日本のいちばん長い夏 (文春新書 594)

制作 : 半藤 一利 
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (181ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166605941

作品紹介・あらすじ

玉音放送は軍・将兵への「御言葉」だった!?日本人は終戦をどう受けとめたか。政治や軍部の中枢から前線の将兵や銃後の人々まで、30の視点が語る忘れてはいけないあの戦争。貴重な証言で埋め尽された「後世への贈り物」。当事者30人が昭和38年夏に一堂に会した、前代未聞の「座談昭和史」。司会は半藤一利(当時、33歳)。

感想・レビュー・書評

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  • 終戦当時を経験した31人による座談会。軍の幹部、官僚、外交官、「ひめゆり部隊」ならぬ「白梅部隊」の従軍看護婦、もちろん最前線の兵士。こんな人たちをよくもまあ集めることができたものだ、という驚き。そして彼らの語る内容への驚き。学徒出陣ときけば、雨の壮行式がまず思い浮かぶ私にとって、実際に学徒出陣した人の「南の島に学童疎開した感じしかありませんでしたね。」なんて言葉には本当にびっくり。修羅場を経験した人たちも皆なぜか飄々としていて、とてつもない経験をするとこうなるのだろうか。後半の「四十四年後の解説」も良い。

  •  この時期には、できるだけ「戦争」を扱った本を読んでみようと思っています。
     本書は、戦後18年を経て様々な戦争関係者が一堂に会して開催された座談会の様子を記した著作です。
     8月15日を挟んだ終戦前後、様々な立場、様々な場所で同じ時を迎えた30人の人々の証言は、心に留め置くべき真実の吐露でした。
     それは、読む人の心に、改めて戦争の悲惨さや理不尽さを刻み直すものもあれば、戦争に至らしめた人の無責任さへの怒りや虚しさを思わせるものもありました。

  • 半藤一利が開催した、太平洋戦争末期(1945/7〜8)の各種関係者を集めて、座談会したときの記録。歴史書からは読み取れない、当時の現場の方々の感覚・空気を把握できてとてもよかった。

  • 映画「日本のいちばん長い日」から入って、この対談集の存在を知り辿り着いた。
    こんなに豪華な座談会は二度とないのでは?と思う豪華さ。
    あの日前後に立場も人種も性別も異なる人々の話から見えてくる当時のリアル。
    そして、私たちは現役であの戦争を体験した人達から直接話が聞けるきっと最後の年代であることに改めて気付き、このままで良いのかという思いが駆け巡る。
    日本の中ではこの戦争はとうの昔に決着が付き、そこから脱却して新たしい世界を生きているけど、世界に目を向ければまだまだ戦争は絶えない。
    それどころか、あろうことか核をチラつかせて堂々と暴力でねじ伏せ様とする国がある。
    過去を知り、学び、生かす。どうしてこうもうまくいかないのか。この手の作品を読み終えるとしばらく重い気持ちになる。

    多くの逸話の中でも英国軍人のコンビーフの話に意表を突かれて笑ってしまった。
    いや、笑ってしまうのは失礼なのだけど。

  • 1963(昭和38)年、日本の終戦の夏を語り合った座談会「日本のいちばん長い日」に戦争の関係者30人が参加しました。司会を務めたのは当時33歳の半藤さん、この座談会の副産物として映画にもなった『日本のいちばん長い日』は生み出されました。メンバーは、軍部や政治の中枢にいた人、外地で戦争に携わっていた人、獄中にいた人、沖縄戦に動員された人と様々。それぞれの立場での体験は、当時としても互いが知りえない情報として貴重な証言でした。

  • 日本人にとっては大事な過去の戦争のこと、大学までいっても、ホント基本的なことを知らなかったんだなあと痛感させられる本でした。

  • 中々よい。特にどの立場で戦争に参加するかで相当イメージに乖離があるな

  • 1963年に誌上で行われた、元軍人・元文官・元閣僚ら30人を揃えての大座談会を書籍化したもの。簡潔にあらわせば、ただ一言「凄い本」。2014年現在でも、戦争体験を持つ世代は多く存命してはいるが、しかし軍人として戦闘に参加した人あるいは政治面からあの戦争にコミットした「戦争の当事者」の声は、今となってはほとんど見聞きすることが不可能となっている。そんな「当事者の声」が、しっかり後世の人間が目にできる形で残っていることは実に価値あることだ(そのうえ新書だから値段も安い!)。

  • 参加者の紹介を中心に読む。よくこの絵画開催できたと思う。

  • 2015.08.02

    昭和20年8月15日正午までの24時間
    天皇、総理、陸相、侍従、放送局員、青年将校、新聞記者、様々な立場の様々な想い

    日本人必読

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