青嵐の庭にすわる 「日日是好日」物語

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 302
感想 : 27
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  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163914718

作品紹介・あらすじ

シリーズ累計70万部突破!
「日日是好日」シリーズ集大成

「お茶の映画」を、お茶の経験のない人たちが作ろうとしている……!
樹木希林さんら映画人との出会いで気づく、かけがえのない人生の物語。


お茶の稽古に通う25年間を綴った自伝エッセイ『日日是好日 「お茶」が教えてくれた15のしあわせ』は映画化され、大ヒットしました。

実はこの映画、茶道の経験者が誰もおらず、原作者・森下典子さん自ら、茶道の指導スタッフとして自ら映画づくりに参加するハメに……。
いつもはたった一人で原稿と向き合っている作家が、映画づくりの現場に飛び込んだ日々を描いたのが、本書です。
アウェー感たっぷりのプロの職人集団の中で、戸惑いを感じる森下さんでしたが――。
樹木希林さん、黒木華さんら個性的な俳優らとの知られざるエピソードも読みごたえ充分。
「人生初の事件」ともいうべき不思議と驚きに満ちた日々を描いたエッセイは、本シリーズの集大成です!

感想・レビュー・書評

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  • 森下典子さんの『日日是好日』映画化の舞台裏を描いた本。原作を読み、映画も観ていたが、この本を読んで改めて映画をじっくり観てみたくなった。森下さんは茶道の所作のチェックを求められ、場面ごとにOKかどうかを監督を始め全スタッフの前に即時に判断するという重責を担い、非常に緊張したと書かれていた。映画とは、思っていたよりずっと手探りで作られていくものなのだなと思った。お茶の先生役で出演されていた樹木希林さんの話もたくさん知ることができる。とても魅力的な方で、最後までブレずに生き抜いた格好良い方だなということを改めて実感した。なお、タイトルの「青嵐」とは青葉の頃に吹き渡るやや強い南風を意味する初夏の季語とのこと。素敵な語感だなと思ったが、意味を知るとますますしっくりくる。森下さんのいつもの語り口で、季節の移ろいを感じながら映画作成のきっかけから完成後の反響まで、じっくりと知ることのできるとても面白い1冊。

    • workmaさん
      ほほぅ~(ФωФ)『日日是好日』は読んだので、本書も読みたくなりました( ≧∀≦)ノ
      ほほぅ~(ФωФ)『日日是好日』は読んだので、本書も読みたくなりました( ≧∀≦)ノ
      2022/03/08
    • IKFさん
      Workmaさん、コメント有難うございます!『日日是好日』を面白く感じられていましたら、こちらの作品もとてもおすすめです!
      Workmaさん、コメント有難うございます!『日日是好日』を面白く感じられていましたら、こちらの作品もとてもおすすめです!
      2022/03/09
  • 映画「日日是好日」の原作者が、茶道指導スタッフとして映画づくりに参加したときのことを描いたエッセイ。

    還暦過ぎて新しいことに出会い、全力で取り組んでおられる様子が伝わってきて、こちらも楽しくなる。
    気になっていた映画なので、観てみよう。

  • 「日日是好日」の映画撮影ドキュメンタリーですな。原作者の森下典子さんが五十人もの撮影スタッフが働く騒然としたロケ現場にお茶のお手前の監修ということで加わる。スタッフたちとのお茶のけいこ。お茶室のセットのこと。四季を一か月の撮ったこと。現場での女優樹木さんのこと。、
    全てが新鮮で、それでいて感心、のことばかり・・・。

    何事も「初めての経験」は幾つ何十になっても、大切にしたいですな。

  • 「日日是好日」シリーズの集大成となっている本作。「日日是好日」映画化の舞台裏を綴ったもの。
    映画化されるのか、されないのか、といった段階から、映画公開までが、森下さんの穏やかで季節感あふれる文章で書かれている。
    「原作者」だけであるはずだった森下さんは、監督からプロデューサー、スタッフほとんどがお茶の経験・知識ゼロの映画製作現場にスタッフとして関わっていた。

    映画撮影の現場ってこんな感じなのかーと、本当に初めて知る現場が面白かった。壁に掛けられたカレンダーや、器の中のお茶菓子など、カメラには撮られないところにもきっちり小道具やお菓子が仕込んであって、何でも“効率化効率化”な世の流れに逆らうような映画製作現場に、なんかとても好感を覚えた。撮影時期には手に入らない季節のお花を、一生懸命入手しても、映らないかもしれないし、映ってもピントはあっていないかもしれない。でも、全力で仕入れてくれるお花屋さんとか、造花を一生懸命作るスタッフさんとか、あぁ、なんかいいな、と思った。芸術ってこうゆうものなのかしら。時間単価とかそんなの無視、みたいな、うん、いい。

    そして、樹木希林さんのエピソードがたくさんあった。樹木希林さん、撮影後、公開前に亡くなられていたんですね。お亡くなりになったのは知っていたけれど、そうゆう時期だったとは。

    実は、この映画、テレビ放送があった時になんとなく観ていて、だいたいの映画は原作にはかなわないと十把一絡げに思っている私がいけないのだけれど、この映画についても一丁前に、「やっぱり原作のようにはお茶の良さとか伝わらないよね。やっぱり原作派だわ」なんて思っていた。本作を読んで少し反省。やっぱりもう一度きちんと観よう(笑)
    「日日是好日」シリーズはとても好きなので、本書も読んで良かった!

  • 映画を見たくなった!

  • すごく読みやすく面白かった。
    樹木希林さん、チャーミングだな。
    映画見たくなりました

  • 映画撮影現場でしかわからない大変さを知ることができた。ものづくりに夢中になる人ってすごい。見えない、映らない、そんな場所にも手を抜かない。映画館で映画を見ようと思った。

  • (借.新宿区立図書館)
    いつもの森下典子さんの随筆と違ってちょっと落ち着かない感じなのは映画製作に関わる話だからだろうか。映画を見た方がこの本を読んでから映画を再度見るとまた違った見方ができそう。

  • 映画も素晴らしかったが
    この本を読むとさらに感動が深まる。
    樹木希林さんの、もはや人の領域を
    超えた存在感に圧倒される。

  • 装画も写真も素敵です。映画作りの裏側も垣間見ることもでき、もう1度映画を見たくなりました。「日々是好日」は清々しい気持ちになれる好きな本です。

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著者プロフィール

森下典子(もりした のりこ)
1956年生まれのエッセイスト。『週刊朝日』のコラム執筆を経て、1987年その体験を記した『典奴(のりやっこ)どすえ』を出版。代表作『日日是好日―「お茶」が教えてくれた15のしあわせ』は、大森立嗣監督・脚本、黒木華主演により2018年10月13日映画化され、樹木希林の遺作ともなり、大きな話題となった。他に、『いとしいたべもの (文春文庫)』『猫といっしょにいるだけで』などの作品がある。

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