機械仕掛けの太陽

著者 :
  • 文藝春秋
3.87
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本棚登録 : 1942
感想 : 203
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  • Amazon.co.jp ・本 (472ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163916088

作品紹介・あらすじ

現役医師として新型コロナを目の当たりにしてきた人気作家が満を持して描く、コロナ禍の医療現場のリアル。

2020年初頭、マスクをして生活することを誰も想像できなかった――
これは未知のウイルスとの戦いに巻き込まれ、〝戦場〟に身を投じた3人の物語。

大学病院の勤務医で、呼吸器内科を専門とする椎名梓。彼女はシングルマザーとして、幼児を育てながら、高齢の母と同居していた。コロナ病棟の担当者として、最前線に立つことになる。

同じ病院の救急部に勤務する20代の女性看護師・硲瑠璃子は、結婚目前の彼氏と同棲中。独身であるがゆえに、コロナ病棟での勤務を命じられる。

そして、70代の開業医・長峰邦昭。町医者として、地元に密着した医療を提供し、息子にはそろそろ引退を考えるように勧められている。しかし、コロナ禍で思い掛けず、高齢で持病もある自身の感染を恐れながらも、現場に立つことを決意する。

あのとき医療の現場では何が起こっていたのか? 3人はそれぞれの立場に苦悩しながら、どのようにコロナ禍を生き抜くのか。

全人類が経験したあの未曾有の災厄の果てに見いだされる希望とは。自らも現役医師として現場に立ち続けたからこそ描き出せた感動の人間ドラマ。

感想・レビュー・書評

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  • この作品は医療に携わる側の人々から新型コロナウイルスとの戦いの事実を忠実に描いた限りなく事実に近いフィクションだと思います。

    私もニュースでよく見聞きしたコロナについて、知っている(体験した)嫌なことばかりで、なかなか来ない収束に、もうコロナはたくさん、嫌だと思い、途中何度も読むのを投げ出したくなりました。

    でもコロナのことを(今はそんな人は少ないとは思いますが)ただの風邪だとか、ワクチンは打たない方がよいとか思っているような人には是非読んで、実態を理解してもらいたい内容です。

    2019年の秋から2022年6月までの3人の医療従事者が主人公の物語です。


    一人目は4歳の子どもを育てているシングルマザーで医師の椎名梓36歳。
    二人目は、恋人と同棲中の看護師の硲(はざま)瑠璃子28歳。
    三人目は開業医の長峰邦昭72歳。

    梓と瑠璃子は同じ病院で働いていて、長峰も診察しきれなかった患者を梓の病院で診てもらったことがあります。

    梓の勤める病院で院内クラスターが起きたとき、女性レポーターの「気の緩みがあったと思いませんか?」という心無い質問に答える瑠璃子が圧巻でした。
    「外食も旅行も、同居家族以外と会うことも禁じられ、それを愚直に守ってきた。顔に痕が付いて消えないくらいずっとマスクをつけていたし、手のひらがざらざらになるまで、アルコール消毒をくり返した。面会ができなくて怒鳴る家族に事情を説明しながら頭を下げ続けた。防護服を着てコロナが蔓延する病棟で肺炎で苦しんでいる患者を必死に看護し続け、そして…看取りつづけた。そんな二年間で疲弊しきったのをあなたたちは『気の緩み』って言うわけ?!医療従事者はこの二年間感染リスクが極めて高い状況でずっと患者さんたちのために頑張ってきた。なのに、差別を受けたり、感染したら、今日みたいに犯罪者みたいな扱いで、メディアに取り上げられる。それっておかしくないですか?私たちのこの二年間、何のために文字通り命がけで頑張ってきたんですか?」
    病院内でのその時のやり取りは真実の人と人との絆を感じましたが、緊急事態でないと人間の真実のよさを感じられないというのはおかしなことではないかと思います。


    医療従事者の皆さんには多大なる感謝を捧げたいと思いました。

    • まことさん
      bmakiさん♪

      知念さんのTwitterフォローしたのはすごくよかったです。
      ありがとうございます!
      コロナに対する新しい情報が...
      bmakiさん♪

