イチロー・インタヴューズ ((文春新書))

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166607495

作品紹介・あらすじ

シアトルでのデビュー戦、首位打者、リーグMVP、メジャー記録262安打、WBC連覇から、不調にあえぐ苦悩、弓子夫人の献身、日の丸に寄せる想いまで-。渡米が決定した2000年秋から2010年シーズン直前までの全100時間超のインタヴュー。イチローのすべてがここにある。

感想・レビュー・書評

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  • イチロー選手がメジャー移籍を決めた2000年から、第2回WBC優勝を決めた2009年までの10年間に著者が行った単独インタビューの記事のオムニバス。
    メジャー移籍1年目から首位打者、2004年にはシーズン最多安打記録、オールスターは常連とものすごい活躍を飾る一方、移籍先のマリナーズの成績低迷期にはイチロー選手の意識と緩んだチームの意識のギャップに悩んだり、自身のスランプに突き当たったり、そして王監督の下で優勝した第1回WBCでの活躍など、様々な局面でのイチロー氏の言葉が丁寧に描かれています。
    「自分のできることをとことんやった打率2割5分の選手なら、適当にやって3割5分だった選手よりプライドを持っていい」、「自分に与えられた最大の武器は4打席ノーヒットでも5打席目が回ってきてほしいと思える気持ちの強さ」、「試合前の”準備”というのは言い訳の材料となり得るものを排除するために考え得る全てのことをこなしてゆくこと」、「試合中に笑うというのはその時点で満足感を味わっているからであって、必ずスキができてしまう。試合中の笑顔が消えたのはそのスキに対する恐怖を知ったから」、「プレッシャーで動きがおかしくなって結果が出なくなる。ご飯を食べていても呼吸のリズムが合わなくなり、呼吸の仕方が分からなくなるほど追い込まれてしまう」、「弱いチームはチームのためにという言葉でごまかして個人の能力が発揮されていないことの言い訳にしている。個人が持っている力を発揮して、役割を果たした結果としてチームがある」、「結果を残してきた人ほど不安と戦ってきたはずで、恐怖心を持っていない人は本物じゃない。その怖さを打ち消したいがために練習をする」
    等々、選び出したらきりがないぐらい、示唆に富んだ言葉が満載です。普通の人にはまねできないほど自分に厳しい思考がある一方、ものすごいプレッシャーに晒されて苦しんでいた一面も描かれ、イチロー氏の人間味が良く出ている印象です。
    自己啓発本みたいに、これらの言葉だけを選び出してまとめてあるのではなく、様々な前後の文脈の中にこれらの発言が収められているので、より説得力が感じられます。

  • イチローインタビュー
    自分のできることをとことんやってきたという意識があるかどうか。適当にやった三割五分の選手よりも自分のできることをやってきた二割五分の選手の方がプライドを持って相手に立ち向かえる。新しい世界に挑戦する人に対して、通用するかどうかという考え方が間違ってる。
    たとえ四打席ノーヒットでも五打席目が回ってきてほしいと思える気持ちがある。
    ゲームに対する想いが強ければ、精神的なレベルが高いということになる。ガッツポーズをしたり、ヘルメットを投げつけたり、叫んだり、悔しがったり、そういう感情を表に出さない。
    周りはいい時と悪い時で反応がガラッと変わる。人の期待に応えることと、自分の持っているもの出すこととどちらが大事か。準備をし忘れて、失敗して後悔することを無くす。失敗の言い訳になる材料を排除していく。
    ヒットが出るから良い、出ないから悪いというのは間違ってる。打球の質にこだわっている。相手の守備やランナーに影響されて結果が決まる。
    自分だけが違うと思うのは危険、慎重になることで防げることがある。一方でこれはこうという決めつけで頑なになっていることには抗った方が良い。昔と今では製品の品質が向上していることから。
    選手として同情されることが一番悔しい。それなら非難された方がよっぽどまし。
    目の前で起こっていることが100%、起こるべくして起こっていることだから受け入れなきゃいけない。
    次に起こる怖さを知ったら、いちいち満足感に浸っていられない。自分がうまくいっていない時に強がらずにそれを認められるか。それご自分が見えているかどうかの分岐点。
    うそをつかない。相手にこう思って欲しいがためだけに安易に言葉を発しない。
    3割切って満足するようになったら確実に野球をやめる。
    苦しいときほどチームのためにというのは間違っている。それまで以上に個人が自分の役割を果たすことに徹するべき。
    WBCで韓国に二度目の敗戦を喫した後、派手な腕時計を買った。なにかを呼び込むかもしれないと思って。いじいじしているよりも思い切り遊んだ方が運を呼び込むのではないか。
    自分よりチームのためにやっているというトップクラスの選手はいない。チームのためには言い訳につながる。自分のためにやる人間は自分に一番厳しい。
    意識して達成できたことと、意識しないで達成できたことは全然違う。前者を目指す。
    やれることは全てやった。手を抜いたことは一度もない。常にやれることをやろうとし、準備ができた自分がいたことを誇りに思う。

  • 難しい部分やなるほどと言う部分あり。
    実は非常に人間くさいところがたまらなく魅力的ですな。

  • 全盛期か引退後なら突き刺さる言葉はあるように思うけど2018年はちょっとそういう時期じゃないかな。

  • さすがイチローという感じだった。小さいころに好きなことを見つけて、それをずっと好きでい続け、努力を続けることができた才能・運命がすばらしい。

  • イチローの10年分のインタビュー集。読んでいるとマリナーズ時代のTV中継の景色を思い出す。フォームやスタイルが変わっても、野球に取り組むための軸は不変なんだなあと感じる。ちょっと寄せ集め感が強いかも。

  • この野球界に限らず、どの世界でもそうだと思いますけど、自分のできることをとことんやってきたという意識があるか、ないか。

  • イチロー♡

  • 天才と言われるイチローだけど、どんな人もやっぱり悩みながら前に進んでいるんだなぁ。成長、進化していく前向きというか、自然にそう思えていること、感覚はやはり天才なんだと思う。そして努力。尊敬する。

  • イチローに関して色々本が出ていると思いますが、この本はどうなのでしょうか?
    タイトルの通り、著者のインタヴューを基に丁寧に書かれた本ですが、多少なりともイチローに興味がある人にとっては、読みごたえのある本だと思います。
    一方、格言的な求めている方にとってはやや物足りなさがあるのかもしれません。

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