- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163912110
作品紹介・あらすじ
文雄と過ごすキラキラした時間は、いつか歳をとった自分自身への贈り物になる……。2010年、東京。34歳独身で、雑誌を中心に活躍するフリーカメラマンの安藤シオは、3年前に飲み屋で知り合って以来たまに泊まりに来る41歳の映像カメラマン、文雄に思いを寄せている。自分の私生活を語りたがらず、マメに連絡をくれない文雄との「恋人」とは呼べない曖昧な関係にモヤモヤしていたシオは、美大時代の男友達でイラストレーターの点ちゃんと偶然出版社で再会。周囲には秘密にしていた文雄とのことを話した帰り道、妻子のいる点ちゃんに不意打ちのキスをされる。2011年3月11日、東日本大震災が発生。真っ先にメールをくれたのは、シオが連絡を待っていた文雄からでも、点ちゃんからでもなく、いやな別れ方をした元カレの角田だった。シオの心は揺れ動く……。両親や友だちの目を気にして生きてきたシオが選んだ答えとは?「大人になれないわたしたちを描きたかった」という著者による、せつなくてリアルな初の長編恋愛小説。
感想・レビュー・書評
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流される35歳女性カメラマンのお話。
第一章
第二章
第三章
第四章
第五章
女性カメラマンのシオが居酒屋で出会った文雄は、不思議な空気を纏う男。
近づくと離れ、離れると近づく曖昧な関係にしびれを切らし、流されていくシオ。
寂しいのは嫌、でも干渉されたくない、自由でいたい、でも愛されたい。
アラサー女子の心模様。
いまいち感情移入できなかった感じ。
知らない登場人物がパッと出て来て戸惑い、キーマンでもないように流れていく。
文学寄りだから? -
図書館でなんとなく目に入ったので、読んでみた。結局、人生はそんなものかもしれない。好きな人が自分を大切にしてくれなかったら、好きではないけど自分のことを好いてくれる人(その人が例え変人でも)がいたら、受け入れてしまうかもしれない。
でも、共感はできない。 -
タイトルと帯「あなたがくれたもの。欲しくてもくれなかったもの。」
読み終わったあとにあらためて考えてしまう。
結末は意外だけど、このフレーズはリアルに響く。
人生、そんなものなのだ・・・と。 -
主人公のシオは、しまおまほさんだと思う。
好きな気持ちに正直にならないまま、ダラダラとそんなに好きでもないDV傾向の男として付き合う。女性は不可解。 -
単行本の字の大きさに開いてビビる。
フラフラフラフラ、しっかりせい…!と思うけど、自分にもこういう感覚あったなと思う。
角田みたいなのはうーん、ダメだ。それでも浮ついたりするのか。自分の心に嘘をつくなとド正論つかれても、こうなってしまうんだろう。スーベニアに罪はなし。 -
TBSが誇る“ラジオ界のトリックスター”による初の長編小説。本業はこっちなわけでラジオのイメージで読み始めるとびっくりするかもw静かにリアルに描かれる1人の女性の人生。第2・3章またぎで仰々しく描かれた放火事件がその後特に伏線として機能しないのが素晴らしい。人生なんて回収されない伏線だらけだ。あと“こじらせ散らかしたライムスター宇多丸”とでも言うべき角田のクズっぷりも酷いw