      知念さんのTwitterフォローしたのはすごくよかったです。
      ありがとうございます!
      コロナに対する新しい情報がいっぱいで、すごく為になります。
      知念さんの作品では、私が読んだ中では『崩れる脳を抱きしめて』『傷痕のメッセージ』などが特に面白かったです。

      そうですね、コロナもう3年もたっているのになくならない。
      患者数も増えていますよね。
      はやく、どこかになくなって欲しいですよね。
      それには知念さんのような専門家のTwitterを見たりして、言われたことを遵守するのがいいような気がします。
      2022/11/15
    • bmakiさん
      まことさん、何度もすみせん。

      一つ前のコメントで、一箇所凄い間違いをしていました。
      iPhoneめ( *`ω´)


      〉そんな...
      まことさん、何度もすみせん。

      一つ前のコメントで、一箇所凄い間違いをしていました。
      iPhoneめ( *`ω´)


      〉そんな知念さんに喧嘩を売る反ワクチンの人も少ないようです。


      少なくないようです
      の間違いでした。

      毅然と対応されてて、凄いなって思いました。


      知念さんの本の紹介ありがとうございました。早速手に入れねば(*^▽^*)
      色々読んでみたいです!

      いつもありがとうございます。
      2022/11/15
    • まことさん
      bmakiさん♪

      ご丁寧にありがとうございます。
      知念さんのTwitterは、私も凄い、本気で、戦っていらっしゃるのがわかります。

      知念...
      bmakiさん♪

      ご丁寧にありがとうございます。
      知念さんのTwitterは、私も凄い、本気で、戦っていらっしゃるのがわかります。

      知念さんの、ご著書では、今度、文庫化された「十字架のカルテ」を私は読んでみようと思っています(*^^*)。
      2022/11/15
  • 最近、4回目のコロナワクチン接種をした。
    ファイザー、ファイザー、モデルナと来て、ファイザーのBA5対応のものを打った。
    副反応はモデルナよりはマシだったけど、しっかりと発熱と悪寒が押し寄せてきました。

    コロナが重症化するよりは、副反応の方が全然マシなんだから…と自分に言い聞かせつつ、もう少し体にやさしいワクチンへの改良を心から望む。
    どうせ、しばらくは定期的に打たなくてはならないのだろうから。


    さて、この小説のタイトル「機械仕掛けの太陽」とは、ずばりコロナウイルスのこと。現役医師でありミステリー作家である知念実希人さんの新作で、2019秋からこの6月までのコロナ最前線の医師や看護師の奮闘記だ。
    フィクションなのだが、起こった出来事が忠実に記されており、現場感も半端なく、極めてリアルな内容だ。

    読むと、コロナ禍のいろいろなことを思い出して、ちょっと泣きそうになる。みんないろいろ頑張ったよ!
    そして、医療従事者への感謝と強いリスペクトを抱かずにはいられない。
    改めて、心からありがとうと申し上げたい。

    同時に、この小説に書いてあるようなことが実際に起こっているとすれば、アンチワクチン勢への強い憤りを禁じ得ない。
    自分が打たないのはいい。ワクチン接種に疑念を持つ気持ちもわからなくはないから。
    しかし、接種する医師の善意やワクチンを打ちたい人たちの邪魔をしないでほしい。ほんと頼むよ。

    • たけさん
      まことさん、おはようございます!

      いや、奇遇ですね。
      ただ、この本読むタイミングとしては今がベストな気がします。
      また、第8波がくると状況...
      まことさん、おはようございます!

      いや、奇遇ですね。
      ただ、この本読むタイミングとしては今がベストな気がします。
      また、第8波がくると状況は大きく変わってくるのでしょうから。

