いけないII

著者 :
  • 文藝春秋
3.77
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本棚登録 : 2907
感想 : 247
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163915975

作品紹介・あらすじ

大きな話題を読んだ”体験型ミステリー”第2弾。
第一章「明神の滝に祈ってはいけない」
桃花はひとり明神の滝に向かっていた。一年前に忽然と姿を消した姉・緋里花のSNS裏アカウントを、昨晩見つけたためだ。失踪する直前の投稿を見た桃花には、あの日、大切にしていた「てりべあ先生」を連れて姉が明神の滝に願い事をしに行ったとしか思えない。手がかりを求めて向かった観瀑台で桃花が出合ったのは、滝(、)の(、)伝説(、、)を知る人物だった。

第二章「首なし男を助けてはいけない」
夏祭りの日、少年は二人の仲間を連れて大好きな伯父さんを訪ねる。今夜、親たちに内緒で行う肝試し、その言い出しっぺであるタニユウに「どっきり」を仕掛けるため、伯父さんに協力してもらうのだ。伯父さんは三十年近くも自室にひきこもって、奇妙な「首吊り人形」を作っている。その人形を借りて、タニユウの作り話に出てきたバケモノを出現させようというのだ。

第三章「その映像を調べてはいけない」
「昨夜……息子を殺しまして」。年老いた容疑者の自白によれば、息子の暴力に耐えかねて相手を刺し殺し、遺体を橋の上から川に流したという。だが、その遺体がどこにも見つからない。必死で捜索をつづける隈島刑事は、やがてある「決定的な映像」へとたどり着く。彼は先輩刑事とともに映像を分析しはじめ——しかし、それが刑事たちの運命を大きく変えていく。

そして、書き下ろしの終章「????????はいけない」
――すべての謎がつながっていく。前作を凌ぐ、驚愕のラストが待つ!
各話の最終ページにしかけられたトリックも、いよいよ鮮やかです。

感想・レビュー・書評

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  • 前作の画像見たあとのゾクッと感を味わいたく読了
    今作は短編続きものだったのね
    毎話ネタバレサイトを見てしまったので、全部読んで一気にゾクゾクするのをおすすめします

    文章と画像のミスリード
    ひっくり返る感覚を味わえる道尾先生
    期待を裏切らない 流石っす

  • ★5 どゆこと?! 最後一枚の写真が、読者の頭脳と感情を揺さぶる! 体験型ミステリー #いけない2

    【レビュー】
    良くできてる。小説が上手すぎ★5

    プロなんだから当たり前でしょと言われるかもしれませんが、いろんな作家先生の本をたくさん読んでいると、明らかに違いがわかります。
    偉そうなことを言ってすみません、もちろん他の先生もお上手です。しかし道尾先生は巧と熟練さのレベルが違うの。

    また世界観の作り方もスゴイ。
    のどかな優しい雰囲気かと思えば、徐々に気味の悪い情報で不安な感じにさせる。話が進むにつれ、なんとなく真相が見えてくるところが何とも不気味。

    そしてやっぱり最後の写真。
    体験型ミステリーとはよくぞ言った!まさにその通り、めいっぱい楽しませていただきました。人を選ばず自信をもっておすすめできる、優秀なミステリー小説でした。

    ■明神の滝に祈ってはいけない
    連作短編の最初のお話、世界観に引き込むのがうますぎるでしょ。
    登場人物は何処にでもいそうな高校生から、不穏な人まで完璧な描写。情景描写も田舎町の雰囲気抜群。
    これから楽しい時間を過ごさせてくれる、そんな期待感を膨らませてくれました。

    もちろんミステリー要素もGOOD。
    後半こうじゃないかな…と予測していたんですが…写真をみて納得でした。

    ■首なし男を助けてはいけない
    無邪気とは恐ろしいよね。
    学生時代の私も、友達とこんな悪さばっかりしてました(さすがにこのお話ほどではないけど)。写真も不気味で大好き。

    ■その映像を調べてはいけない
    一番大好きな作品、これは怖い。
    後半、もしかしてこいうことかな…と思わせて、徐々に真相に近づくところが怖い。

    しかしこの作品、オール読物7月号で既読済だったんですが、文芸誌ではタイトル扉絵があるんですよね。
    実はラストの写真ではピンとこなかったんですが、文芸誌のタイトル扉絵でゾクッと来ました。単行本でもタイトル扉絵があったほうが、読者体験としては良かったんじゃないかな。でも、分かりやす過ぎるかもしれない。

    ■????????はいけない【レビュー時点で公式には出てないため伏字】
    さすが道尾先生といった感想。
    なんといっても最後の写真。

    なんだこれ… どゆこと…? なるほど、そうか。う、上手い!

