アリババ 世界最強のスマートビジネス

  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163911199

作品紹介・あらすじ

アリババ前最高戦略責任者が、そのビジネスのすべてを明かす!ジャック・マーの右腕・”総参謀長”として、4000億ドル企業の世界的ITへと急成長させた、想像を絶する戦略とは?「われわれは中国版アマゾンではない」「データ」と「ネットワーク」を融合させたアリババ式「陰陽ビジネスモデル」こそがこれからの世界標準となる。▪️内容紹介・なぜ中国は金融ジャンルで米国を抜き去れたか・「奇跡が起きた」--人類最大のショッピングデー「独身の日」を支える舞台裏・アマゾンは「データ」は強いが、「ネットワーク」が弱い・意思決定も自動化される・C2B(カスタマー・トゥ・ビジネス)へ・あなたの企業は「線」か「面」か「点」か・アリババは組織自体が「機械学習」する・クリエイティビティを生むマネジメント革命・アリババでは、上司が年に5回も変わる・これからの時代、個人と企業が生き残るための教訓▪️ジャック・マー序文「本書は、読者のみなさんが新たなデジタルエコノミーに足を踏み入れる上で、貴重な手引きになるだろう」▪️ライバル米国からも賞賛の嵐グーグル前会長 エリック・シュミット推薦。ペイパル創業者 ピーター・ティール推薦原書は、米国名門版元ハーバード・ビジネス・レビューより英語にて刊行▪️日本語版スペシャル・エディション(著者最新インタビュー収録)・GAFAはアリババのライバルか・日本における強力なプレーヤーはどこか・自動車産業もスマートビジネス化する・アリババの先端技術研究機関・達摩院(DAMO)・AI都市、AI政府はすでに始まっている・日本のIT企業へのアドバイス ほか

感想・レビュー・書評

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  • アリババのスマートビジネスを支える2つの要素の解説
     ネットワーク・コーディネーション
     データインテリジェンス
    また、エコシステムにおける面、線、点の戦略分類も興味深く感じました。
    本書にあるようなデータを武器に学習し、成長し続けられる仕組みを持つことが次世代に生き残る組織の要件になるのかもしれません。

  • アリババの成功の秘訣は、ネットワーク・コーディネーションとデータ・インテリジェンスの組合せ。
    以上。

    といいたいところですが、さらにいえば、オンライン市場もオフライン市場も未成熟だった中国、は、アリババの成功にとって、大きな条件だったように思います。
    そう考えると、日本で、アリババのような成功をするのは難しいかと。
    もし、同じような成功を狙うならば、インド、アフリカ、南米あたりがよいと思われます。

  • 必読

  • 著者はジャック・マーに請われ、戦力コンサルからアリババの戦略担当に就任。

    超巨大ビジネスを生み出した戦略の要諦を、内部にいた人間が書いた稀有な本。

    彼はネットワークコミュニケーションとデータインテリジェンスをDNAの二重らせん構造に例え、その組み合わせでスマートビジネスを作りあげることが、これからのビジネスに必要と説く。

    ネットワークコミュニケーションはビジネスの川上から川下まで、外部の協力会社も交えてデジタル化し、winwinのエコシステムを作ること。

    参入ビジネスを滅ぼしていくアマゾンと異なる共生の発想は東洋ならではのものと思われる。

    データインテリジェンスは機械学習を繰り返すことで、エコシステムを最大限に効率化・省力化し、マンパワーをクリエイティブに振り向けていくことを目的とする。

    日本の大企業は、未だに固定化され柔軟性に乏しい長期戦略を重視しており、世界の変化から取り残される一方なので、全ての経営者が読むべき本と考えます。

  • アリババがやってることを具体的に書いてる数少ない本。どうでもいい経営哲学(成功した会社の経営哲学は、どうせ後付で褒められる)とかにページが割かれてないのは素晴らしいし、Ruhnnみたいな「ネットライブコマースを支える周辺企業」みたいなのまでちゃんと書いてあるのはこの本ぐらいでは。

    惜しむらくは、出てくる企業名や人名が縦書きのカタカナばかりで、ビッグE、ルーハンなどのみ。张大奕, Ruhnn, 如涵みたいに英語と中国語の両方書いてあるとあとでググれるんだけどなぁ、、、

  • アリババという革新。
    全然知らなかったが全く違う形で新しい潮流を作っていた中国の代表企業だと言うことが見える。
    すでに実現していた世界で何より圧倒的なスピードがすごい。
    今はプラットフォーマーの時代だが、その要をいち早く形にしていたアリババの姿は世界の模範となっているのだろう。
    これひど圧倒的なものを見せつけられると時代の変化の激しさの考えがさらに変わる。
    セルフチューニングする組織づくりのためにはビジョンとミッションの明確さが存在証明であり未来の立ち位置と考えると
    この要を意識せずに働く世界はもうないのだと思う。
    何が私であるかの個人の世界が集団形成でより激しくなる世界へと変化したことに今更ながらきづかされる。
    これぞDX。古典となり得る内容。