      ワクチンの副作用はもう大丈夫です。元気ですよ。

      医療従事者の方へは、ほんとに大きな感謝です!
      2022/11/13
    • アールグレイさん
      たけさん(^_^)/こんにちは

      私も最近4回目を打ちました。ずっとモデルナです。1、副反応なし、2、副反応オンパレード!、3、倦怠感のみ、...
      たけさん(^_^)/こんにちは

      私も最近4回目を打ちました。ずっとモデルナです。1、副反応なし、2、副反応オンパレード!、3、倦怠感のみ、4、熱なし倦怠感頭痛、腕は今までで1番痛みが酷く、布団から起き上がるのが大変でした。
      以上(アハハ)
      この本、題名を見て気になりました。
      ・・・・知念さんは苦手なのです。医療ものは。
      TVドラマは平気。本は頭の中で場面を考えますよね。それ・・・きっと。知念さんの本に医療ものてはない本をご存知ですか?
      長々と失礼m(__)m
      2022/11/13
    • たけさん
      アールグレイさん、こんにちは!
      副反応の出方はほんと人それぞれですねー。
      あ、でも共通項。今回は僕も腕の痛みが今までで最も辛かったです。布団...
      アールグレイさん、こんにちは!
      副反応の出方はほんと人それぞれですねー。
      あ、でも共通項。今回は僕も腕の痛みが今までで最も辛かったです。布団から起き上がるの大変ですよねー

      医療ものは言葉が難しい場面がありますよね。
      ぼーっと読んでると置いていかれる時がある笑

      知念さんの小説、僕もあまり読んでいないですが、「硝子の塔の殺人」は医療ものではなかったと思います。
      2022/11/13
  • 10/24(月)2:55読了。

    仕事なんです、わかってるんです、でも止められなかった。

    ☆5つじゃ足りません。

    withコロナ、もはやこれが日常と化した感もありますが、人類を襲った新型コロナ。

    改めて医療従事者の方々に心からの「ありがとうございます」を伝えたい。

    本作の中での主人公は呼吸器内科を専門とする椎名梓、20代の女性看護師・硲瑠璃子、70代の開業医・長峰邦昭の3人。

    人類が経験したことのない未知のウィルスとの戦い、その最前線である医療現場で何が起こっているのか、私も含め多くの人々が知るべき姿が描かれています。

    医師法第一条 医師は、医療及び保健指導を掌ることによつて公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保するものとする。

    医療行為を行えるのは医師のみ=国民の健康な生活を確保するものとする。

    つまり、医師は国民の健康な生活を確保する義務をおうということ。

    だから最前線で最も感染リスクの高い現場で医療行為をしているのか?

    いや、確かに義務感もあるのかもしれませんが、根底には純粋に大切な人を守りたいという想いがある。

    家族、恋人、友人、知人のみならず、全ての患者を救いたいという想い。

    「あなたが感染したとしても私たちは全力で治療をする」この言葉が全てを物語っていますよね。

    現役の医師である知念先生だからこそ描けた作品。

    本作にはミステリーの要素はこれっぽっちもありません。

    私の横浜転勤(2022.1)と時を同じくして騒がれ始めた新型コロナとの2年と10ヶ月の戦いの歴史。

    ダイヤモンドプリンセス号、志村けんさんの訃報、緊急事態宣言や蔓延防止、ワクチン接種...

    マスクに三密回避、アルコール消毒が当たり前となった日本においても未だウイルスとの戦いは続いています。

    最前線で患者の命を救う為に戦う医療従事者の苦悩は想像だにしなかった程に厳しいという現実を本書を通じて知る事ができ、第七波が落ち着き、コロナ疲れもあり少し気の緩みも出ている今、改めて感染予防の徹底を図ることの大切さを再認識させられました。

    もう一度、医療従事者の皆様、ありがとうございます。

    そして、本書を書いてくれた知念先生にもありがとうございます。


    説明
    現役医師として新型コロナを目の当たりにしてきた人気作家が満を持して描く、コロナ禍の医療現場のリアル。

    2020年初頭、マスクをして生活することを誰も想像できなかった――
    これは未知のウイルスとの戦いに巻き込まれ、〝戦場〟に身を投じた3人の物語。

    大学病院の勤務医で、呼吸器内科を専門とする椎名梓。彼女はシングルマザーとして、幼児を育てながら、高齢の母と同居していた。コロナ病棟の担当者として、最前線に立つことになる。

    同じ病院の救急部に勤務する20代の女性看護師・硲瑠璃子は、結婚目前の彼氏と同棲中。独身であるがゆえに、コロナ病棟での勤務を命じられる。

    そして、70代の開業医・長峰邦昭。町医者として、地元に密着した医療を提供し、息子にはそろそろ引退を考えるように勧められている。しかし、コロナ禍で思い掛けず、高齢で持病もある自身の感染を恐れながらも、現場に立つことを決意する。

