今、明かされる「山一・長銀破綻」の真実 修羅場の経営責任 (文春新書 825)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (211ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166608256

作品紹介・あらすじ

山一證券の破綻では「社内調査委員会」に入り経営責任を追及し、長銀事件では経営陣を守り国策捜査と戦う。歴史的金融破綻に立ち会った危機管理弁護士が問う、真の経営責任とは。

感想・レビュー・書評

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  • お名前はよく拝見していたが、この手の仕事(山一証券、長銀の処理)を担ってきた方というのは初めて知りました。
    特に面白かったのは、山一証券の業務を手掛けていた際の日記の内容。関係者の感情、世の中の環境の変化が臨場感をともなって伝わってきました。愚直な著者の姿勢に感銘しました。

  • 八田先生の本に紹介されていたので、読んでみた。

    国広先生は内部統制に関するセミナーで講演聞いたことがある程度だけど、本質しっかり掴んでるなあと感じた覚えあり。

    で、この本読んで知ったけど、山一破綻のときに活躍された弁護士先生だったんですね。山一破綻については、日経ビジネス人文庫で読んだ、当事者として破綻劇を目の当たりにしていた石井茂(ソニーフィナンシャルホールディングス社長に)さんの本が面白い。

    当事者と外から関わった弁護士、ふたつの側面で読み比べるのも面白そうだけど、国広さんの本はどこかに書棚のどこかにしまってしまった。

    石井さんの本は、すぐに取れる場所にある。
    いまパラパラ読み返すと、意思決定の基準については、「自己都合という基準」だけがあったという一節が目についた。他人(上司は部下の、部下は上司の判断)に依存し、意思決定の基準は借り物。自分という判断軸がない。Ⅴ、Ⅵは読み応えがある。

  • まえがきの一文が、最も印象に残りました。

    最も大切なことは、不祥事という危機に正面から立ち向かう姿勢である。

  • ドラマのように面白い。

  • 山一と長銀の訴訟に関わった熱き国広弁護士の著書。
    「経営責任」と「法的責任」の違いに改めて気付かされた。

    <個人メモ>
    山一証券の破たん(自主廃業)の1997年11月当時は大学3年生・シューカツ直前のタイミングで、今にして思うと自分自身の職業観・キャリア形成に多大な影響があったと思われ。

  • タイトルはあまり内容に即しておらず、山一證券と長銀の破綻後の処理に関わった弁護士による回顧録といった趣き。そのあたりに興味がある人にとってはものすごく面白いけど、たぶんいろんなしがらみで書けなかったことも同じくらいたくさんあったのではないかと推察しています。少なくとも長銀では政治に絡む話とか根源にあったはずなのだけどそこには言及ないし、人間ドラマとして描くことに終始しているのかな。まぁそれはそれで面白いキャラが多いけど。

  • 著名な國廣先生が関わった山一粉飾の調査委員会での経験,そして,長銀事件弁護の苦闘を活写する大変面白い本です。記録文学としても,読み物としても,非常に興味深い。長銀事件での特捜型捜査,国策捜査に触れる部分は,自分が関与した特別背任事件の経験を思い起こさせて感慨無量です。

  • 山一の時は学生、長銀の時は社会人1年目だったので全然わけわかっていなかったのですが、両“事件”の内容と歴史上の位置づけ(?)を今更ながら初めて知りつつ、ドラマのような展開内容に、いっきに読み通してしまいました。

  • 山一証券の社内調査委員会の一員として、また長期信用銀行の弁護側としての記録。真の経営責任とは何か、冷静に筆者が考察する過程及びそれぞれの経営者の行動の記録を拝見するにつれ目頭が熱くなった。『企業は生き物であり、社会の進化や経済変動によって倒産などで退場を余儀なくされることは往々にしてある。これは経済活動の新陳代謝ともいえる生理現象である。しかし山一の死は経済活動に巻き込まれたことによるやむを得ない生理現象ではなかったー第1章山一証券破綻〜より』
    『主文 原判決及び第一審判決を破棄する。被告人はいずれも無罪。
    最高裁は不良債権に対して、母体責任に基づく実務慣行が存在してたことを認めたうえ、98年3月には税効果会計が導入されていなかったこと、新基準を適用したのは4行に過ぎないことをあげ98年3月期は過渡的な状況であり、税法上の処理は排除されておらず、したがって長銀の決算は公正な会計慣行に反する違法なものとはいえない。
    そして被告を有罪とした第一審判決と高裁判決について事実を誤認して法令の解釈適用を謝ったものであり、破棄しなければ著しく正義に反する。ー第2章長銀破綻〜より』

  • 4〜5

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