ゆるキャラの恐怖 桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活3

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 26
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163909967

感想・レビュー・書評

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  • 笑った。そして(意外にも)感動した!モンジ君サイコー!イカ柄のアロハに「病気の虎みたいな」黒と黄色のまだら頭のモンジ君、どこから突っ込んでいいかわからないくらいにいろいろダメだけど、今回ばかりはオバチャンは感心しますた。しゃべり方も移りますた。
    「高校までは誰ともしゃべらなかった」ナース山本さんも一年生二人も、たらちね文芸部があって本当に良かったね。

  • 本当にくだらないんだけど、出ると読んでしまうこのシリーズ。なんやかんやで激はまりしてしまうある意味危険な小説。
    クワコーはとりあえず節約本でも出したらいいんじゃなかろうか。本業よりそっちのほうが収入得られそうな気がする。アパートの浴槽はザリガニの生け簀というくだりで笑ってしまった。

  • クワコーシリーズ第3弾で中編2作収録。
    クワコーこと桑潟幸一准教授に上司から下された指令は、大学対抗ゆるキャラコンテストに着ぐるみで出場せよというものだったが、コンテスト出場をやめろという脅迫状が届き、他大学のいくつかのゆるキャラが実際にアクシデントで出場を取りやめることに。それでも着ぐるみに身を包んだクワコーを待ち受けていた事態とは…
    相変わらず超絶バカバカしい脱力系ミステリでクワコーの自覚あるダメっぷりも炸裂だが、次々と襲いかかる不幸にもしぶとく立ち直る彼はある意味すごいかも。
    今回はモンジの教育勅語批判が光っていた。

  • クワコーシリーズの最新作。
    妙にサバイバル能力が高くなったクワコー先生が面白い。色んな意味でちょっとどうよというキャラクター造形ではあるのだが、愛嬌があるというか、何となく憎めない感じがする。
    思えばシリーズ第1作、『モーダルな事象』は、特に後半、思いっきり振り切ったメタフィクション的展開が目まぐるしく続き、結末も『めでたしめでたし』ではなかった。それを考えると、クワコー先生もすっかり真人間(?)になったと言えるのだろうか。貧乏で、ザリガニや蝉を捕まえて食っても、妙なキノコ食っても、少なくとも社会生活は営んでいるのだからw

    #ところで、Wikipediaによると、『モーダルな事象』と、その後の『スタイリッシュな生活』の1作目は、パラレルワールドの関係になるらしい。
    #確かに『モーダルな事象』としての結末は、続編があることを示唆するようなものではなかったことを考えると、主人公の名前と属性を同じくするパラレルワールドと考える方がしっくり来る……のだが、こういうパラレルワールド的な関係性と思わせること自体が、『モーダルな事象』の後半で書かれていたメタフィクション展開の一部なんじゃないの? と思ってみたり、みなかったり。

  • みうらじゅん、秋元康、プー○ンとか実名出して色々な所から苦情は出ないのか心配になってしまうw
    セミを食用にするのは最近問題になってるみたいだけど、まさか2019年から目をつけていたとはさすがw
    所々太字にしてあるのも怪しい広告サイトか個人ブログみたいで面白い。

  • ぷ!と。吹いてしまうことも多々あり、ゆるゆるミステリーです。

    いや、なんもない学園生活の中のパッとしない事件をゆるくだるく、テキトーに解決していくあたりが、新しいよね。

    笑笑どうってことない事件なのよね。笑笑

    そこがまた面白い。笑

    いや、たしかにどーでもいいけど気になるっちゃ気になるわな。みたいな事件を、ダルダルのテキトー面倒くさがり貧乏で全くやる気ない教授のなるだけ関わりたくないスタンスの近くにいるアニオタ生徒たちが、ふざけながらなんとなしに解決に導く。

    その流れが、どーにもこーにもやる気がなくて笑える。笑笑

    でも、解決はするんだけど。

    誤解も捻じ曲げも数々合わさったまま、そこは放置。笑笑

    そんなゆるゆるなミステリーが案外ラストまで楽しく読ませてくれます!!!!笑笑

    わたし的にかなり新しいミステリーかも。

  • 文体のおかげで十二分に楽しめるけど、さすがにちょっとマンネリ感があるかも。ストーリーに起伏を求めちゃいけないけど、クワコーらしくて読者がビックリする大事件って設定が難しいよね。

  • このくだらなさは好きじゃないが、大学教員ものは読んでしまう。

  • なんだかんだで毎回読んでるので、面白いのだと思いますが、ミステリーとしては微妙で、どちらかというと日常系と言うべきなんでしょうね。まぁクセにはなります。

  • 自分の中での空前の岩波文庫ブーム(古典ブーム)?の、小休止。仕事が忙しくその日に読書の時間を取ることすらままならないが、疲れた頭にちょうど良い、相変わらず軽快で面白い(というかこの本は意図してリラックスしたい時のためにとっておいた)。
    クワコー先生はじめおバカな集団を面白おかしく描いているが、作者はきっとキャラクターたちに愛着を持っていると思う。私自身、大学関係者なので、大学という業界?の独特さ、先生方の苦労なども身近なこととして読めるが、作者自身も大学教授で、きっとこの独特な世界に疑問もありつつ、親しみを感じているのではないか。
    表題作はテンポ良く読めたが、もう一作はやや導入部が長く、謎を解く過程がやや短かった…かもしれないけど、自分が本作のシリーズに求めているものは当然、満たされているので、何も文句なし。すなわち、(愛すべきおバカなキャラたちを描いているにもかかわらず、)語り口は軽妙、または上品、お洒落ですらあること。「探偵」たちに好感が持てること。力を抜いて読めること。つまり、作者の奥泉さんの文章が個人的に非常に好感を持てるということに尽きると思う。

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著者プロフィール

作家、近畿大学教授

「2011年 『私と世界、世界の私』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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