    あのとき医療の現場では何が起こっていたのか? 3人はそれぞれの立場に苦悩しながら、どのようにコロナ禍を生き抜くのか。

    全人類が経験したあの未曾有の災厄の果てに見いだされる希望とは。自らも現役医師として現場に立ち続けたからこそ描き出せた感動の人間ドラマ。

    • 結月さん
      ヒボさん、はじめまして。
      こちらの本、気になっていたのですが、ヒボさんの感想を拝読して、改めて、やはり買って読もうという気持ちになりました。...
      ヒボさん、はじめまして。
      こちらの本、気になっていたのですが、ヒボさんの感想を拝読して、改めて、やはり買って読もうという気持ちになりました。
      知念先生がこの本の印税の一部を日本赤十字社に寄付されるということもあり、それならば尚更と発売日までチェックして心待ちにしていたのですが、ふと、読むことで自分がどんな気持ちになるのか想像できず、二の足を踏んでいたところです。
      ニュースなどで知る医療現場の実情から、目を背けたい気持ちがあったのかもしれません。なんの力にもなれませんから…。

      ですが、やはり現役医師である方が書いた、このコロナ禍での病院をテーマにした小説。ヒボさんの書かれる丁寧で率直な感想に、この本を手にする気持ちが強まりました。読むべきだな、と改めて思いました。

      初めてですのに長文を押し付けてしまい、すみません。
      2022/11/12
    • ヒボさん
      結月さん、はじめまして。
      フォローに加え、コメントまでありがとうございます(^^)
      なんだか恥ずかしいです(〃ω〃)
      知念先生の作品大好きな...
      結月さん、はじめまして。
      フォローに加え、コメントまでありがとうございます(^^)
      なんだか恥ずかしいです(〃ω〃)
      知念先生の作品大好きなのですが、今まで読んだミステリーとは違い、読者にコロナ禍のリアルを伝える為に書かれたとしか思えない作品でした。
      実は、昨夜22:45に集団接種会場にてワクチン接種を行なってきたのですが、打って頂いた看護師さんと少しだけお話をさせて頂きました。
      私が「遅くまで対応頂けるので助かります」とお伝えしたところ、「朝からだと時間が長いので大変です」と仰っていました。
      本当に頭が下がります。
      個人的にはすごくすごくオススメの一冊です。
      是非お手にとってみてください。
      2022/11/12
  • あ、4回目うたなきゃなと思いました

    これがそうなんかな?
    面白い!面白かったんだけど…これを小説にする意味ですよね
    ワクチン啓蒙活動!って言い切れれば分かりやすいんですが、それだけでもないっぽいし

    もちろん感謝はあります
    今も戦い続けてる医療従事者のみなさん
    本当に感謝です
    命を削ってみんなの生活を守っている方たちに感謝を!ってことも含まれてるんだろうけど

    これらをダイレクトに小説にすることって必要なことだったのかな?って思っちゃったんですよね
    知念実希人さんの主観が相当入ってそうだし、小説だから入っていていいんだけど
    なんか凄く狭いところに誘導されてないかな?って思っちゃったんよ

    感謝の気持ちはあるけど、なんか小説きっかけで感謝の気持ちが芽生えました!みたいなんを拒絶してる自分がいるんですよね
    これ読まなくても感謝してたし!みたいなね

    うーん自分が狭量なんかなぁ…

    あ!でも後回しにしてた4回目をうたなきゃって思ったってことはこの物語に良い影響を受けた
    あるいは実はこの物語に救われてたってことになるのかも

    • みんみんさん
      わたしも打ったけど…
      コロナ渦中の話しはあまり好きじゃない
      なんでかわからんけど(*_*)
      わたしも打ったけど…
      コロナ渦中の話しはあまり好きじゃない
      なんでかわからんけど(*_*)
      2022/12/11
    • ひまわりめろんさん
      わしもどうやらコロナ渦中の話は好きでないっぽいね

      で、改めて考えてみたんだけど
      たぶん生々しいんよ
      とくに本作のようにドキュメントっぽい構...
      わしもどうやらコロナ渦中の話は好きでないっぽいね