    【秋の推しポイント】
    もともと小説というものは、言語表現による芸術作品です。センス、技術で想像力を掻き立て、文字だけで読者を物語に引き込んでいくもの。

    写真やイラストというコンテンツを入れるというのは、単純に考えると読者の想像力を手助けしているだけのずるいテクニックに見えます。

    しかし本作はあえて一枚の写真を入れることによって、読者が考え悩んだり、閃きだったり、今までにない読書体験をさせてくれています。

    なので写真以外は、構成力や文章力は普通の小説以上に求められますし、当然面白くなくてはならない。

    こんな難易度が高い試みに挑戦しようとしているところがスゴイな~
    エンターテイメント性に優れた作品、先生にはもっとたくさんの作品を期待しています!

  • 今回は騙されないぞと意気込むも、見事に敗退。あとシンプルにコワイです。何だか分からんが写真すらコワイ。
    今作では物語中ですべての答え合わせ&回収をしてくれてゾワゾワもスッキリ。

  • ふっーむ、いけないシリーズはどうも合わ~~ん。第1章 明神の滝に祈ってはいけない、第2章 首なし男を助けてはいけない、第3章 その映像を調べてはいけない、、、終 章 祈りの声を繋いではいけない。読み終わって「ん?」。写真がヒントというか、だよね~ってなりました。でっ「?」。ネタバレを読んで、ふんふん、そうだよね。。。表紙に書かれていた「物語は一変する」は、そうだね~すべてがつながるよね~、ふんふん、でっ何っ「?」。トリック宣言している小説は最近合わないんだ、、、と思いました。疲労読書と感じてしまった。①

    • ポプラ並木さん
      なおなおさん
      アハハ!「向日葵の咲かない夏」はサイコティックでしたよね。自分もびっくりしましたね。自分もいやーな読書でした。
      親指、小指...
      なおなおさん
      アハハ!「向日葵の咲かない夏」はサイコティックでしたよね。自分もびっくりしましたね。自分もいやーな読書でした。
      親指、小指は大好きでしよ。

      今回のはずーっと緊張しっぱなしなので疲れちゃうんですかね♪
      2023/04/29
    • アールグレイさん
      はぁ(´ヘ`;)?
      ★ひとつですかぁ
      なんとなく分かります。
      N、あの本はどの章から読んでも繋がる、とか。うそ!それとも、私の読解力が足りな...
      はぁ(´ヘ`;)?
      ★ひとつですかぁ
      なんとなく分かります。
      N、あの本はどの章から読んでも繋がる、とか。うそ!それとも、私の読解力が足りなかったの?道尾さんは難しい!雷神、読んだけど。
      2023/04/29
    • ポプラ並木さん
      アールグレイさん、
      何かね、最初から最後まで疲れたよ。
      読了後、ネタバレ読んで、まああっていたな!って。
      でも、これってどういう読書よ...
      アールグレイさん、
      何かね、最初から最後まで疲れたよ。
      読了後、ネタバレ読んで、まああっていたな!って。
      でも、これってどういう読書よ!って思いました。
      読友さんkらは、道尾さんの新しいチャレンジかもね、ということで、そう考えると、納得もしました。。。

      さて、GW楽しんでいますか?
      自分は早朝だけお仕事しました。
      引っ越しが5月後半で、その準備で段ボール生活です。
      同じマンション内での移動なので、何とか頑張ります(^^♪
      では~♪
      2023/04/29
  • 「体験型ミステリー」第2弾。

    前作をも上回るほどにのめり込んでしまった。
    言いようのない怖さ…この正体は何だろう。
    すっきりしないもどかしさもあるのかもしれない。
    だが、次へ次へとページを捲る手が止まらない。
    極め付けに写真がドーンとくる。
    見ろよ。とでも言ってるみたいに…。
    いけない‼︎



  • 放置感なしの一冊。

    前作は道尾さんに放置された感があったけれど今回は放置感なしかな、よく練り上げられた真相がきちんと浮かび上がっていくのが良かった。

    しっかり写真が効いているのが相変わらず巧い。

    第一章はたしかに違和感はっきり。
    第二章はこれって…とぞくり。

    でもまだはっきりと全体のピントが定まらない。

    せつなさ積もるままとにかく進む三章、終章。

    見事に合ったピントに面白さとせつなさの雪崩状態。

    まるで雪だるまがの顔がふにゃっと崩れるような感覚。 

    二度読み確認で細部まで巧いなと思わずにはいられない、匠の技が光るミステリ。

  • 一気読み。

    4章からなる連作短編だけど、全体で一つの長編。細かいところがよく理解できず、ネタバレ考察を読んで、やっと作者の企みの深さ・周到さが理解できました。。いつもながら、脱帽。

    3章の千木孝憲氏の先読みが最も巧み。
    息子の孝史を殺してしまったあとの怒涛の展開をよく一晩で考えてやり遂げたものだと、全てがわかった後に振り返ると感心してしまう。