  • 「意思決定は自動化される」高度な超機械化に対し人間の主体性はどうなるのか。そんな世界が確実に訪れる。
    アリババのスケール感には、圧倒されてしまう。
    「独身の日」のお祭り騒ぎは、単なる「狂騒」とは言い難い。
    たった1日間だけのイベントのために、途方もないサーバーへのトラフィック、決済、物流を捌くのだから、その裏側で動いている技術力の高さはもの凄いレベルだ。
    Amazonとどうしても比較されることが多いが、本書を読むとそんな単純な話でもないことが分かる。
    確かにAmazonも、クリスマス時期の急激なトラフィックを捌くためにクラウドを強化し、それを外販したことで、今では大きな利益を稼いでいるというのも有名な話だ。
    Amazonも勿論戦略的にこれらを行った訳であるが、どちらかと言うと「クリスマスがあったからサーバーを強化した」と後追いには感じてしまう。
    アリババの場合は「独身の日」を自ら盛り上げ、顧客を煽り、狂騒を生み出している。
    まるで自らがとんでもない高みに挑戦するために、自分でドンドンハードルを上げているかのようだ。
    これを「クリスマスがやってくる」と受け取るか、「独身の日というイベントを生み出す」と捉えるかは、まさに考え方の違いとも言うべきか。
    Amazon創業者のジェフ・ベゾスが、紙ナプキンに描いた「弾み車の法則」は有名だが、アリババのビジネスモデルは、Amazonとは様相が異なる。
    アリババのビジネスモデルも、これはこれで本当に秀逸だと思う。
    最初から描いて作ったビジネスモデルなのか、走りながら変化して結果的にこうなったのか。
    その辺の真実は本書からは読み解けないが、アリババが商品を仕入れてEC通販するという単純な「卸売モデル」とは違うということは理解できる。
    アリババも、決して「普通の企業」とは言えない。
    やはり考え方そのものが、日本人では発想できない部分があるような気がする。
    創業者ジャック・マーの「この世から難しい商売をなくしたい。人々の不便をなくし、社会を変えていきたい」という思いが結実したのがアリババである。
    身近な人が近隣で商売を始めても、なかなか上手くいかず苦労をしていたのを見ていて、そんな状態を解消したいと思ったのだと言う。
    確かにその頃の中国は、まだまだ経済基盤が整っておらず、商売を始めたくても銀行口座を持てなかったり、事業のために融資や投資をしてもらえる体制もなかったらしい。
    手元のわずかな資金で小さくビジネスを始めても、それを増やす方法が難しかったのだろう。
    もし仮に商売自体にニーズがあっても、商品製造しても支払いが行われなかったり、現金や商品が盗難にあったりしたら、ビジネスが上手くいくはずがない。
    そういう原体験があったからこそ、アリババは単なるECではない企業になったのだと思う。
    アリババサイトはあくまでも顧客に対しての入口とはなるが、実際に商品を販売しているのは各企業の事業者であって、アリババではないのだ。
    これも「各事業者」こそが、アリババを通じて商売をしてもらい、利益を上げてほしいという考え方だからだ。
    そして、そんな思いは当然に各事業者の一番の不満を解消する方に向かっていく。
    「アリペイ」の成功だけが注目されてしまうが、元々の始まりは中国内の金融システムが脆弱だからに他ならない。
    このリープフロッグは、当時の中国だからこそ実現できたことで、現金、クレジットカード、電子マネーカードがすでに普及していた日本の状況とは大違いだ。
    アリババは「アリペイ」という強力な一手を軸に、とてつもなく大きな経済圏を作り上げていく。
    この実質「お金」と言えるインフラを構築できたのは、大きなアドバンテージだ。
    そこからアリババ経済圏として矢継ぎ早に事業展開を広げるのがすごい。
    確かに個人情報の扱いなど、その重要度の考え方は中国と他国とは大きな違いがある。
    それにしても、アリババがここまで経済圏を拡大したのは、技術力の高さも半端ないレベルだからだ。
    金融から始まり、ソーシャルレンディングなども、すべてAIでアルゴリズム化されている。
    この分野では日本はとてもじゃないが追いつきようがない。
    本書内で「点」か「線」か「面」か、という記述があるが、事業をどう組み立てていくかは、もはや直線的に考えることでは難しいのかもしれない。
    技術革新はエクスポネンシャルで指数関数的に見なければいけないし、当然アリババのように常にビジネスを次元を増やして考えていく必要がある。
    1次元で考えるだけではダメで、2次元、3次元・・・。
    よく「多面的に考えろ」と言って、様々な角度から物事を見る例えとして使われるが、これこそ「言うは易し、行うは難し」だ。
    しかしながら、その難しいことを行えるからこそ、他者との差別化につながるし、事業展開の優位性につながる訳である。
    GAFAに関するものは、日本では多く書籍化されているが、アリババに関する書籍はまだまだ少ない。
    今後も、もっと調べていきたいと思った。
    (2023/9/9土)

  • アリババについて知ることはできるのはもちろん、
    そのような仕組みを作るまでの流れを俯瞰的に説明してくれている。
    著者がアリババのかたであるものの、いい意味で一歩引いた視線で語られている印象。

  • 単なるアリババの紹介と思いきや、事業分析までされていてとても参考になった。

  • アリババについて網羅的に知ることができる本。
    アリババのビジネスモデルに関する理解が深まる。
    書き方は少しわかりにくかったが、原著はもっと読みやすいのかも。

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