      で、改めて考えてみたんだけど
      たぶん生々しいんよ
      とくに本作のようにドキュメントっぽい構成だと自分もその中にいるような気がして嫌なんよね

      自分が小説に求めてるのはリアリティじゃなくて「おとぎの国」なんよね
      2022/12/11
    • みんみんさん
      うん!そうなのよ!
      ありそうだなぁくらいで夢をみたい( ´ ▽ ` )
      うん!そうなのよ!
      ありそうだなぁくらいで夢をみたい( ´ ▽ ` )
      2022/12/11
  • あっという間に読み終わりました


    この3年のコロナ禍の様子が
    とてもわかりやすく描かれていたと思います


    コロナ禍の中、過ごしていた日々を
    改めて思い返すことができました。


    自分でニュースやネットで見ただけでは
    よくわからなかった政府の対応の成果や
    医療現場の実情を知ることができました。

    医療現場は想像を絶する闘いが
    巻き起こっていたのだと知りました
    読んでよかったです


    日頃SNSでデマと闘っている
    知念さんの熱量を感じました



    私自身コロナに対して
    気が緩んでいたところなので
    この本を読んで、
    気が引き締まりました



    余談ですが
    読んでいる間ちょうど入院中で
    リアルさが増していました


    そして医療従事者のみなさんへ

    感謝してもしきれません。
    本当にありがとうございます

  • 2022年10月発売の現役医師によるコロナが題材の小説。作家さんが作家さんだけにミステリーを期待して読み始めたのですが、その期待は大きく裏切られることになりました。しかし、事実に即して医療現場の模様が鮮明に描かれるリアルさに引き込まれ、結果的には読んで良かったと思える作品でした。

    読み終えたときには、コロナがもたらした現実に衝撃を受けるのと同時に、それを軽んじ慣れすら覚えていた自分への反省と収束に向けて奮闘する全ての人への大きな感謝を思いました。

    この本を読んだことで初めて今回のパンデミックから学びを得ることができたのかもしれません。自分の知らない歴史から学ぶのとは大きく違い、自分が経験したことからの学びは心に深く刻まれた感覚があります。

    今を生きている人たちが読むべき本だと思います。

  • 突然襲ってきた見えない敵とともに戦い続けた医療従事者たちのリアル。
    未知のウイルスとの戦いは、予測不能である。
    倒してもまた違う株が出現して、体制を立て直す間もなく襲いかかってくる。
    大学病院の勤務医であるシングルマザーの椎名梓。
    20代女性看護師の硲瑠璃子。
    70代町医者の長峰邦昭。
    この3人のコロナと闘い続ける姿に感動する。

  • コロナウィルスと対峙する3人の医療従事者の物語…。1人目は大学病院病院コロナ病棟に勤務する呼吸器内科の医師でシングルマザーの椎名梓36歳、2人目はコロナ病棟に看護師として勤務し恋人と同棲中の硲瑠璃子28歳、3人目は開業医としてコロナに向き合う長峰邦昭72歳…。 それぞれの立場から、2019年秋~2022年6月まで、医療現場ではどんなことが起きていたのか、どのように立ち向かったかのが忠実に描かれています。

    自身も医師で、コロナの現場に立ち続けていた知念実希人さんだからこその内容だと感じました。まだまだ来月からコロナ感染症の位置づけが5類になりますが、まだまだ油断してはならないと、この作品では訴えかけてくれているように感じます。本当に、人類がコロナに打ち勝てたとき、この作品の歴史的な価値もあがるのかなって思いました。読んでいて、思わず涙した場面も多くありました。沢山の医療従事者が辛くキツい思いをしながらも、私達の生活を守ってくれていた…改めて感謝の思いを強くしました。