  • うーむ、やっぱりしてやられた!
    うますぎる仕掛けには唸らずにいられない♪
    「...祈ってはいけない」「...助けてはいけない」「...調べてはいけない」「...繋いではいけない」という4章が見事に連環していて読む手が止まらず一気に読了。
    牡丹農家が多い小さな都市の種苗店の姉妹の高校二年生だった姉が忽然と消えて一年経ったところから始まる。この街で次々に起こる死亡事故?事件?が章建てで進んでいくのだが、それぞれが怖いような哀しいような静けさのうちに展開する。
    あーそうなのか と思うたびに足元を掬われる連続で、最後の最後にだめ押しが待っていた!
    いやいや参りました笑

  • その写真を見たとき物語は一変する。

    各章の最後に掲載されてる1枚の写真。
    その写真で、物語の本当の真相が分かるという体験型ミステリーの第2弾。

    今回も面白かった〜!!
    第1弾は写真を見ても自力では全然分からなくて、考察サイトに走って初めて「おぉ〜〜!」って驚愕した感じだったけど、今回は私でも何個か分かったのがあった!
    前作よりちょっと易しい感じだったと思う。
    だけど、その分より楽しめた。

    第1章 「明神の滝に祈ってはいけない」
      1年前に忽然と姿を消してしまった姉の消息をたどる
      妹の話。

    第2章 「首なし男を助けてはいけない」
      肝試しをするための用意を、ひきこもりの叔父に手   
      伝ってもらう少年の話。

    第3章 「その映像を調べてはいけない」
      息子の暴力に耐えかね、殺してしまったと自首して
      きた年老いた父親の話。
      
    第4章 「祈りの声を繋いではいけない」
      すべてが繋がる最終章。

    2章がせつなかった、、
    3章の途中から繋がりが見えだしての最終章。
    これがまた良かったんだよな。
    全体的にせつなかったけど第1弾より更に好きでした♡
      

  •  いやぁ、参った!読み終えた今も解けない謎が残ったまま。うーん、ミステリ好きとしては情け無い限り。どこで見落としてしまったのか。

    ①明神の滝に祈ってはいけない
     桃花の姉、緋里花は1年前から行方不明になっている。姉は生きていると信じ、探す桃花。やがて姉の行動の予想ができたところで、待避所の管理人が怪しいと思い、管理人が留守にした隙に待避所で目にしたものは・・・。

    ②首なし男を助けてはいけない
     小学生の真には引きこもりの叔父さんがいる。叔父さんは自分の部屋に首吊りの人形をぶら下げている。真は夏祭りの日に友達と肝試しをすることになり、友達の1人を驚かせようとする。仲間たちで叔父さんの家に向かい、叔父さんに手伝ってもらい、首吊り人形の頭を切り落とし、首無しお化けを作り上げた。お化けを設置していざ帰ろうとすると、叔父さんが首無しお化けを轢いて滝に落としてしまった。気を落とした叔父さんと家に帰り、叔父さんはまた自分の部屋で引きこもってしまう。父親と母親がやってきて、祖母と内緒で話していることを聞いてしまった真。その内容はあまりにも壮絶だった。そして、首無しお化けが見つかり、じゃあ、あの流れていったのは・・・。

    ③その映像を調べてはいけない
     警察署に息子を殺してしまい、自首をしたいと電話が入る。電話をかけてきたのは千木孝憲。自分と妻に対し、毎日のように家庭内暴力を繰り返してきた息子。その日は首を締められ、殺されると思い、気づいたら包丁で刺し殺してしまったという。しかし、千木が埋めたという場所から死体が見つからず、捜査は暗礁に乗り上げる。

    ④祈りの声を繋いではいけない
     ③で自首した千木は癌に侵されていて、亡くなってしまう。その後、1人残された妻。千木と妻には誰にも言えない秘密があった。

     ①のあの死体はあの子じゃないってこと?だったらまた別の子も殺されてたってわけ?とかどの章でもモヤモヤしまくり。これはもう一度読み直さなければ!!こうして考えさせるあたり、さすがは道尾秀介だなって思う。うーん、やっぱりモヤモヤする。

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著者プロフィール

1975年生まれ。2004年『背の眼』で「ホラーサスペンス大賞特別賞」を受賞し、作家デビュー。同年刊行の『向日葵の咲かない夏』が100万部超えのベストセラーとなる。07年『シャドウ』で「本格ミステリー大賞」、09年『カラスの親指』で「日本推理作家協会賞」、10年『龍神の雨』で「大藪春彦賞」、同年『光媒の花』で「山本周五郎賞」を受賞する。11年『月と蟹』が、史上初の5連続候補を経ての「直木賞」を受賞した。その他著書に、『鬼の跫音』『球体の蛇』『スタフ』『サーモン・キャッチャー the Novel』『満月の泥枕』『風神の手』『N』『カエルの小指』『いけない』『きこえる』等がある。

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