- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163910369
作品紹介・あらすじ
大多数がヒンドゥー教徒であるインドで、不可触民と呼ばれる人々を中心にカーストのない仏教に改宗する人々がいま爆発的に増えている。不可触民とはインド人口12億人のうちの約2割を占める、一番下の階級(シュードラ)にさえ入れないカースト外の人々、ダリット。3000年間にわたり、「触れると穢れる」と差別されてきた人々が、いま次々に仏教に改宗し、半世紀ほど前には数十万人しかいなかった仏教徒が今や1億5千万人を超えている。その中心的役割を果たしてきたのが、佐々木秀嶺だ。わずか十畳ほどの部屋で暮らし、擦り切れた衣をまとった自称「乞食坊主」。子どもを見ると顔を綻ばせて喜ぶ心優しい小柄なお坊さんだが、その正体は電話一本で何万人もの人を動かすインド仏教の大親分。核実験が起きれば首相官邸まで乗り込み、ヒンドゥー教徒に乗っ取られた仏教遺跡を奪還するため何ヶ月も座り込みを敢行。弱い立場の人々のため、「これが武士道だ」と言ってみずからの命も惜しまず、モラルに反することには断固抗議。日本からやってきた怪僧にインド人もビックリ!である。色情因縁に悩み、3度の自殺未遂を経て、高尾山からタイ、そしてインド・ナグプールへ。龍樹菩薩のお告げに従い、インドで一生仏教布教に専念すると決めてからは、ブッダガヤ闘争やマンセル遺跡の発掘など、インド中を巻き込む闘いを単身挑んできた。インドの貧しい人々のために身を捧げ続けるのは、男・佐々井さんの「武士道」精神だった。本書は、ほんの偶然から佐々井上人を取材することになった、女性ライターによる密着同行記である。100万人がいっせいに仏教に改宗する「大改宗式」の様子や、佐々井さんの日常生活、そして陰謀と迷信うずまくディープなリアルインドを、爆笑必至のユーモア溢れる筆致で描く。
感想・レビュー・書評
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佐々井さんに関する本を読むのは、「必生 闘う仏教」に次いで2冊目です
この人の波乱万丈な人生は本当に面白く、また今回は、著者の白石あづささんとの温かい交流も読んでて嬉しくなります。
発言でよく「日本男子たるもの」が出てきます。今こんな発言を日本の著名人がすれば「ジェンダー差別」と非難されるかもしれません
その活動も一部の人には気に入らないところが有るのかもしれません。
しかし、圧倒的なその存在と意志の強さは、論語の「匹夫(ひっぷ)も志を奪うべからざるなり」を思い起こさせます詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
波乱万丈というか、壮絶というか。地元の出身者にこんな人がいたとは。
これを読んだすぐ後に、パウロ・コエーリョの「アルケミスト」を読んだ。インドへ向かう佐々井氏と、ピラミッドを目指す少年が重なる。
だけど、こっちはフィクションじゃないんだよな…。
これだけの人物に、まるで親戚のおじいちゃんであるかのように普通に接している著者も只者ではない。 -
インド旅行帰国後に読んだ。
こんな日本人いたんだ... と驚愕。
まさに現実は小説より奇なりを地で行ってる人。
全体的に笑えるライトなエピソードになってるが、冷静にやってることが多くの"偉人"と比較しても桁違い。 -
カーストの外側にいて”触るとけがれる”とされる不可触民を中心に、仏教に改宗する人々が増えているインド。今やその数、1億5千万人。そして、そのインド仏教最高指導者を勤めるのが日本人僧侶、佐々井秀嶺だ。
と言うと、非常にストイックな人格者の僧侶を連想するかもしれないが、然に非ず。佐々井上人、かなりぶっ飛んでいる。(仏教だけに「仏飛んでいる」か) 若かりし頃はかなりモテたらしく、色恋沙汰に巻き込まれて自殺未遂を3度。反省して仏教の道へ入り、インドでの仏教布教を心に誓うというあたりからして、ちょっと違う。
元々仏教遺跡であった所がヒンドゥー教徒に乗っ取られたと知ると座り込みを実行し、インド政府が核実験を行うと大勢の仏教徒を引き連れて首相官邸まで乗り込む。正義のスイッチが入るともう止まらない。宗教間の陰謀に巻き込まれても、暗殺の危機にさらされても、「これが武士道だ」と言い切って、弱者に救いの手を差し伸べる。パワフルで豪快でストレート。こんな日本人が海外で活躍していることを知ると、こちらも何だか元気が出る。あっぱれ、佐々井上人。
ところで、ガンジーは、実はカースト擁護の立場を取っていたため、インド国内では海外で言われるほどの支持を得ていないらしい。これは意外な事実。 -
知人に面白かったとオススメしてもらい読んでみました。
お坊さんの本と聞いて、よくある怒らない穏やかな心になるには、みたいな本だと思ってました。
でも全然違った!!ものすごい波乱万丈な人生を送ってインドで仏教を広める活動をしている、エネルギッシュな猛烈おじいちゃんなお坊さんの本でした!
こんなすごいおじいちゃんがいるなんて全然知りませんでした。
秀嶺さんの奇天烈な人生と今の活動を綴っているんだけど、それが私の価値観を飛び越え過ぎて驚きの連続でした。
インドが好きで興味があり、少し知識をつけてきていると思ってたけど、本当の宗教事情をちゃんと分かっていなかったことも分かりました。
なぜ仏教発祥の地なのに、今はほとんど信仰されてないんだろう?と少し前から疑問に思ってた事情も描かれています。
改めてインドの広さと混沌さを垣間見たよう。
いろいろ考えさせられることもあるけど、かなりぶっ飛んでるので取り敢えず、うわー!!ってなりながら面白く読みました。 -
ものすごいことをする人はエピソードも桁外れ
色々ぶっ飛んでるわ!
聖人君子なだけじゃない
日本人が知らな過ぎる偉大な日本人