    • ヒボさん
      かなさん、こんばんは♪
      医療従事者の方々には感謝しかないですね。
      来月発売の次作「ヨモツイクサ」は著者初のバイオホラー作品のようですね。
      あ...
      かなさん、こんばんは♪
      医療従事者の方々には感謝しかないですね。
      来月発売の次作「ヨモツイクサ」は著者初のバイオホラー作品のようですね。
      あっ、「Blue」のレビュー楽しみにしてまーす\(^^)/
      2023/04/22
    • かなさん
      ヒボさん、こんにちは!
      はい、一番大変な時期に自らの生活を投げうって
      国民の命に向き合ってくれた医療従事者の方には
      感謝しかありません...
      ヒボさん、こんにちは!
      はい、一番大変な時期に自らの生活を投げうって
      国民の命に向き合ってくれた医療従事者の方には
      感謝しかありません!
      新作情報もありがとうございます(^^)
      チェックさせてもらいます♪
      「Blue」、ヒボさんのおかげで読めてすごくよかったです!
      ありがとうございます。
      2023/04/24
  • 大学病院に勤務する医師、同じ病院に勤務する看護師、町医者。
    医療の最前線で見えないウイルスと戦った、2019年から2022年までのお話。
    ずっと読んでみたかった作品でした。
    終始緊迫した雰囲気にページをめくる手が止まりませんでした。
    世の中の混乱やたくさんの人々の奮闘などが描かれており、これからも読み返していきたい作品だと思いました。

  • まことさんのレビューで読もうと決めた本です。
    素晴らしい作品を教えてくださりありがとうございました!

    読めてよかった。小説として読むにはあまりにもリアル過ぎて、読み進めるのが辛かったのも本音。
    それでも、あのとき世界で起こったこと、医療現場の実情を、私たちは知るべきだし、忘れてはならないと思った。
    医者であり作家である著者。医療従事者の人たちがどんな思いで働いてきたのか、ひしひしと伝わってきた。

    いろんな気持ちがよみがえってきた。
    ダイヤモンドプリンセス号でのコロナ集団感染発生。未知のウイルスが日本に入ってきた恐怖。マスクが品薄になるという異常事態。緊急事態宣言。日本開催のオリンピックの延期。GOTOトラベル。コロナワクチン接種開始により見えてきた希望。

    政府と医療従事者と国民と、皆で足並みを揃えることが求められた。しかしそれはなかなかの難題で…
    感染予防の意識の差。反ワクチン派の存在。医療従事者への差別や偏見。経済課題を優先した政府の対応。
    医療従事者がいくら頑張っても、政府が誤った判断をしたり、国民の意識が低いと、その頑張りが無駄になってしまう。

    医療現場のコロナの最先端で働く人たちの苦悩や覚悟が描かれる。
    過酷な戦場で心身が疲弊しボロボロになりながらも、国民のために命懸けで働き続けてくれた看護師さんやお医者さん。
    心から感謝を伝えたい。

    • まことさん
      ひろさん、こんにちは♪

      確かに辛い作品でしたよね。
      私も、読むのが途中つらかったです。
      でも、医療従事者の方々のご苦労がリアルにわかり、感...
      ひろさん、こんにちは♪

      確かに辛い作品でしたよね。
      私も、読むのが途中つらかったです。
      でも、医療従事者の方々のご苦労がリアルにわかり、感謝の念がわきますよね。
      一日も早くこのコロナ禍が終わってくれることを願ってやみません。
      2023/04/21
    • ひろさん
      まことさん、こんにちは♪
      ほんとにもう医療従事者の方々には感謝しかないですよね(>_<)
      医療従事者の視点での物語って他にあまりないように思...
      まことさん、こんにちは♪
      ほんとにもう医療従事者の方々には感謝しかないですよね(>_<)
      医療従事者の視点での物語って他にあまりないように思います。読む機会をくださり、本当にありがとうございました。
      過酷な現場で働く看護師さんたちへの待遇も少しでも改善されたらなぁと思います。
      ほんと、早くコロナ禍が終わる日が待ち遠しいですね!!
      2023/04/21
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著者プロフィール

1978年沖縄県生まれ。東京慈恵会医科大学卒業。医師。2011年、第4回「ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」を受賞し、12年、同作を改題した『誰がための刃 レゾンデートル』で作家デビューする。代表作に、「天久鷹央」シリーズがある。その他著書に、『ブラッドライン』『優しい死神の飼い方』『機械仕掛けの太陽』『祈りのカルテ』「放課後ミステリクラブ」シリーズ等がある。

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