」可能性があるのです。 検診は危険がいっぱいです。そもそもCTや胃エックス線撮影には放射性被ばくによる発がんリスク、子宮がん検診には流産や不妊症のリスクがあります。異常値が見つかった後に行なわれる肺や前立腺の「生検」も極めて危険です。手術後に「がんではなかった、おめでとう」と平然と述べる医者もいます。 さらに危険なのは、「過剰な検診」が、過剰な薬の処方や手術など「過剰な治療」につながるからです。人間ドックには「早く見つけるほど、早く死にやすい」という逆説があります。実際、中村勘三郎さんや川島なお美さんは、人間ドックで「がんを早期発見され、早期に亡くなってしまった」のです。 「検査値より自分のからだを信じる」こそ、健康の秘訣です。健康な時に、健診など受けるものではありません。 本書は、さまざまなデータや論文に基づき、「健康診断が有害無益である」ことを徹底的に明らかにします。

  • 人の身体は単一化できない複雑なもので、
    だから、検査値で健康不健康を判断するのは危険なのだと思う。

    自分の身体のことは自分自身が一番よくわかる。日頃からしっかりと自分のからだの声に耳を傾けて、そして何より日々を楽しんで生きていくことが大事だと改めて感じた。

    人生は、ただ長生きすればいいってものでもない。
    病は、自分のからだがバランスをとった結果だと思えば、なんでも簡単にとってしまえばいいという考え方は、少々乱暴で危険な気がする。

    人にこの本の考え方を押し付けようとは思わない。
    自分自身でまず試してみて、どうなるか見てみたい。

  • ビックリ‼️今年の健康診断辞めようかと考える。
    WHOも言っていること正しいと思ったが、新型コロナの発言の事も考えて、鵜呑みにするのは危険だと感じる。他にも図書を読み自分で判断出来るようにしないとね。

  • 12月初旬、職場の健康診断を受けた。毎年受診日の数週間前から何となく憂うつになり、結果を待つ間も落ち着かない。来たら来たらで開封するのにも覚悟が必要…。年々じわじわいくつかの項目が”基準値”ギリギリになっている。とにかくこの不安を払拭、元気づけるために読んでみた。結果、読んでよかった。なんかずっと重い気分だったのがスッと楽になった。著者のお名前はずいぶん前から知っていたけど(「なんか変わったこと言うお医者さんだなぁ」ぐらいの認識ですが)、今回初めて著書を読んで、その魅力、というか決して変わり者の先生でも珍説を唱える方ではないとよくわかった。自分は著者のように検診拒否はとてもできないけど、検診とうまく折り合いをつけるというか、“基準値”の裏にあるカラクリを知り、慌てず騒がず、自分の身体を知り、信じること、”病気”に対する心構え(老化現象と割り切るのも一つ、だとか)をしっかり持つことが大事だと思わされた。

  • 健康診断を受けたら長生きに繋がるというエビデンスはない。逆に、健康診断を受けて何らかの処置をした"医療介入群"は、何もしなかった"放置群"より死亡率が高かったというデータが出ているという。
    要するに、「結論から言うと、安全に長生きするためには、健康なときに検査を受けないこと、医者に近づかないことに尽きます。」(p194)という本。
    良かった、ずっと健康診断受けてなくて。おかげで健康そのもの。
    それにしても、がんの早期発見は、治療に役立たないどころか、逆に死期を早めるようで怖いな、と思った。

全27件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1948年、東京都生まれ。医師。「近藤誠がん研究所」所長。
73年、慶應義塾大学医学部卒業後、同医学部放射線科に入局、79~80年、アメリカへ留学。83年から、同放射線科講師を務める。96年に刊行した『患者よ、がんと闘うな』(文藝春秋)で抗がん剤の副作用問題を初めて指摘し、医療の常識を変える。2012年、第60回菊池寛賞を受賞。13年、東京・渋谷に「近藤誠がん研究所・セカンドオピニオン外来」を開設。14年、慶應義塾大学を定年退職。
ミリオンセラーとなった『医者に殺されない47の心得』(アスコム)ほか、『「健康不安」に殺されるな』『「副作用死」ゼロの真実』『コロナのウソとワクチンの真実』(和田秀樹氏との共著)『新型コロナとワクチンのひみつ』(以上ビジネス社)、『最新 やってはいけない! 健診事典』(講談社)、『医者が言わないこと』(毎日新聞出版)、『どうせ死ぬなら自宅がいい』(エクスナレッジ)など著書多数。
2022年8月13日逝去。

「2023年 『医者に殺されるなー僕が最後まで闘い続けた"医療不信"の正体」(仮)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

近藤誠の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×