- Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
- / ISBN・EAN: 9784166604166
作品紹介・あらすじ
アメリカ産牛肉輸入再開に向け政府は全頭検査を緩和する方向にあるが、著者の見解は時期尚早。狂牛病は原因も対策もまだ何も分かっていないからである。本書は警告を込めて現状を解説しつつ、一歩踏み込んで問題を考察する。病原体はどうやって牛からヒトへと種の壁を越えたのか。そもそもヒトはなぜタンパク質を食べ続けなければならないのか。その問いは、生きているとはどういうことか、という問いにも繋がっていく。食と生命をめぐる出色の論考。
感想・レビュー・書評
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プリオン病説への異論から、遺伝子組換え食品や臓器移植まで、、、、ちょっと論理の飛躍を感じるけれど、、、、動的平衡はこのときからでています。
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執拗で、シンプル。わかりやすく書こうとする努力はいい。しかし、繰り返しなんだよな。残念ながら。
https://www.freeml.com/bl/12798349/1071615/ -
幾冊目かの福岡著作だが、繰り返し本作も動的平衡による事象の思索分析となる。エントロピーとエネルギー保存の法則により、地球などマクロな視野も含めた意味での生命を構成する動的平衡に対して人為による、愚かな意図をもって行った結果の不均衡がもたらす報復として狂牛病は発現したとする。これはさらに例えば男女間における人間関係のストレスのやり取り、労働における生産効率にも十分に転嫁しうる論説だと感ずる。
福岡著作はどれも結局同じアフォリズムに落ち着くのだが、数年ごとにこの思考法と警句を再確認できることは大変に有意義であるといえる。ありがたや。 -
題名と内容がかなり違うような気がするが
それにしても おなじ 意味 になっている
不思議な本である。
題名に残念さがあるが、内容的には確実にはばたいている。
福岡伸一の『動的平衡』と言うものを
テーマとして、BSE 狂牛病 を考察する。
題材の 選び方や切り口が 優れている。
問題意識が シャープである。
生物が生命を維持することのダイナミズムさについては、
目を見張るばかりだ。そのことを、とくとくと解く。
種を超える と言うことは、すごいことだ。
羊 牛 ニンゲン。
それを こえていく 『なにか』
そして プリオンと名前をきめたものが 勝った。
プルシナーは、コピーライターの才能があった。
しかし、どうやって 脳の中に 侵入するのか
そのメカニズムが よくわからない。
また 抽出し分離したプリオンが 病原性を発揮しないのが
おおきな 問題で まだ 謎は残されている。
この本が 書かれたあとに どう発展したのか?
それを知りたいな と思った。
よくわからないものに どう対応するのか?
そのむつかしさが 伝わる。 -
書名の印象は薄い
動的平衡の話
人間の(体の)細胞は入れかわっている
脳細胞についても言えるようだ
記憶はどのように保持されるのだろう
臓器移植とgmoは体にとって大きなリスクとなることである
プリオン説のいい加減さの説明
地産地消について考える -
狂牛病をテーマに,食というものの人類にとっての役割を掘り下げる.僕は,最も金を掛けるべきは教育と食だという信念を持っているので,全く違和感なく納得できる.大変面白い.
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(2013.07.13読了)(2013.06.28購入)
【目次】
はじめに-狂牛病が問いかけたもの
第一章 狂牛病はなぜ広がったか―種の壁を越えさせた〝人為〟
第二章 私たちはなぜ食べ続けるのか―「動的平衡」とシェーンハイマー
第三章 消化するとき何が起こっているのか―臓器移植、遺伝子組み換えを危ぶむ理由
第四章 狂牛病はいかにして消化機構をすり抜けたか―異物に開かれた「脆弱性の窓」
第五章 動的平衡論から導かれること―記憶は実在するのだろうか
第六章 狂牛病病原体の正体は何か―未知のウイルスか、プリオンタンパク質か
第七章 日本における狂牛病―全頭検査緩和を批判する
おわりに-平衡の回復
主な参考文献
☆福岡伸一さんの本(既読)
「生物と無生物のあいだ」福岡伸一著、講談社現代新書、2007.05.20
「できそこないの男たち」福岡伸一著、光文社新書、2008.10.20
「動的平衡-生命はなぜそこに宿るのか-」福岡伸一著、木楽舎、2009.02.25
「世界は分けてもわからない」福岡伸一著、講談社現代新書、2009.07.20
「ルリボシカミキリの青」福岡伸一著、文藝春秋、2010.04.25
「フェルメール光の王国」福岡伸一著、木楽舎、2011.08.01
(「BOOK」データベースより)amazon
アメリカ産牛肉輸入再開に向け政府は全頭検査を緩和する方向にあるが、著者の見解は時期尚早。狂牛病は原因も対策もまだ何も分かっていないからである。本書は警告を込めて現状を解説しつつ、一歩踏み込んで問題を考察する。病原体はどうやって牛からヒトへと種の壁を越えたのか。そもそもヒトはなぜタンパク質を食べ続けなければならないのか。その問いは、生きているとはどういうことか、という問いにも繋がっていく。食と生命をめぐる出色の論考。 -
プリオン説は本当かや生物と無生物のあいだを読んでしまっているからか既読感が拭えなかった。先にこちらを読むべきであったが、逆でも同じことを思うだろう。