獣たちのコロシアム 池袋ウエストゲートパークXVI

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 79
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163912189

作品紹介・あらすじ

――闇の虐待ショーをぶち壊せ!ダークウェブの深奥にある「逆隊コロシアム」。通常の手段ではアクセスできないサイトでは、競うように児童虐待動画がアップされている。「逆隊コロシアム」を潰して、その一部始終をドキュメンタリーにしたいというテレビ・ディレクターの梅原から依頼を受け、3人の虐待サバイバーの若者とともに調査に乗り出したマコトは、ある日テレビで見た子どもの虐待死のニュースが、「逆隊コロシアム」の動画に映っていた少女のことだと気づく。小さな命を救えなかった悔しさと怒りを胸に、マコトはタカシや仲間たちと巨大なウェブに巣くう獣たちに戦いを挑む。表題作のほか、池袋の路上で繰り広げられたタピオカ抗争の顛末、日本屈指のラブホ街を狙った強盗団との闘い、恋人のいない若い女性を狙ったバースデイコール詐欺を描いた4編を収録。累計430万部突破のIWGP16弾!

感想・レビュー・書評

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  • 久々のIWGP。
    四作とも良かった。安心して読める。

    読み応えは表題作が一番。ゼロワンが熱くなるのも珍しかったし、タカシたちGボーイズの襲撃の小気味いいこと。そして、虐待サバイバーの傷が簡単には癒せないことにもさらっとふれながら、希望のある終わりになっていて良かった。

    「タピオカ・ミルクティの夢」は、まぁ甘すぎる展開とも言うけれど…
    大企業に勤めていたおっさんが、サルやマコトの事を見下して馬鹿にしたりせずに、喜んでせっせと働く姿は、マコトじゃなくても応援したくなるよね。

    タピオカやコロナ禍など、現実の世相を取り込んでいるのがこのシリーズの特徴でもあるわけだけど、マコトやタカシ、一体いくつになったの?という感じも。いま、シリーズ第一作を読んだらどう感じるかな…

  • タピオカミルクティの夢のおっさんキャラクターが1番魅力的。ただ、トラブルの解決策がワンパターン。ゼロワンが調べて、Gボーイズが乗り込んで制圧の繰り返し。シリーズも長いので、水戸黄門の印籠状態。

  • 社会の流れを汲んで書かれている1冊で、コロナウィルスの及ぼす影響が出てきているのも、さすがだなあと思った。
    最後の、獣たちのコロシアム。
    最悪で、本当に悪趣味だけど現実にそういう人もいるのだろう。
    この本のように明るみに出ないと、やめないのだろうな。そう思うとつらいですね…

  • サイン入りを購入。
    IWGPは追いかけて読んでいますが、
    今回出たばかりの新作を読めてタイムリーな社会問題を味わえたことが楽しかったです。コロナウイルスが流行っているのが、リアリティを感じました。


    いつも通り池袋で起こる治安悪目な、闇の深い、
    普段普通に生きていたら関与することのない、でも池袋では現実となり起こっているのかなというお話が題材で、考えさせられました。面白い。

    とくに、獣たちのコロシアムは、「虐待児童」について改めて考えさせられました。こればかりは子どもたちは悪くない。たしかにそうだと思います。生まれてきた家に恵まれなかったばかりに。
    大人になってもその経験は忘れることはないだろうし、そもそも大人になる前に虐待により殺害に至るケースもあるし。。


    そんな無責任な親は本当に人として最低だなあ。

  • IWGP16
    いつになっても、マコトは長瀬くん、キングは窪塚くんで脳内変換されるね
    2020.09

  • 正社員切り、ラブホ強盗、特殊詐欺にダークウェブでの児童虐待、現代の闇にスポットを当て続ける。今回はGボーイズの関連が比較的少なく見えた。ダークウェブをどう攻略するかと思ったけど、オフ会とは。内容は結構重いなぁ。

  • 毎回、その時の時事ネタ(虐待、詐欺、タピオカ)がテーマになって事件発生、マコトを中心に解決するという安定感すらあるシリーズ。ラストがいつもお決まりであっても読んでしまうのはその時事ネタの知らなかった裏側の世界を見られる部分もあるし、リズム感のある文体の読みやすさも魅力の1つなのだろう。あっという間に読めてしまうんだよなぁ。

  • これだけ長くマコト君の話を聞いていると 本当に池袋のどこかでGボーイの男の子やマコト君と逢えるんじゃないかと思ってしまう。しかも、勝手に友達になっている勘違いが起こっている

  • いまだにこの本を読む時は、マコトが長瀬智也、タカシが窪塚洋介のイメージ。この2人ははまり役だったなー。

  • 表題作は児童虐待事件がテーマ。どうして虐待すること大人がいるのだろう。それにしても、マコト達は年を取らない。読み手の私はどんどん歳を重ねているというのに(笑)でも、この変わらなさが、安定した面白さに繋がるのだろう。

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著者プロフィール

1960年東京生まれ。成蹊大学卒業。代理店勤務、フリーのコピーライターなどを経て97年「池袋ウエストゲートパーク」でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。2003年『4TEEN フォーティーン』で直木賞、06年『眠れぬ真珠』で島清恋愛文学賞、13年 『北斗 ある殺人者の回心』で中央公論文芸賞を受賞。他著書多数。

「2022年 『心心 東京の星、上海の月』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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